メタボリックシンドロームが問題となって久しいですが、実際のところ、日本人の体格はどのように変化しているのでしょうか。

一方で、ダイエットブームの影響で、過度なダイエットを行い、摂食障害などの症状を発生させる人も増加しています。
実際のところ、日本人の体格はどのようになっているのでしょうか?
厚生労働省が発表している『国民健康・栄養調査』(1975年~2011年)から、日本人のBMI数値の推移をみていきましょう。
BMIとは?
「どうしたら痩せられるか」というのは、今や小学生さえ自覚している健康や美容上の永遠のテーマですが、実際のところ、日本人はどのような体格の人が多いのでしょうか。
人の体格を表す数値に「BMI (Body Mass Index)」というものがあります。BMIの計算式は以下の通りです。
BMI指数=体重(kg) ÷ {身長(m) × 身長(m)}
例えば身長160cmで体重55㎏なら、以下のような結果になります。
55÷(1.6×1.6)=21.4
厚生労働省では、もっとも病気になりにくい標準値は22程度としていますが、22だと見た目はかなり太めです。スリムな体型を望むなら19~19.5程度、モデル体型は18程度と言われています。
日本人の体形(BMI)変化
それでは実際の日本人の体格について、厚生労働省が発表している『国民健康・栄養調査』(1975年~2011年)から、日本人の平均のBMIの変化をご紹介します。
日本人女性はダイエットブームでスリム化傾向

グラフの通り、近年の日本人女性はBMI指数が低下傾向にあり、以前に比べてスリム化したことが分かります。
しかし一方で、平均BMIはすべての年代で20を超えています。世のダイエットブームが治まらないのは、こういった背景があるのかもしれません。
40代以上になれば、適正とされる22を上回る傾向にあり、見た目はかなりな太めになっていると考えられます。
生活習慣によっては、同じ体重でもメタボかメタボギリギリのラインにいる方も多いことでしょう。
ダイエットブームの弊害
特に若い女性は強いダイエット願望を持っている傾向がありますが、自己流のダイエットで極端な食事制限を行い、摂食障害など、深刻な状況に陥る女性が増えています。
厚生労働省の発表では、摂食障害の患者数は1980年からの20年間に約10倍になりました。特に、1995年から2000年の5年間だけで、神経性無食欲症(いわゆる拒食症)は4倍、神経性大食症(過食症)は4.7倍と、急増しています。
摂食障害までには至らなくとも、近年は無理なダイエットによって、若くても乾燥肌や敏感肌、ニキビなどの肌トラブルがなかなか治らなかったり、便秘、冷え性等の全身の不調に悩む女性が増加していると言われます
。
更に、若い女性、特に妊娠中の女性の低栄養は、次の世代の子供達の生活習慣病のリスクを高めると危惧されています。
男性は右肩上がりでメタボリックシンドロームが進行中

一方、男性はというと、年々BMI指数が上がる傾向が継続しています。
2010年に30歳代の人は2000年には20代だった訳ですが、特に20代から30代の間のBMIの増加が著しくなっています。多くの男性がm20代から30代の間の10年間で一気にメタボ化し、その後は比較的緩やかにBMIが上昇していくようです。
男性は右肩上がりでメタボリックシンドロームが進行中
平均寿命が伸び70代まで健康で現役バリバリで働く人が増える一方で、生活習慣病の増加により、50歳代から要介護状態に入る男性も少なくありません。要介護状態のままでも、平均余命は30年近くあります。
メタボリックシンドロームは心筋梗塞や脳卒中など、命に係わる生活習慣病の引き金になるといわれています。男性にとって、ダイエットは、人生を左右する重要課題であるといえます。