-統合失調症 再発から4ヶ月-
-妊娠20w-
今日は在宅勤務に切り替え、
昼からの子育て支援課の面談に備えました。
妻は私の仕事を邪魔しない様にと、
朝からせっせと静かに掃除をしていました。
「もうすぐ来る?」
「いや、まだ3時間前やよ」
「あっ、え?時間間違えてた…」
「それで朝から掃除してたんや」
天然でやってる事に少し安心しました。
昼は久しぶりに近所のラーメン屋で済ませ、
2人で片付けをして待機しました。
時間ぴったりに、
子育て支援課の担当者と、
訪問看護師さんが来ました。
妻の緊張をほぐすためか、
デグーに気づいた年配の訪問看護師さんが、
「私も動物好きなんですよ」
「見せてもらっていいですか?」
「部屋綺麗ですね」
「ペットの匂いもしないし」
妻と一緒に動物の話をしはじめました。
とても気さくで優しい感じの方でした。
そして終始、妻のことを褒めていました。
「お母さん目がおっきくて可愛いですね」
「美人さんって言われるでしょ?」
「いやいや、言われないです!」
「ピアスも綺麗でファッションセンスもいい」
「ピアスは夫が作ったんです」
「えーお父さんもすごいじゃない」
「妻の趣味探しでやってるんです」
「趣味が見つけられなくて困ってて」
ホストかと思うくらいに、
いろんな事を褒めてくれ、
周りの様子も見ながら話題も豊富でした。
「じゃお母さん、私と手芸やろう」
「あ、ありがとうございます」
「赤ちゃんの帽子とか作ろう」
「自信ないです」
「心配いらないよ、楽しいから大丈夫」
終始こんな感じで、
妻もぎこちなく照れながら過ごしていました。
この人なら、
妻の自己肯定感も高めてくれそう、
そう感じました。
「子育てはまだだけど」
「昼間も怖いなら今月から来ますね」
「初日は一緒に散歩しましょう」
「出産に備えて体力もつけないとね」
「ありがとうございます」
少し圧倒されていましたが、
このくらい引っ張ってくれると、
妻は助かるだろうなと思いました。
私は契約書にサインして、
妻の病気の事やこれまでの経緯を話しました。
保健師さんや病院からも話があったようで、
スムーズに話は進みました。
滞在時間は短かったですが、
これも今の妻には丁度いいくらいでした。
私も終始お父さんと呼ばれていましたが、
まだまだ違和感があり不思議な気分でした。
2人が帰った後、
「看護師さんベンツのカバンだったね」
「市役所の人マリクワの筆箱だったね」
「2人ともかっこいいし可愛いなって思った」
いつもより饒舌な妻、
会話も今日は出来てたかなと、
私も安心できました。
今の所は平日1週間に1回、
保健師さんが1ヶ月に1回は来てくれる予定、
少しずつですが環境を整えています。
妻の体調も少しずつ整え、
何とか出産から子育てまで悪化させず、
妻にも普通の喜びを感じさせてあげたいです。
しばらく見ていないですが、
妻が無邪気に踊り、
楽しそうに笑う姿をまた見てみたいものです。
まだまだ耐える時、
赤ちゃんが私達に希望を運んでくれる、
ようやくそんな気がしてきました。