
あらすじ
会社とは何か。働くとはどういうことか。目からウロコの落ちる本。胸を打つ5つの会社のストーリーが収録されています。なぜこの会社には、4000人もの学生が入社を希望するのか?なぜこの会社は、48年間も増収増益を続けられたのか?なぜこの会社の話を聞いて、人は涙を流すのか?6000社のフィールドワークで見出した「日本一」価値ある企業。
ひと言
このブログを書き始めた2010年以前に読んだ本です。図書館で見つけてもう一度読んでみようと借りました。日本理化学工業や中村ブレイスのことは覚えていましたが、読み終えてもう一度読んでよかったなぁと思いました。ネットで調べてみると好評で1巻~7巻まで発刊され、「日本でいちばん大切にしたい会社 大賞」というものまで出来ていました。今度、北海道展があったら、開拓時代の思い出深い薪の割り方から名前が付いた「柳月」の三方六を買ってみよう。

企業経営の第一義は、社員とその家族の幸福を追求し、実現することです。社員と、その社員が最も大切にしている家族を路頭に迷わせてはいけないのです。だからこそ、継続させなければならないのです。
(第1部 会社は誰のために?)
「大山さん、もう採用してくれとはお願いしません。でも、就職が無理なら、せめてあの子たちに働く体験だけでもさせてくれませんか? そうでないとこの子たちは、働く喜び、働く幸せを知らないまま施設で死ぬまで暮らすことになってしまいます。私たち健常者よりは、平均的にはるかに寿命が短いんです」頭を地面にこすりつけるようにお願いしている先生の姿に、大山さんは心を打たれました。「1週間だけ」ということで、障害をもつ二人の少女に就業体験をさせてあげることになったのです。……。……。そうして一週間が過ぎ、就業体験が終わろうとしている前日のことです。「お話があります」と、十数人の社員全員が大山さんを取り囲みました。「あの子たち、明日で就業体験が終わってしまいます。どうか、大山さん、来年の四月一日から、あの子たちを正規の社員として採用してあげてください。あの二人の少女を、これっきりにするのではなくて、正社員として採用してください。もし、あの子たちにできないことがあるなら、私たちがみんなでカバーします。だから、どうか採用してあげてください」これが私たちみんなのお願い、つまり、総意だと言います。社員みんなの心を動かすほど、その子たちは朝から終業時間まで、何しろ一生懸命働いていたのです。……。ほんとうに幸せそうな顔をして、一生懸命仕事をしていたそうです。
(第2部 日本でいちばん大切にしたい会社たち<日本理化学工業株式会社>)
ある法事の席で一緒になった禅寺のお坊さんにその疑問を尋ねてみたそうです。するとお坊さんは「そんなことは当たり前でしょう。幸福とは、① 人に愛されること、② 人にほめられること、③ 人の役に立つこと、④ 人に必要とされることです。 そのうちの ② 人にほめられること、③ 人の役に立つこと、そして ④ 人に必要とされることは、施設では得られないでしょう。この三つの幸福は、働くことによって得られるのです」と教えてくれたそうです。「その四つの幸せのなかの三つは、働くことを通じて実現できる幸せなんです。だから、どんな障害者の方でも、働きたいという気持ちがあるんですよ。施設のなかでのんびり楽しく、自宅でのんびり楽しく、テレビだけ見るのが幸せではないんです。真の幸せは働くことなんです」
(第2部 日本でいちばん大切にしたい会社たち<日本理化学工業株式会社>)
塚越さんはこう言います。「……。小社はこれまでも、またこれからも社員のリストラはやりません。なぜなら小社にとって、人件費はコストではないからです。人件費は目的である社員の幸福を実現するための生活費だからです……」ここが伊那食品工業の原点だと思います。これを具現化した経営が四八年間、続けられてきたということです。
(第2部 日本でいちばん大切にしたい会社たち<伊那食品工業株式会社>)
「ブレイス」とは、「支える」という意味です。……。
この会社がやろうとしていることは、五体不満足な方や高齢者の方、いわば社会的な弱者の方々が、人間の尊厳を失わずに生きていくことを支えることです。そこに特化した仕事を必死にやってきたことが、結果として多くの人の共感を呼び、世界中から注文がくるまでになったのです。
(第2部 日本でいちばん大切にしたい会社たち<中村ブレイス株式会社>)
ところが柳月の正規社員は、七〇パーセントを超えています。こうした正規社員重視の経営姿勢は、いい会社に共通していえることです。
正規社員が七割ということであれば、当然人件費は高くなります。日本では、残念なことですが、男女の賃金格差がほぼ倍あります。正規社員の男性と非正規社員の女性と比較すると、パートの女性の賃金は、四分の一以下程度にしかなりません。だから一般的に、非正規社員を採るのです。柳月はそれにもかかわらず、仕事を優先して考えるべき正規社員を採用し続けています。それが結果的に、顧客満足度の向上につながり、お客様の支持を受け、長期にわたって繁盛していることにつながっているのでしょう。
(第2部 日本でいちばん大切にしたい会社たち<株式会社 柳月>)
北海道の菓子業界全体の繁栄を念じているのが、柳月の特徴なのです。柳月が北海道にこだわる理由を聞くと、田村社長はこう答えてくれました。「わが社はお菓子だけ売っているわけではありません。お菓子といっしょに。〝北海道〟も包んで売っているのです。本州では北海道を包めませんから。わが社は、これからいろいろなことがあっても、この北海道を離れる気はありません」
(第2部 日本でいちばん大切にしたい会社たち<株式会社 柳月>)