今回は台湾の高速バスの話題です。
今年3月20日より、台北市の市政府近くにある「市府轉運站」と基隆を結ぶ新たな高速バス路線2088系統が運行開始しました。
市府轉運站と基隆を結ぶ高速バス路線はこれまでにも複数ありましたが、市府轉運站始発ではない上、往復で経路が異なり、基隆発台北市内行きの便はいずれも市府轉運站を経由せずに運行していたためとても不便でした。
今回の2088系統は市府轉運站始発の基隆行き路線として運行するため、基隆から乗車した場合もも市府轉運站が終点となり、とても便利になりました。
2088系統を運行するのは台北側のバス事業者である大都会客運です。同社は新店(大坪林)~羅東間で高速バスの運行実績があり、運行を計画した基隆市から選定されたようです。
2088系統の運行開始に際し新車を大量投入し、車体には同路線の愛称である「基隆市快捷公車」の文字が入っています。
台北側の始発地である市府轉運站の乗り場はMRTの市政府駅出入口から近い9番乗り場が割り当てられています。MRTを降りてから雨に濡れることなく乗り場まで来ることができます。
他路線との競合を意識してか、乗り場にはPR文章が大量に掲示されています。
運賃は基隆市街地にある電力公司バス停まで44元(約154円)となっています。支払いは悠遊カードでも可能です(注:iPASSカードは利用できません)。
基隆市街地、基隆夜市に向かう場合、降車地と乗車地がそれぞれ異なりますので注意が必要です。降車は高速を降りてすぐの所にある電力公司バス停となりますが、台北方面への乗車は基隆市公車などと共用している仁二路バスターミナルになります。
こちらが基隆側の乗車地である仁二路バスターミナルになります。
基隆夜市から徒歩で数分の所にあるバス停で、マクドナルドと道を挟んだ向かい側と覚えておくとわかりやすいと思います。時刻表はありませんが10~15分に1本は走っていますので、待ち時間はさほど長くなくて済むと思います。バス待ち用のベンチもあります。
バスターミナルにはこのような大きな電光表示板が設置され、ここから台北市府轉運站行きが出ていることをPRしていますのでとてもわかりやすいです。この電光表示板の真下あたりが乗り場になります。
仁二路を出たバスは少し先にある交差点を曲がりすぐに高速道路に入りますので、基隆市内の時間的ロスもほとんどなく台北方面へ直行します。40分もみていれば市府轉運站へ向かうことができるでしょう。
市府轉運站から基隆方面へ運行する他社も2088系統へ対抗を強めています。
國光客運は市府轉運站の8番乗り場(2088系統の隣の乗り場)より基隆行きを運行しています。
乗り場には各所に「直達基隆車站」の貼り紙が掲示され、基隆へ直行することを猛烈にPRしています。
実際問題、2088系統は基隆夜市への足を意識しており、基隆駅前とは遠い場所での降車となっていますので、基隆駅前へ行きたいという方は國光客運の路線の方が便利だと思います。
福和客運も従来より新店から市府轉運站経由で基隆への高速バス路線を運行しています。
福和客運の発着する6番乗り場には「往基隆」と大きく書かれた貼り紙が掲示され、基隆行きがここから出ていることをPRしています。また、これまで使用できなかった悠遊カードを2088系統の運行開始に先駆けて使用可能にするなど(iPASSカードは従来より利用可能)対抗力をつけてきています。
こちらも基隆側の到着は基隆駅前になりますので、駅近くに向かいたい方には便利かと思います。
2088系統は地元基隆から台北方面への通勤利用だけでなく、基隆夜市へのアクセスも意識した路線ルートになっており、台北市中心部から基隆夜市へのアクセスが大変便利になりました。
基隆夜市は24時間営業しているお店も多く、この路線を使えば、台湾滞在の最終日に基隆に足を運び食事を済ませて空港へ…などという楽しみ方も気軽にできるのではないかと思います。
台北市内から気軽にアクセスできる基隆へ高速バスで足を運んでみるのはいかがでしょうか?