メタボの原因になっている内臓脂肪。中高年の日本人男性は要注意。40代、50代で脳血管障害により片マヒになるリスクや、糖尿病になるリスクを抱えています。女性は皮下脂肪型肥満により、女性特有の病気や股関節、膝関節のリスクが高まります。

日本人に多い内臓脂肪型肥満
今、日本で大きな問題になっているのは、内臓脂肪型肥満です。お腹をつまもうとしてもつまめず、お腹全体が膨らんでいるタイプです。男性に多く、男性型肥満、腹部肥満とも呼ばれています。
最近では薬局などで、内臓脂肪を取ると効能書きのある市販薬まで出回っています。原因は主に運動不足、食事の内容と量、そしてストレス等による代謝機能の低下が挙げられます。
内臓脂肪の増加は動脈硬化による心臓病や脳血管障害を引き起こします。40代、50代で脳血管障害により命を落としたり、身体にマヒが残ったりする男性が年々増えていることは憂慮する事態です。
また糖尿病や糖尿病予備軍の男性の数は、年齢が進むにつれて増加することが明らかになっています。
皮下脂肪型肥満は成長期の食習慣に起因
肥満は2つに大別することができます。お腹をつまんだとき、フニャンと脂肪だけがつまめて、その下の筋肉が触れてお腹の形が確認できるもの、これは皮下脂肪型肥満です。
皮下脂肪型肥満は妊娠・出産の準備のために女性に特徴的と言われ、女性型肥満、洋ナシ型肥満などと呼ばれます。特に子供の頃から、あるいは思春期までに太ってしまうと、成長期に肥満したために皮下に脂肪細胞がたくさんできてしまい、その一つ一つが脂肪を取り込んでいくことになります。
この脂肪細胞は、その後に減ることはなく、ほぼ一生涯、皮下にあって脂肪が溜めこまれるのを待っています。しかも、脂肪細胞はいくらでも大きくなる特徴を持っているため、ちょっと食べすぎるとすぐに身体全体が太めになりやすい特徴があります。子供の頃から脂身たっぷりのステーキや洋菓子を多く摂取して、思春期の頃までに太ってしまったケースが多いようです。
運動や食事制限で痩せやすいのですが、ダイエットをやめればすぐに元に戻ってしまうのが特徴。ダイエットを繰り返しがちになります。
皮下脂肪型肥満の危険性
皮下脂肪型肥満はすぐに生活習慣病に直結することはないと言われます。
しかしながら、女性特有の病気(乳癌、子宮筋腫、子宮癌等)を発症しやすくなったり、皮下脂肪が多く蓄積されれば、心臓を圧迫して心筋症になる、あるいは認知症になりやすいなど、重大な病気になるリスクが大きくなります。
また体重を支えきれず股関節症や膝関節症など歩行に関わる病気に女性がなりやすいというのも、皮下脂肪型肥満が原因のひとつと考えられます。
今やメタボ解決は男性にも女性にも注目される国民的な課題なのです。