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ゆりかごを揺らす手 伝わってる?(ネタバレ)

ゆりかごを揺らす手 ゆりかごを揺らす手
ブエナビスタ・ホームエンターテイメント
ゆりかごを揺らす手

「L.A.コンフィデンシャル」でオスカーを手にしたカーティス・ハンソンの秀作サスペンス。


あらすじ

妊娠した女性が、診察を受けた産婦人科医をセクハラとして訴える。しかしその医師は自殺してしまう。

残された医師の妻は、これも妊娠していたがショックで流産し、しかも子供が産めない体に。かくして夫を訴えた女性に復讐すべく、本当の身分を隠しベビーシッターとして近づく。果たして復讐の行方は…


観終わって結構面白かったのはなんだったのだろうと、自分なりに分析をしてみた。


考えるに、この映画がテーマとしていたのは、「コミュニケーション」だったのではないか、と考えた。


導入部の、復讐を開始するまでの描写はわりとあっさりと流している感じ。ストーリーの流れも考慮して、できるだけ最小限のカットで話が分かるようにしてあるということかもしれないが。


さて、医師の妻はベビーシッターとして採用され、あの手この手でその家庭の幸せを邪魔しようとする。


夫と妻の間で、巧みにコミュニケーションをあやつって、お互いの不審をつのらせようとしたり。あるいは預かった赤ん坊も自分の母乳で育ててしまおうとしたり。


ここで、この家で働いている黒人青年が、言葉が不自由だというのが象徴的である。彼は言葉が不自由な分、それ以外の手段もつかってコミュニケーションをとり、早くから彼女の悪意を見抜く。しかしなかなかそれを伝えられない。これもサスペンスを盛り上げる要素となっている。


いろいろあって、結局はこの黒人青年が一つのキーともなり、まあお決まりともいえるハッピーエンドを迎える。


そこで気になってくるのがあっさり流されたような導入部である。


なぜ医師はセクハラを働いてしまったのか。そして訴えられるやすぐに自殺してしまったのか。


かたや医師の妻も、流産してしまったとはいえ、なぜ復讐に走らなければならなかったのか。


このあたりの詳しく語られない部分を、コミュニケーション、あるいはその不全というキーワードで考えることで、この映画のテーマとしている主題が浮かび上がってくるように思われるのである。


それは、きっとこの映画を観た人自身にゆだねられている。コミュニケーション、ひいてはその前にあるべき相手を思いやる心。そういったものを考えようよ、というメッセージが、行間(カット間?)にこめられているようにおもわれるのだ。


めまい だまされました

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
めまい ― コレクターズ・エディション

ヒッチコックの傑作のひとつ。

これをもってきたのにはわけがあります。それはあとで^^


はじめてみたのは今はなき淀川さんが解説をしていた日曜洋画劇場。

「ハイ、だまされますよ。」のことばにつられてみて、しっかりだまされました^^


そして観終わった後のなんともいえないせつなさ。

教会がでてくることもあってちょっと教条的かな、なんて思わなくもないですが、いやー映画っていいですねー。これは淀川サンじゃなかった^^


さて、私の中での勝手な思い込みではありますが、「マトリックス」の前半、この「めまい」を思わせるシーンがあるんですね。


まずは冒頭の屋根の上の追いかけっこ。「めまい」の始まりも屋根の上の追跡です。


そして有名な「めまいショット」を思わせる階段も、「マトリックス」でネオがモーフィアスに会う建物に登場します。このあたり、ウォシャウスキー兄弟のヒッチコックへのオマージュではないかと、まあ勝手に思ってるわけです。


「めまい」は「マトリックス」みたいなハッピーエンドではないですけどね。

「マトリックス・レボルーションズ」までいくとこれもハッピーエンドかは微妙ですけどね。


「めまい」は大画面を意識したつくりになってるとか。プロジェクターを導入したら、これも見直したい1本です。


マトリックス 

ワーナー・ホーム・ビデオ
マトリックス 特別版

TB先の記事とかぶってしまうのだが^^、自分も仕事が終わって家に帰ってきてはこのDVDをみるのが日課のようになっていた時期があった。わたしも無意識に癒しを求めていたのかも。


映画館で観たときもインパクトがあったのだが、まず映像表現の斬新さというかクールさというか、そこに惹かれていたような気がする。


ちょっとしたカットのつなぎ方(夜の怪しげなクラブみたいなところからネオの目覚めるシーン)とか、あっちとこっちの世界の出入りのアイデアとか、細かい部分のつくりこみが、世界観をつくりあげることにつながっていると思う。

設定そのもののアイデアは、名著「百億の昼と千億の夜」のなかにすでにあると思いますが、製作者たちがこれを知っていたかどうかは?「甲殻機動隊」からインスパイアされているとは言ってますが。


「バーチュオ・シティ」という(デンゼンル・ワシントンとラッセル・クロウ共演!)やはりバーチャルな世界を描いた映画があるが、映像表現の点では格段の差がある。マトリックスに比べるとどうしてもちゃちくみえてしまうのだ。


それはさておき。自分の場合どうしても好き嫌いはとても感覚的。ちょっと古いけど、「SFは絵だ!」って名言を思い出した。

やっぱり映画って、ストーリーもさることながら、それを支える映像表現があってこそ、ということを強く感じさせる名作だ。


ブラス! 威風堂々

アミューズソフトエンタテインメント
ブラス!

前の記事に書いた、ピート・ポスルスウェイト出演作。指揮者役の彼はなかなかいい味だしてます。


これを観て、ユアン・マクレガーもなかなかいい役者だなあと思いました。


炭鉱で働く人たちの暮らしぶりはお世辞にも良いとはいえない。いや悲惨といってもいいくらい。でもブラスバンドを結成しているメンバーたちは、それに誇りを持っている。


新しく加わった女性メンバーがバンドを活気付かせるのだが、彼女は炭鉱の会社側の人間で・・・


などなど、悲惨な生活の中で、ブラスバンドの大会に出場しようとするメンバーたちの生きるさまは、胸をうつものがある。


悲惨な中だからこそ、ブラスバンドをやっているときの姿が輝いて見えてくるのかな。


生きていくうえで、やはり忘れてはいけないものがあるね、と気づかせてくれる映画だと思います。そこでラストの「威風堂々」がしみてくるのですね。


ラッセ・ハルストレム (ネタバレあり)

といえば、「ギルバート・グレイプ」「サイダーハウス・ルール(未見)」「ショコラ」「シッピング・ニュース」。

「サイダー」は未見ですが、この監督は、わたし的には「呪縛からの解放」をテーマとしている監督ととらえています。

「シッピング・ニュース」、観たのは結構まえなので、細かなところは忘れていますが、ラストの方のケヴィンと娘のやりとりに泣けた覚えがあります。

スコット・グレンはなかなかおいしい役どころですな。

ピート・ポスルスウェイトも出ていましたっけ。彼の出演作では、「ブラス!」もいいですね。

「サイダーハウス・ルール」もいずれ観たいですね。トビー・マクガイヤはすっかりスパイダーマンですが^^

小さな奇跡 その2

今日はとてもうれしいことがおこりました。

子供たちが私に誕生日プレゼントを贈ってくれたのです。だいぶ日は過ぎていたのですが、たまたま妻と子供たちででかけ、私は留守番をしているときにこどもたちが買いたいといいだしたとか。

どれも、自分のおこずかいからお金を出して買ってくれたというその気持ちに感動してしまいました。

家族の存在それだけでありがたいものですね。

ありがとうございます。

24 -Twenty Four- シーズン3  (ネタバレあり)

ただいまBSフジで進行中。レンタル屋に行くともうシーズン4が旧作扱いですが^^


アメリカではシーズン5が始まってるようですね。なんとAmebloでストーリーが公開されちゃってます。私も少し読んじゃいましたがすごいことになってますね。いかんいかん、もう読まないぞ^^


さてシーズン3(まだ途中ですが)まで観てきて、わたし的にはシーズン2のできがいいですね。あの緊張感の連続はそうそう味わえないように思います。


シーズン1では、まずこのシリーズ構成のユニークさと、バウアー一家とパーマー一家のそれぞれの戦いの対比ということで面白かったと思います。しかしはっきり言えば悲劇。ここからジャックは壊れていく運命だったのか?


それから2年、パーマーは大統領となり、核爆弾テロの脅威ががロサンゼルスに迫る。CTUを離れていたジャックは復帰を余儀なくされる・・・

 演出のよさもあるのでしょうか、まさしくはらはらどきどき・・・の連続。あきさせません。


それに比べるとシーズン3はちょっと整理がついてない印象。生物兵器というのも怖いのですが、そこかしこでやや緊張をゆるめてくれるのはクロエのキャラとあの赤ちゃんでしょうか^^

まだ半分を過ぎたところなので油断はできませんが、見るほうを引っ張っていく展開は24ならではでしょうか。


後半どう話が収束していくのか楽しみです(結局はまっとる^^)。


12モンキーズ 素晴らしきこの世界

松竹
The perfect collection 12 モンキーズ

使われている曲が印象的な映画っていくつもありますが、私にはこれもその一つ。


もちろんサッチモのWondeful Worldですね。最近液晶テレビのコマーシャルで流れてますが、この曲をきくとこの映画を思い出してしまいます。


ブルース・ウィリス、ブラッド・ピット共演ですが、やはりマデリーン・ストウがいいですね^^


いってしまえばこれも悲恋ものがたり。ラストはまあ肩すかし的なところもありますが、なんともいえない後味を残します。そしてエンドロールに流れるWnoderful World。


コールの人生はなんだったのか、と思いたくもなりますが、結果はどうあれ、短いながらも幸せをてにいれることができたのだと、かれは思えたのではないでしょうかね。


幸せとはその人自身のこころのありようである、みたいな。ちょっと宗教みたいですか^^


ちょっとした奇跡? ミニコンサート

MiniCon


わけあっておよそ月に1回病院に通っています。まあほとんど薬をもらいにいっているようなものですが。

ですが今回、たまたま用事ができて、2週間の間をおいて先週の金曜日に行く必要がありました。

書類を書いてもらい、伝票を作ってもらったり、患者票を作ってもらったりと、普段に比べると最後の支払いを済ませるのがいつもより30分ほどでしょうか、遅くなってしまいました。

さて帰ろうかと思ったとき、入り口ロビーでバイオリンとピアノによるミニコンサートが始まりました。
なんだかこれを聴くために何やかやと遅れていたような気がして、いろいろ待たされた疲れも消えていきました。

短い曲ばかりで聴きやすく、途中おもわずポロリと来てしまった曲もありました。

ちょっとしたことですが、なんだか運命的なことを感じるとちょっと幸せな気になるものですね。


参考に曲目を書いておきます。


めぐり逢い     アンドレ・ギャニオン

愛の挨拶      エルガー

いのちの名前   久石 譲(千と千尋の神隠しより)

アシタカとサン   久石 譲(もののけ姫より)

早春賦       中田 章

故郷        岡野貞一

風笛        大島ミチル

シチリアーノ   パラディス

ワルツ       ブラームス

子犬のワルツ  ショパン

タイスの瞑想曲 マスネ

マイ・ウェイ    J.ルヴォー、C.フランソワ


エイリアン 怖いのは・・・

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
エイリアン(THX版)

先日シリーズ4作目をテレビでやっていましたね。キャメロンファンとしてはエイリアン2もいいのですが、完成度という点では1作目がやはり頭一つぬけでています。


遠い宇宙の静寂を感じさせるオープニング。そして静寂の中に何か起きそうな予感をはらむ不気味さをうまく表現したジェリー・ゴールドスミスの音楽が秀逸です。


はじめてみたのは公開時ではなく後のテレビ放送でしたが、まさしく衝撃的ということばがぴったりでした。


まずはその設定に驚嘆し、じわじわと締め付けるような演出と最後の脱出のスリル、そして最後の対決に酔ったといってもいいくらいでした。


まあよくもこんな設定を思いついたものです。そしてそれを映像世界としてしっかりと描いた監督もすごいです。リドリー・スコット、一度で名前が頭に刻まれましたね。


まったく理解不能といえるエイリアンも怖いですが、それ以上に怖いのが、、、という展開も風刺が効いています。


1作目の衝撃があったからこそ4作も作られたんでしょうが、私としては2まででいいです^^;

いずれ2についても書いてみようかと。