食事法
ダイエットに行き詰った人、手軽にダイエットしたいと考えている人の中には、下剤をダイエットに使おうと思い立つ人がいるようです。ですが、それは非常に危険な考え方です。下剤でダイエットをする危険性についてお伝えします。

下剤ダイエットとは
下剤を飲むことで食べたものが消化器官の中にある時間を短くし、栄養吸収を妨げることにより痩せよう、という安直な考えから生まれたダイエットです。しかし、これは厳密にはダイエットではなく、自傷行為と言うべきです。
下剤ダイエットのやり方
まず、下剤でダイエットはできません。下剤を利用して出るものは、便であり脂肪ではありません。一時的に体重が減ったように見えますが、それは便が出た分体重が軽くなっただけで、次の食事を摂れば元に戻ります。
巷では、毎日下剤を飲めば痩せるなどという噂もあります。ですが、毎日下剤を飲んだ先に待つのは、美しい身体とは程遠い不健康な身体です。
下剤を飲めば食物が体内に留まる時間が短くなるので痩せる、と言う人もいます。ですがその考え方は病的ですらあります。
どうして危険なの?
以下のような症状が現れる危険性があるため危険です。
急性的に起こること
・強い下痢
自己判断で下剤の量を増やしたり、便秘でもないのに下剤を飲んだりすることで起こります。強い下痢による腹痛、脱水などの症状が現れます。
・低ナトリウム血症(欠乏性低ナトリウム血症)
電解質の一つ、ナトリウムが下痢とともに流れ出てしまいます。虚脱感や疲労感が現れ、頭痛や気分が悪くなるといったこともあります。最悪の場合、痙攣して意識を失う、腎不全を引き起こすなどの可能性があります。
・低カリウム血症
電解質の一つ、カリウムが下痢とともに流れ出ます。筋力低下、高血圧、疲労、不安などが現れ、麻痺や自律神経失調が現れることもあります。
慢性的に起こること
・腸の機能低下
下剤を乱用することで、腸が自分で便を押し出す力が弱くなります。そのため、慢性的な便秘になる、もともとあった便秘がひどくなるということが起こります。
行き着く先
下剤乱用から自分の体重の増減に一喜一憂するうちに、摂食障害へ発展する例も珍しくありません。また、下剤の乱用により腸は大きなダメージを受けます。
また、仮に身体体は痩せたとしても、栄養不足状態で「痩せた」というより「やつれた」状態ですから、皮膚の張りはなくなり、目は落ち窪み、身体は痩せているのに不自然に腹部だけ出ているという典型的な栄養不足状態の見た目になるでしょう。美しい身体とは対極の身体です。ですので、くれぐれも下剤でダイエットしようとは思わないでください。