大学受験 -追憶編- | 妻と私の異世界生活

妻と私の異世界生活

2020年の春
妻が統合失調症を発症

突然、異世界に放り出された妻と私の闘病記録

急性期、休息期を経て回復期に入り安定したのも束の間、2023年の夏、妊娠発覚と同時に再発、そして出産

いつかこのブログが誰かの助け舟になります様に。






-追憶編-



「受験生の皆さん、ラストスパートですね」


「体調管理が大事ですからね」


「体調だけはくれぐれも気をつけてくださいね」


ニュースキャスターが、


受験生を盛り立て心配をする季節。














もうそんな時期かと、


吹雪のセンター試験を思い出す。












今は大学入試共通テストと名前を変え、


2日間かけて、


才能や努力、勝負強さや運が試される。













将来を左右する高校生活の締め括り、


懐かしい思い出が蘇る。













-高校時代-



その日は朝から雪が降り、


緊張を忘れるくらい寒い日でした。












いつも通りの明るさを保っている子もいれば、


今にも吐きそうな子もいました。













私は両親に貰った、


太宰府天満宮のお守りをぶら下げ、


頭の中で復習しては、


悪あがきの参考書確認をしていました。













特に緊張とかはなかったのですが、


今日で何かが決まってしまうと感じながら、


カイロで指を温めていました。













そして始まる。


特別根拠がないのに、


何故か得意な国語で勢いづいたのも束の間、


数学ⅡBで序盤にどはまり…


地理で直前に勉強した範囲がでて無双、


英語は苦手なのに手応えあり、


物理でやや迷走して化学で巻き返す。













なんとも安定しない、


2日間センター試験が終わりました。


国立の理系学科を目指していたので、


本来なら落ち込んでもいい内容でした。













ただ運がいいことにその年、


志望大はセンター試験で文系科目重視、


2次試験で理系科目重視だったのです。













つまり国語と英語と地理の手応えは、


そのまま私の自信へと繋がったのです。













帰り道、


あの問題はあれだよな?


あれ迷ったけどどっちにした?


聞きたいような、


聞きたくないような、


そんな会話が電車の中を埋め尽くしました。













帰宅すると母が、


「どうやった?」


「寿司準備してあるけど」


「いやボロボロやったらこの寿司どうすんの…」


「雪降っとるから先買っとかな大変やし」


「まぁそうかもしれんけど」


「出来は普通としか言いようがない」


「普通ってなんなん?受かるってこと?」


「2次試験次第かな」


「そうか、わからんけど次次、がんばれ」


気持ち切り替えてこうみたい言われましたが、


何故か励まされたような気持ちにはなりました。














その後、


私立希望の友達が次々に解放されていくと、


国立希望者は忍耐力が試されます。













耐えに耐えて2次試験、


手応えありで合格発表までは遊びました。












合格発表の日、


家のパソコンで見ることにしていました。










気になるで一緒に見ると言い出した母、


「おぇ」


「おぇ、ゲボりそう…」


「なんで母さんが緊張しとんねん…」


「いくよ」


「……」


「どれ?何番?あるやん!」


「おばあちゃん!受かったよー!」


結果を見るなり、


祖母のいる1階にダッシュする母でしたが、


父にメールするのを忘れていたようで…













暗めの雰囲気で帰宅する父、


「え、なんでそんな暗い?」


「え?受かったんか?」


「え?受かったけど」


「連絡こんから落ちたんやと思ったわ」


「あっ!忘れとったわ」


「なんでや、送らなあかんわそれは…」


「まぁ、よかったよかった」


これは流石に少し可哀想だなと思いました。














私の大学受験はこんな感じでしたが、


当然志望校以外に行く人もいます。














大学受験はその後の人生に、


大きな影響を与えるかもしれませんが、


歳をとり社会人になると、


受験が人生の全てに感じた事も懐かしいです。


当然、人生の全てではなかったと思います。














受かった事で目標を失い路頭に迷ったり、


落ちた事で幸せな出会いが待っていたり、


受験に匹敵する出来事は何度も訪れます。













分岐点をどう捉えるかは自分次第ですが、


苦手な事を克服しようとしたり、


得意な事を伸ばそうとしたり、


学び方、覚え方、要領、持続力、忍耐力、


受験で得たものは大きいと思います。













今、妻の介護や妊娠のこと、仕事のことも、


統合失調症の勉強をしたり、


仕事のやり方を変えたり、


そうやって試行錯誤する訓練を、


受験の時にしていたのかなと感じます。












数々の難関を突破してきたであろう、


ニュースキャスターは流石です、


「体調だけはくれぐれも気をつけてくださいね」




最近強く思います、


人生で最も大事なのは体調と健康です。


受験生の皆さん、健闘を祈ります。