DHA・EPAの摂取方法
健康維持に効果的な働きをしてくれるEPA。DHAと同じく魚介類に多く含まれる成分ですが、特に豊富に含まれる食品にはどのようなものがあるのでしょうか?EPAを豊富に含む食品と、上手な摂取方法をご紹介します。

EPAを豊富に含む食品とは?
EPAは魚油に多く含まれる高度不飽和脂肪酸で、血栓予防や抗炎症作用、高血圧の予防に効果が期待できる成分です。そんなEPAを多く含むとされているのが、マイワシやサバ、ブリ、さんま、クロマグロの脂身などです。主に、青魚や脂がのった魚にEPAは豊富とされています。また、生の方がEPAを損なわずに摂取できるので、基本的には刺身などで食べる方がよいとされています。
とはいえ、中には調理をしても高い含有率を保つものがあります。例えば、可食部100g当たりにおいて、さんまは生だと890mgのEPAを含みますが、焼いても650mgと、生のマアジ(生食で230mg)よりも豊富なEPAを含んでいます。他にも、ウナギの蒲焼きやマアジの開き、マイワシの缶詰や油漬けなど、生でなくともEPAを豊富に含むものは多いです。生食を好まない方は、このような魚をとり入れることをおすすめします。
以下は、EPAを豊富に含む主な食品です。
生食の場合(可食部100g当たりの含有量)
・くじら(本皮):4,300mg
・クロマグロ(脂身):1,400mg
・マイワシ:1,200mg
・ハマチ(養殖):980mg
・ブリ:940mg
・さんま:890mg
・真鯛(養殖):600mg
・カツオ(秋獲り):400mg
・マアジ:230mg
調理食の場合(可食部100g当たりの含有量)
・マイワシ(缶詰・油漬け):850mg
・ウナギ(蒲焼き):750mg
・さんま(焼き):650mg
・マアジ(開き干し・焼き):560mg
・いかなご(佃煮):450mg
・シロサケ(焼き):260mg
ちなみに、豚や牛などの肉類にはEPAは含まれていません。では、なぜ魚などの魚介類にEPAが豊富なのでしょうか?それは、EPAは海中生物の食物連鎖の過程で生成される成分であるためです。例外的に多く含まれる鶏卵もありますが、これは鶏を育てる際のエサの中にEPAやDHAを含む魚粉を配合しているためです。
EPAを効果的に摂るには
EPAの有効性分は、煮る・焼くなどの調理でおよそ20%が流れ出てしまいます。理想はお刺身など生で食べることですが、調理をする場合には、ホイル焼きや蒸し焼き,煮込みなどにし、魚から出た油や煮汁まで一緒に食べましょう。焼き魚にする場合は、グリルよりも油が流れ落ちないフライパンがおすすめです。野菜などを一緒に炒めれば流れ出てしまったEPAを上手に取り込むことができますし、残った油を使ってソースを作ってもいいでしょう。
忙しくて調理する時間がないときは、缶詰を活用しましょう。その際、魚と一緒に入っている汁の中にもEPAが多く含まれているので、缶の中身は丸ごと利用することをおすすめします。
また、魚の脂肪分は酸化しやすいため、できるだけ新鮮なものを選んで食べましょう。体内での酸化を防ぐために、βカロテンが豊富な緑黄色野菜や、ビタミンEが豊富なゴマなどと一緒に摂取するのもおすすめです。
さらに、水産庁の調べによると、魚と海藻を一緒に食べることで肥満防止効果につながる可能性があるとされています。これは、海藻と魚には共に血中の中性脂肪濃度を低下させる働きがありますが、作用のメカニズムが異なるので、両者のよい部分が補われて、より高い効果が見込めるとの考えです。海藻サラダなどと組み合わせて食べるのもいいかもしれません。
以上を踏まえ、日々の食事でEPAを上手に補いましょう。