ベロ出しチョンマ -追憶編- | 妻と私の異世界生活

妻と私の異世界生活

2020年の春
妻が統合失調症を発症

突然、異世界に放り出された妻と私の闘病記録

急性期、休息期を経て回復期に入り安定したのも束の間、2023年の夏、妊娠発覚と同時に再発

いつかこのブログが誰かの助け舟になります様に。






-追憶編-



妻が不安な顔をした時に、


「大丈夫だよ」


と笑顔で返す。












希死念慮で今にもと言う時も、


「まだこれから楽しい事があるよ」


と笑顔で返す。














大丈夫なのかも、


これから楽しいことがあるのかもわからない。


わからないまま顔と言葉で嘘をつく。














安心感を与えなければならない。


統合失調症との闘いは、


綺麗にはいかないものです。













子供の頃に授業で習った、


「ベロ出しチョンマ」


という童話を思い出しました。














-小学時代-


過去の記事で紹介したことがありますが、


小学6年の頃の担任の先生が異端児でした。















イタ先と呼ばれるその教師は、


ほとんど教科書を使いませんでした。














国語の授業では、


自分の好きな童話を持ち込みます。


「今日はベロ出しチョンマ」


「これはすごい作品やぞー」


「はい順番に読んでくぞ」


という感じで始まります。













ベロだしチョンマの全文はこちらです。


短いのですぐ読めますが、


子供には少し残酷な童話だと思います。


http://www.catv296.ne.jp/~kodomonokazuki/hanashi.htm


-要約-














全員で読み終えると、


「はい、1人ずつ感想言ってこうぜ」


だいたいこの流れになります。













おおよそ検討外れの感想を言った生徒にも、


「そう捉えたか、お前は天才か!拍手!」


となるので皆好きな感想を言っていました。













私は、


「自分も怖いはずなのに笑そうとするなんて」


「自分だったらできないと思う」


そんなことを言ったと思います。












少し考えて真面目な顔をするイタ先、


「大切な人や子供ができるとなー」


「お前らもできるようになるんやこれが」


「はい、拍手!」


そう言われた事はよく覚えています。














今となっては、


イタ先の言っていた事がわかります。


むしろ心に沁みます。













統合失調症と向き合っている方は、


顔は笑って心は泣いている、


そんな場面が幾度となくあったと思います。













ただ安心させたい一心で、


いつまで続くかわからないのに、


自分の不安や恐怖を抑えて向き合います。












ベロ出しチョンマが命をかけて行った行動、


私はそれと良く似ているとおもいます。



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P.S.


イタ先が当時の教育方針に反発していたのか、


本当に何かを伝えたかったのは謎のままです。














調べてみると、


このベロ出しチョンマと言う童話、


1980年〜1985年に教科書あったみたいです。


私が産まれるより前です。














同年代では知らない人が多いかもしれません。


今でも同級生と飲むと、


イタ先の逸話とともに、


トラウマなのかこのベロ出しちょんまも、


みんなの記憶に刻まれています。














追伸の余談になりますが、


イタ先の国語のテスト、


作者の気持ち、登場人物の気持ちの問いは、


何を書いても正解になります。


逆に何か書かないと呼び出されます…。












いつも真剣な顔をして、


「今の国語のテストを俺は認めてない」


そんな事を言っていました。













私は別にそこまではイタ生に同意してません。


問いの意図を読む理解力や、


問いの意図に合わせる協調性、


無難に生きる上では必要だと思います。














そんな変な教育を受けてきたわけですが、


私は理系に進んだのに国語が好きでした。


センター試験では国語が最高得点(192点)、


受験関係で唯一自慢できるところです。

大事な数学で転けました。













国語のテスト中は、


この答えもある意味あってるよな…


でも言い切れないからこっちか…


イタ先なら正解にするだろうな…


こんな感じでした、


ある意味擦り込まれていますね。