あらすじ
起業のためにIT企業を辞めた多岐川優が、人生の休息で訪れた故郷は、限界集落と言われる過疎・高齢化のため社会的な共同生活の維持が困難な土地だった。優は、村の人たちと交流するうちに、集落の農業経営を担うことになる。現代の農業や地方集落が抱える様々な課題、抵抗勢力と格闘し、限界集落を再生しようとするのだが……。 ルールは変わった! 老人、フリーター、ホステスに犯罪者? かつての負け組たちが立ち上がる逆転満塁ホームランの起業エンタテインメント。
起業のためにIT企業を辞めた多岐川優が、人生の休息で訪れた故郷は、限界集落と言われる過疎・高齢化のため社会的な共同生活の維持が困難な土地だった。優は、村の人たちと交流するうちに、集落の農業経営を担うことになる。現代の農業や地方集落が抱える様々な課題、抵抗勢力と格闘し、限界集落を再生しようとするのだが……。 ルールは変わった! 老人、フリーター、ホステスに犯罪者? かつての負け組たちが立ち上がる逆転満塁ホームランの起業エンタテインメント。
ひと言
バルビゾン村が出てきたあたりから「ん?!」今まで自分がイメージしてきたこの限界集落にミレー記念館のような美術館を建てるっていうこと?!。ちょっと頭が混乱しそうでしたが、日本中の限界集落に「頑張れ!」とエールを送っているような作品で、楽しく読ませてもらいました。
「ところで、このクズ野菜キャラを使って、またマンガ描くんでしょう。だったら、あたしに提案があるんだけど」美穂が片眉を吊り上げ、優を見た。「あなた方都会から来た人たちも、もう分かってると思うけど、食料って別に不足してるわけじゃないでしょう。輸入に頼ってる一部を除けば、むしろ余ってるのよ。マスコミがさんざん、日本では食料自給率は四十パーセントで、先進国中最低とか恐怖心を煽るから、一般消費者が誤解してるだけ」「そうですよね。おれも田舎来て、初めて気づきました。でも、何でみんな捨てちゃうんすか。価格下げて売るとか、貧困な国に寄付するとか、やり方はいろいろあるはずじゃないですか」……。「日本は山が多いし、大規模農業で徹底的に効率化しているアメリカなんかに比べれば、競争力低いのは当たり前だよ。農家は日本の食糧問題なんかより、まず自分たちの所得のことを考えなきゃ生きていけないの。その為には、消費者にもっと現実を理解してもらいたい。如何にこの国の農業で、理不尽な事態が沢山起きているか。そういうことを、無駄に捨てられてしまう野菜の視点から、梅田くんには描いて欲しいの」……「甘ったれるな!」 優に一喝され、美穂は口をつぐんだ。「苦労してるのは、農家だけか。消費者だって、この大不況の下、リストラの恐怖に怯えながら生きてるんだ。何万人もの派遣労働者がポイ捨てされて、路頭に迷うご時世だぞ。曲がりなりにも、補助金貰って、家があって食いものにも困らない農家は、この国の底辺では決してないはずだ。そんなことばかり言ってると、大反発を食らうぞ。消費者のリスクなんかそっちのけで、農薬だの遺伝子組み換えだのを使って金儲けしようとしているやつらが、偉そうなこと言うなって、非難されるのが落ちだぞ」美穂は唇を噛んだまま押し黙った。(第ニ章)
バルビゾン村が出てきたあたりから「ん?!」今まで自分がイメージしてきたこの限界集落にミレー記念館のような美術館を建てるっていうこと?!。ちょっと頭が混乱しそうでしたが、日本中の限界集落に「頑張れ!」とエールを送っているような作品で、楽しく読ませてもらいました。
「ところで、このクズ野菜キャラを使って、またマンガ描くんでしょう。だったら、あたしに提案があるんだけど」美穂が片眉を吊り上げ、優を見た。「あなた方都会から来た人たちも、もう分かってると思うけど、食料って別に不足してるわけじゃないでしょう。輸入に頼ってる一部を除けば、むしろ余ってるのよ。マスコミがさんざん、日本では食料自給率は四十パーセントで、先進国中最低とか恐怖心を煽るから、一般消費者が誤解してるだけ」「そうですよね。おれも田舎来て、初めて気づきました。でも、何でみんな捨てちゃうんすか。価格下げて売るとか、貧困な国に寄付するとか、やり方はいろいろあるはずじゃないですか」……。「日本は山が多いし、大規模農業で徹底的に効率化しているアメリカなんかに比べれば、競争力低いのは当たり前だよ。農家は日本の食糧問題なんかより、まず自分たちの所得のことを考えなきゃ生きていけないの。その為には、消費者にもっと現実を理解してもらいたい。如何にこの国の農業で、理不尽な事態が沢山起きているか。そういうことを、無駄に捨てられてしまう野菜の視点から、梅田くんには描いて欲しいの」……「甘ったれるな!」 優に一喝され、美穂は口をつぐんだ。「苦労してるのは、農家だけか。消費者だって、この大不況の下、リストラの恐怖に怯えながら生きてるんだ。何万人もの派遣労働者がポイ捨てされて、路頭に迷うご時世だぞ。曲がりなりにも、補助金貰って、家があって食いものにも困らない農家は、この国の底辺では決してないはずだ。そんなことばかり言ってると、大反発を食らうぞ。消費者のリスクなんかそっちのけで、農薬だの遺伝子組み換えだのを使って金儲けしようとしているやつらが、偉そうなこと言うなって、非難されるのが落ちだぞ」美穂は唇を噛んだまま押し黙った。(第ニ章)







