今日は再び乗車レポートを。写真の枚数が多くなりますがどうかお付き合いください。
今回は枋寮から高雄へ戻る際に利用した9117A系統を紹介します。墾丁~高雄を結ぶ9117系統(墾丁列車)の枋寮~高雄間のみ運行の区間便で、全区間を一般道(台17線)経由で運行し、2時間以上の所要時間をかけて50個の停留所を経由して高雄へ向かいます。
高速道路経由の9188系統ができてからは地域の足としての役割が主体となり、利用者も地元の買い物客や通学利用が中心になってきています。それでも30分間隔での運行なのは需要の高さを物語っていますね。乗車した便は中南客運の担当で、三菱ふそう製のハイデッカー車が使用されていました。
車内はドア側1列、運転席側2列の偏心3列シートを採用、大柄のシートが並びローカル路線とは思えない豪華さで、これならば乗り通しても快適に過ごせそうです。車内トイレの設置はなく、2時間程度の我慢の必要がありますので、乗車前に済ませておきましょう。
バスは買い物帰りのお年寄りなど数名を乗せて枋寮駅を発車。しばらくはのどかな田園地帯を走ります。停留所の案内をするアナウンスがひっきりなしに流れ、ローカル路線であることを実感します。後を追ってきた9188としばらく並走しましたが、あちらは大鵬灣インターより高速へ入っていきました。
途中で大鵬灣のバスターミナルが車窓に見えます。このターミナルは墾丁快線の一部便が経由しますが、9117系統は路上のバス停での乗降扱いとなるため中には入らずそばを通過します。
更にしばらく走ると街中に入り、屏東客運東港駅に到着。このあたりは屏東客運のエリアになるため同社のバス停ポールが立っていますが南国らしいユニークなものになっていますね。東港駅には営業所が併設されており、奥で車両が休んでいるのも見ることができました。反対側のバス停では乗車券類の発売も行われているようでした。
場所によってはこのように墾丁列車を運行する4社の連名となっているバス停ポールもありました。
バスはその後も田園地帯を走ったり、時より街中を通過したり、街と街との間や、各集落での乗降が多く、地域輸送の役割を担っていることを感じます。15時を回ると沿線の学校から帰宅する学生の姿も増えてきて、車内が賑やかになる場面もありました。
枋寮から1時間半少々走り、バスはいよいよ高雄市へと入ります。沿線に地下鉄の入り口が見えてきました。こちらは高雄MRTの小港駅。紅線の南端にあたる駅です。ここにもバス停が設置されています。
小港駅を出るとバスはまもなく高雄国際空港へと入っていきます。高雄国際空港は別名小港機場とも呼ばれており、国際線のみならず台湾国内線の離着陸もあります。
バスは国内線ターミナルそばのバス乗り場に停車します。ここの屋根が大変低く、大阪の阪急三番街並のスリルを味わうことができました。
滑走路の南側?まで大きく迂回して更に高雄駅へ向けてバスは走ります。途中、高雄軽軌(高雄ライトレール)の建設中の線路を跨ぐ区間もありました。今は一部区間がプレ開業しているようですね。
三多商圏駅などの高雄市の繁華街を通過すると終点の高雄駅はもうすぐそこです。
そしてバスは枋寮から2時間20分ほどの所要時間で終点の高雄駅に到着。降車場所は高雄客運のバスターミナルのそばで、建国路上の路上となります。降りる際に台鐵高雄駅の場所まで教えてくれた親切な運転手さんに感謝し、長時間にわたる乗車も終了です。
枋寮から高雄まで、下道だけを走る系統で移動してみましたが、台湾南部ののんびりとした田園風景や時々入っては出ていく小さな街と、移り変わる車窓を眺めながらの乗車は格別なものがありました。長い時間をかけて高雄の街中へ入ってきた時の達成感もこれまでにないものがあり、長距離ローカル路線の素晴らしさを再認識しました。車両も快適なハイデッカー車で、リクライニングを倒してくつろぎながら移動できたのも、この乗車の満足感に貢献していると思います。
同区間は高速経由の路線や鉄道もありますが、時間に余裕があればこちらの路線での旅を楽しんでみるのもよさそうです。