DHA・EPAの摂取方法
私たちの体に不可欠な脂肪酸であるDHA。これが豊富に含まれる魚や、関連食品をご紹介します。より効果的に摂取するための方法や、一緒に食べると効果が高まる食材もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

DHAを豊富に含む魚・食品とは
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、私たちの体に必要不可欠な脂肪酸です。脳や神経の発達に大きく関係しているほか、血圧やコレステロール値を正常に保つなど、健康に欠かせない成分でもあります。このように重要な成分ですが、肉や野菜類にはほとんど含まれておらず、主に魚介類からしか摂取することができません。
DHAは、魚介類の中でも、いわしやサバ、さんま、アジ、クロマグロなど、特に青魚に豊富に含まれています。脂ののった魚にも多く含まれるので、例えば「初鰹」と呼ばれる春のカツオは脂が少なくあっさりしているのに比べ、秋の「戻り鰹」は脂がのっているため、DHAがより多く含まれます。また、マグロの場合は赤身にはあまり含まれておらず、脂ののっているトロの部位に多いのが特徴です。ちなみに、もっとも多く含まれる部位は、かぶと煮などで食べられる目玉の後ろの「眼窩(がんか)」と呼ばれるところです。
それでは、DHAを豊富に含む主な魚をご紹介します。
生食の場合(可食部100g当たりの含有量)
・くじら(本皮):3,400mg
・クロマグロ(脂身):3,200mg
・ブリ:1,700mg
・さんま:1,700mg
・ハマチ(養殖):1,700mg
・マイワシ:1,300mg
・カツオ(秋獲り):970mg
・真鯛(養殖):890mg
・マアジ:440mg
・するめいか:200mg
調理食の場合(可食部100g当たりの含有量)
・さんま(焼き):1,400mg
・マアジ(開き干し・焼き):1,300mg
・ウナギ(蒲焼き):1,300mg
・マイワシ(缶詰・油漬け):810mg
・シロサケ(焼き):510mg
・いかなご(佃煮):500mg
DHAが魚に多く含まれるのは、DHAは海中プランクトンが産生するものだからです。そのため、それをエサとして捕食した魚にも豊富に含まれるとされています。
DHAを効果的に摂るには
ここからは、DHAをより効果的に体内に摂り入れる方法についてご紹介します。
(1)刺身で食べる
DHAは、焼く、煮る、揚げるなどの調理方法によって、魚に含まれる脂質が流れ出てしまいます。 また、食べ方にもよりますが、DHAをしっかりと摂取するのであれば、刺身など生のまま食べることが効率的といえます。
(2)煮汁まで食べる
調理する場合は、蒸し料理や煮込み料理にし、成分が流れ出た汁まで食べることをおすすめします。魚を焼く場合も、グリルなど油が流れ落ちてしまうものを使用するよりは、フライパンなどで焼いて残った油をソースにするなど、有効活用するといいでしょう。
(3)魚の缶詰もおすすめ
DHAを摂るには、魚の缶詰もいいです。それは、缶汁にDHAが多く含まれるためです。食べるときは調理方法などを工夫して、残さず利用しましょう。中でも、サバの水煮や味噌煮、さんまのかば焼き、いわしの味付けなどは、原料そのものにDHAが多く含まれているのでおすすめです。
(4)抗酸化食材と一緒に食べる
DHAは体内で酸化しやすいというデメリットがあります。体内での酸化を防ぐためにも、βカロテンの豊富な緑黄色野菜や、ビタミンEの豊富なゴマなどと一緒に食べることをおすすめします。
魚は、皮や汁まで、食べられるところはすべておいしくいただく。これが、DHAなどの有効成分を上手に摂取するポイントです。