台湾の高速バスと言えば、1時間半程度の路線でも3列シート車が走っていたりと、日本と比べて豪華なイメージがあります。
その豪華な台湾の高速バスの中でも、豪華さの頂点を競い合うある一社のバスを紹介したいと思います。
関西国際空港からは高雄国際空港へ直行便が出ており、そちらで高雄へ飛び、やってきたのは和欣客運の高雄駅バス乗り場。台鐵(台湾国鉄)の高雄駅からも徒歩5分ほどの場所にあります。
和欣客運は台湾でも豪華な高速バスを走らせている事業者として知られています。そんな和欣客運の一押しのバスがこの白金臥艙のシートを搭載した新型車両。乗り場に堂々と広告を出すほどの自信。
高雄~台北間は数社の高速バスや台鐵、そして台湾高鐵が競合する激戦区でもあります。
台湾では高速バスのきっぷは窓口で買うのが一般的。でも、最近はコンビニ発券もできるようになっていますね。週末は早めに確保することをおすすめしますが、平日昼間ならば乗る前に買っても割と問題ありません。
余談はさておき、台北までの切符を購入しました。この際、白金臥艙のバスに乗りたい旨伝えると、わざわざ営業所に問い合わせてくれました。幸い、直近のバスが当該のようです。
和欣客運は高雄から途中の新営までの系統と、新営~台北の系統で別々になっており、高雄~台北に向かうには、途中の新営で乗り換えが必要のようです。このため、切符も2枚がホチキス止めに。
運賃は合計で710元(現在のレートで約2840円)。約5時間の所要時間でこのお値段です。
訪れたのは11月ですが、台湾南部は蒸し暑く、冷房の入った待合室でバスを待ちます。
待合室にはミネラルウォーターの用意があり、バス利用者は無料でいただけます。
発車時間数分前にバスが入線。途中の新営までお世話になるのはこちらの車両。
早速車内に入っていきます。車内は通路を挟んで左右1列ずつのシートが並び、1台なんと14席しかないというゆったり設計。各座席の後ろはパーテーションで仕切られていて、リクライニングを倒しても後ろの席に影響しません。
座席設備を見ていくと、リクライニング、フットレスト、レッグレストは全て電動。赤いボタンはなんとマッサージ機能でした。あと読書灯のボタンもここにあったような。
各座席にはコンセントが備えられており、電圧や差込口は日本と同じなので、スマートフォンの充電が日本の充電器で問題なくできます。
このほか、フリーWiFiや映画やゲームなどが楽しめるシートテレビ、毛布が用意されており、至れり尽くせりのサービス内容です。
トイレは日本でも見られる中央床下設置。トイレに降りる階段の向かい側には冷蔵庫があり、ここにはミネラルウォーターのサービスがあります。確か給湯器もあったような覚えがあります。
バスは高雄駅を出て、高雄市内のいくつかの停留所で客扱いをして中山高速公路(国道1号)へ。2時間もかからないくらいの時間で乗り換え場所の新営駅に到着します。
ここは和欣客運の営業所を兼ねているバスターミナルで、車両交換も兼ねた乗り換えのようです。
乗り換えは非常に簡単で、乗ってきたバスの前に停車しているバスが台北行きのバスです。後ろから前のバスに乗り換えという流れです。トランクの荷物は係員さんが運んでくれます。
引き継ぎに多少時間がかかるため、この間にターミナルのコンビニに買い出しに行く強者の姿も。
乗り換えたバスも車内、座席はほぼ同様。新営までのバスと同じ座席番号のシートに着席すればOKです。シートテレビがタブレットに進化していたのが唯一の変化ですかね。
新営から台北までまだ3時間ほどの所要時間があります。この間はぼーっと夜景を眺めたり、シートテレビで映画を見たり、フリーWiFiを活用してスマートフォンを使ったり、もちろん快適なシートに身を委ねて睡眠時間にするのもありでしょう。マッサージ機能も移動中のリラックスには最適な設備と思いました。
途中、新竹、三重の各バス停で降車扱いを行い、終点の台北轉運駅(台北総合バスターミナル)には高雄から丁度5時間ほどで到着。
高雄~台北間は、普通の3列シートのバスならばもっと安い値段で出ており、そちらもそこそこ快適に移動できます。
しかし、5時間という所要時間をより快適に過ごせるこの和欣客運の白金臥艙は、お値段以上の価値があると感じます。距離的には福岡~鹿児島くらいですから、日本の価格と比べるととてもお安いです。
ちなみに高雄~台北間のバスは24時間運行されています。乗り換えというデメリットはありますが、夜行便代わりにこのバスを使うのも良いかもしれませんね。
渡航前から楽しみにしていた白金臥艙の乗車は、非常に満足のいくものとなりました。
(乗車 2014年11月)