特集「もう一度乗りたい!おすすめバス路線」ホーチミン市内バス5番 ビエンホア~チョロン | 世界バス轉運站 -アジアの交通総合ブログ-

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今回は久しぶりに特集「もう一度乗りたい!おすすめバス路線」をお送りいたします。

 

このコーナーでは私がこれまでアジア各国で利用してきたバス路線の中から厳選して、もう一度乗りたい!と皆様におすすめしたい路線を詳しく紹介していきます。

これまでの記事では各バス停を通る路線紹介や乗車レポートを中心にお届けしてきましたが、このコーナーでは「路線」に着目してその路線の魅力などをさらに掘り下げていきたいと考えております。

試行錯誤の上で実施いたしますので内容の濃さも変わっていくと思いますが、温かく見守っていただければ幸いです。

 
今回は本コーナー初の東南アジアより、ベトナムの市内バス路線を紹介します。
 
ホーチミン市内バス5番 ビエンホア~チョロン
 
運行区間と経由地
ビエンホアバスターミナル-Phung Khac Khaon-Tran Quoc Thao-チョロンバスターミナル
 
運行時間帯と運行間隔
朝5時~17時50分まで、25~30分おき
 
所要時間
約100分
 
運行する事業者
Hix Van Tai Xe Buyt Quyet Thang(クエットタンバス輸送協同組合)
Cong ty co phan Dau tu Phat trien Van tai Vinh Phu(ビンフー交通開発投資合資会社)
※二社共同運行
 
運賃
乗車区間によって異なる距離制運賃 5000ドン~15000ドン
※発車後、車掌に現金で直接支払い、切符を受け取る形。
 
概要など
ホーチミン市の市内バス路線のひとつで、路線番号は5番が付与されています。この路線はホーチミン市街のチョロンを始発終着としていますが、郊外側はホーチミン市を越えて、ドンナイ省の省都であるビエンホアまで運行しています。
ビエンホアはホーチミンのベッドタウンとして近年発展が著しく、ホーチミンとの往来が盛んな地域となっています。その一方で鉄道網の発達は進んでいないため、ホーチミンとの間は複数のバス路線が運行されており、近郊輸送はバスが専ら主力ともなっています。
今回紹介する5番の路線もホーチミンとの行き来に欠かすことのできない路線で、途中にベンタイン地区のPhung Khac KhaonやTran Quoc Thaoも経由することから、ホーチミン市の繁華街の幅広いエリアをカバーしています。
乗降制限もなく、1区間から乗車できるため、沿線各地から中華街のあるチョロンへのアクセスにも利用することができます。
運行距離は約38km、所要時間は100分程度と市内バスとしては比較的長い距離を走る路線ですが、二社が共同運行して30分程度の運行間隔を維持し、利便性も悪くない路線となっています。
但し、最終バスは17時50分発と少し早い時間に終わってしまいます。ベトナムのこの程度の距離の路線ではこの時間が終便という路線が多く、日が暮れる頃にはバスがないという所も多くなっていますので利用の際には時刻をよく確認して利用するようにしてください。
 
 
 
この路線のおすすめポイント-「郊外から市街地への風景の移り変わりをのんびりと楽しめる路線。運賃の収受だけでなく車内販売まで行う車掌さんの動きにも注目!」
この路線にはビエンホアからチョロン行きの便に乗車しました。ビエンホアの郊外、国道1A号線沿いにあるバスターミナルを出たバスはしばらくの間は郊外の長閑な住宅地などを進みます。国道ということで道路も整備されており、比較的スムーズにバスは進行していきます。
ドンナイ川に渡る大きな橋を渡り、しばらく走るとバスはホーチミン市に入ります。途中からは国道1A号線を外れて13号線を南下し、サイゴン川を渡るとホーチミン市の繁華街であるベンタイン地区へと入っていきます。
ベンタイン市場や923公園とは少し北西寄りの通りを通過しますが、先述したPhung Khac KhaonやTran Quoc Thaoの各バス停などで降りれば徒歩でこれらの場所にアクセスすることができますので、ビエンホア~ベンタイン間の移動にも便利です。
ベンタイン地区を過ぎるとバスは細い道へと入り込んでいきます。道が狭いことはもちろん、沢山のバイクなどの走行に阻まれて思うように進めず、ここからはゆっくりとした速度での運行になっていきますが、車窓を眺めながらゆったりとした時間を楽しむのもまたよしです。
終点のチョロンバスターミナルも狭い路地に囲まれた街中にあり、徒歩でチョロンの中華街へとアクセスして食事を楽しむのもよさそうです。
この路線は走行ルートを楽しむのももちろんですが、日本ではめっきり見ることのなくなった車掌さんが乗務しているバスであることも特徴です。ベトナムでは多くの路線で車掌の乗務するツーマンバスが運行されています。
乗車してきた客の所に向かい、目的地を尋ねて正確な運賃を収受するのはもちろんのこと、このバスでは飲み物の車内販売も行っています。前方のクーラーボックスでキンキンに冷やした炭酸飲料やオレンジジュースなどを販売しており、乗客の入れ替わりが少ないタイミングを見計らって販売に回ります。値段もコンビニ等の価格と同様なのでとても良心的で、特にこのバスにはエアコンがついていませんので、冷えた飲み物の車内販売の存在は非常にありがたいと思いました。バス旅を盛り上げてくれるアイテムだとも思います。
ベトナム・ホーチミン市へお越しの際はぜひローカルな路線バスの旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
 
使用車両の紹介
 
 
 
ヒュンダイエアロスペース、KIAグランバード・グリーンフィールドなど
車両は韓国製の高速型2車種を中心に使用しています。高速型といっても仕様はベトナムの路線バス向けにローカライズされており、座席は一般路線バスで見られるようなローバックシートとなっており、シートベルトの設置もありません。
また、床下のトランクのほか、車内にも荷物スペースが存在するバスもあり、中程の座席がないレイアウトの仕様もあります。
屋根上などに吹き出し口があることから一見すると空調つきのバスに見えますが、これらのバスでは一貫して空調設備は使用しておらず、原則として全ての車両が非冷房車扱いで運行されています。窓を全開にして風を感じながらのバス旅を楽しむことができます。
高速型ですが扉は前と中程の2ヵ所あり、韓国の座席バスほ彷彿とさせる仕様となっています。5番のバスは車掌乗務で乗車後に運賃を収受する関係上、どのドアから乗降しても基本的に問題はありませんが、降車は中扉からされる方が多いように見受けられました。
 
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響でベトナムへもまだ行くことが難しい状況だと思いますが、ホーチミンへは近年LCC航空会社が続々と就航し、従来からの便も充実していることからより身近な場所になってきたと思います。
ベトナムの生活に密着した路線バスにチャレンジして、地域の雰囲気を全力で感じ取る旅行もおすすめです。
 
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