吸収率が高い!「ヘム鉄」を摂るポイント | h4z3f2のブログ

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食物から摂取できる鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。両者の違いをはじめ、鉄分摂取にはヘム鉄がおすすめである理由や注意点、ヘム鉄を多く含む食材について、解説します。

 

2種類のヘム鉄とその特徴・注意点についてご紹介します。

「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」って何が違うの?

ヘム鉄と非ヘム鉄の大きな違いは、体内における吸収率と、含まれている食品です。ヘム鉄は動物性食品に多く含まれており、単体での吸収率は10~20%となっています。非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれている栄養で、単体での吸収率は1~6%とヘム鉄よりも低いことが特徴です。

吸収率が高い!ヘム鉄の特徴

ヘム鉄の特徴は大きく3つあります。

 

1つ目は、単体での吸収率が高いことです。また、ヘム鉄は、ヘムというタンパク質に抱き込まれた形になっていて、食物繊維やタンニン酸など外部からの影響を受けにくい構造になっています。そのため、非ヘム鉄と比べて5倍以上の吸収率を誇ります。

 

2つ目は、動物性食品に多く含まれていることです。ヘム鉄は筋肉中に多く存在するため、鉄が貯蔵される肝臓(レバー)以外にも赤身の魚や肉には豊富に含まれます。

 

3つ目は、胃腸を傷つけにくく体にやさしいことです。

 

※ヘム鉄と非ヘム鉄は吸収経路や吸収の特徴が違うので両方とるといいでしょう。

ヘム鉄が豊富に含まれる食材

ヘム鉄を多く含む食品と、食品100g中のヘム鉄含有量は以下の通りです。

煮干し…18mg

干しエビ…15.1mg

豚レバー…13mg

鶏レバー…9mg

鶏卵黄…6mg

鰹節…5.5mg

しじみ…5.3mg

天然のアユの焼き魚…5.5 mg

イワシの丸干し…4.4mg

ホッキガイ…4.4mg

牛レバー…4mg

馬肉…4.3mg

あさり…3.8mg

牛もも肉(赤身)…2.7mg

肉類の場合、含まれる鉄量はその赤みの濃さとほぼ比例します。肉類では馬肉に含まれる鉄分が一番多く、さくら肉と呼ばれ、赤みの強さが特徴です。レバーでも牛レバーに含まれる鉄分は、豚や鶏のレバーと比べると少ないことがわかります。また、牛ヒレは1.1 mg、豚ロース赤身部は0.6 mgしかありません。一方、天然アユの焼き魚には5.5 mgと鉄分が豊富で内臓部には63.2 mgの鉄を含んでいます。

 

貝類の場合は、赤貝のような赤みの強い貝はヘム鉄を含み、シジミやアサリといった白いものは非ヘム鉄を含んでいます。

葉物野菜で鉄分が多いのは?

野菜の鉄は、非ヘム鉄です。

 

パセリ、つる菜、小松菜、サラダ菜、ふだんそう、ダイコン葉など。

鉄の吸収を高めるビタミンC

非ヘム鉄は、酵素によって、吸収しにくい三価の鉄から、一度吸収しやすい二価の鉄に還元されてから取り込まれるように、外部から影響を受けやすい構造になっています。そのため、鉄の吸収を促進する成分を一緒にとることで、吸収率を大きく上げることができるという特徴があります。ビタミンC(アスコルビン酸)は、胃液によってイオン化された三価鉄(酸化鉄)を、吸収しやすい二価鉄(還元鉄)に還元するために非ヘム鉄の吸収がよくなります。フレッシュな野菜サラダや果物を食事にとり入れると、吸収率も栄養バランスもよくなり一石二鳥です。

鉄の吸収を高める方法

かつお節やクエン酸などに多く含まれる含有アミノ酸にも鉄をキレートする(くっつけて安定化する)作用がありますので、こうしたものと一緒にとると非ヘム鉄の吸収率が高まります。

鉄鍋+酢

酢を加えて鉄鍋の中身を、鉄をイオン化するために酸性にすると、体内に吸収しやすい二価鉄の溶出が期待できます。ケチャップ料理など、酸味の利いた料理がおすすめです。加熱時間は長い方が鉄は溶出します。塩によっても溶出量が増えると考えられています。

鉄の吸収を阻害する食品

カルシウム

リン酸

シュウ酸(ほうれん草、長ねぎ、タピオカなど)

タンニン酸(緑茶、紅茶、コーヒー、赤ワインなど)

フィチン酸(phytic acid)

フラボノイドなどのポリフェノール類

リン酸、シュウ酸、タンニンを一緒にとると、難溶性の鉄塩を作ってしまうために吸収しにくくなります。そのため、リン酸塩・シュウ酸塩などの食物添加物は控えた方がよいでしょう。乳製品などに含まれるカルシウムは腸管で鉄と拮抗するため、多量のカルシウム摂取は鉄の吸収率を低下させます。

 

紅茶1杯(約200ml)は75~80%、コーヒー1杯(約150ml)は60%まで鉄吸収を阻害するといわれています。この阻害因子は、カテキン類やクロロゲン酸などのポリフェノール類です。また、これらの飲料を肉(約100g)と時に摂取したときは、鉄の吸収は飲料を摂取しないときの50%まで低下します。

 

フィチン酸やポリフェノールは、消化管内で鉄と結合することで、鉄の腸管吸収を妨げますが、この鉄吸収阻害に対してもビタミンCによる改善作用が報告されています。たとえば、フィチン酸を添加することで鉄吸収性を低下させた液状食品においては、ビタミンC非添加群の3倍に鉄の吸収が上昇しました。

 

このような鉄の吸収を阻害する食品因子との混在下におけるビタミンCの鉄吸収促進(改善)作用は、ビタミンCがただ三価の鉄を二価の鉄に還元するだけでなく、さらに別の機序もあるかもしれません。

お茶やコーヒーや牛乳は食事とは別で飲みましょう

非ヘム鉄の吸収を阻害する要素に食物繊維やタンニンがあげられますが、最近では、体内の鉄が不足している状態においては、タンニンは鉄の吸収にほとんど影響しないという報告も出されています。それほど神経質になる必要はありませんが、サプリメントなどで食物繊維を補っている場合や、カルシウムを含む牛乳、タンニンを多く含むお茶やコーヒー、赤ワインなどを飲む場合は、できれば食事と一緒にとることは避け、食事前後30分ほど間隔をあけるようにするとよいでしょう。