いつもありがとうございます。
建設業経営研修BCC、久々の自主開催を行いました。遅ればせながらレポートです。
BCCとは
建設会社の経営を学ぶためのゲーム研修です。
建設会社をうまく経営していくためには何が必要なのか、独自の事例研究の中から導き出された、建設会社成功のための共通項を盛り込んで制作したオリジナル研修です。
「うまくいっている会社はみんなこういうことやってる!」ということを、机に座ってお伝えしてもつまらない。もっと楽しくてのめり込めて、「そうか!」っていう気付きがあるような、新しい学びの形を作りたい。
業界特化の体験型研修を制作されているホライズンワークス林さんに相談し、出来たのがこのBCCです。
BCCで何が分かるの?
実際の経営ではチャレンジングな選択はなかなか出来ません。それに自分の経営スタイルの何が悪いのかを客観的に振り返る機会や、他の経営者の経営スタイルを間近で見る機会はなかなかありません。
BCCにご参加頂くと、次のようなことが分かります。
★建設会社をうまく経営していくのに必要なコトが分かる
★社員と社長の想いの違い
★自分の経営スタイルって客観的に見るとどうなんだろう?
BCCは実際の建設会社経営を出来るだけリアルに再現しているため、現実社会での考え方や選択の仕方がそのまま現れます。そしてその行動は、プラスかマイナスの結果となって反映されます。
現実での経営の結果の現れ方はすぐとは限らず、じわじわむしばまれていくこともあります。その点BCCはすぐ結果が出ることが特徴的です。悪い結果が出たのなら、何が悪かったのかをすぐに振り返ることが出来るようになっています。
そういった【気付く】ことがBCCの一つの効果です。
今回のテーマは
毎回色々なテーマを設定して行っているBCC。
今回のテーマはズバリ!
計画のジレンマ
経営していくにあたって他社とのつながりが絶対に必要で、良くも悪くも他社から多くの影響を受けてしまう建設業だからこそ重要な事業計画。何が起こるか分からない中でどうやって会社を成長し、存続させていくのか。ゲームを通じて肌で体感して頂き、皆さんで一緒に考えて頂きました。
そのために導入したのがこちら!
いわゆる事業計画書、ですね。「事業計画書」って聞くととっても堅苦しい感じがしますが、今回はとってもカンタン。
①まず4年間の売上と利益を予想する
②1年目が終わったら実際の数字を入れ、来期以降を修正する
この繰り返しです。BCCでは初めてこの事業計画書を取り入れてやってみました。
事業計画を導入。その結果起きたこと
まず、皆さんにほぼ共通して起きたことがあります。
それは…
1年目が終わった時に、「計画より上手くいかないぞ」と思い、先の計画を修正したこと
です。これは運営側もそうなるだろうと予想していたことで、意外に売上を伸ばせない、意外に利益を残せないことに、1年目に気付きます。
早速話はそれますが、
私も行政書士として開業1年目に同じことに気付いています。事業計画を作っていたものの、その通りになんかまったくいかなくて、売上の立たなさに愕然としたことがあります。今思えば恥ずかしいくらい甘い計画!
どうしてそんな甘い計画を立ててしまったのかというと、
★売上が上がり、利益が上がる仕組みを理解出来ていなかったから
★「計画」だけでなく、「希望」も強く反映されてしまっているから
★「なんとかなるだろう」という慢心
こんな理由だったのかなと振り返っています。
ちなみにその甘さのある計画を少しずつ実際に近付けていき、今では年初に立てた計画に対して概ね想定通り+αのところに毎年収まっています(過去の反省から、かなり渋めに計画を立てます)
とはいえ、この「初期の計画の甘さ」これってある程度仕方ないと思います。だって1年目だもの!ゼロをイチにしていく時に想定出来ることは経験上限られています。出来るだけその通りやっていける計画を誰だって立てたいけれど、計画を立てることが下手なのもまた1年目なのかなと思います。
今回のBCCでも、仕組みの理解、自分たちの会社の業界での立ち位置が明確になっていくと、より細かく計画を立てられるようになりました。
そしてもう一つ。
計画を立て、振り返り、修正することにより、上手くいったことと上手くいかなかったことの要因が分かるようになります。
研修の振り返りでもお話しましたが、計画とズレが少ないことが大事、そして大きなズレがあった時はそれが良い方でも悪い方でも要因解明しないと怖い、ということです。
例えば今期売上5千万と見込んでいたのに、色々受注が重なって1億になったとします。売上が上がって、おそらく利益も上がって嬉しいことですが、予期せぬ倍の売上…建設会社だったらどうなるでしょう?
職人さんや協力会社の手配、自社の技術者の増員、建設機械や車両の導入、これらを決められた工期で行わなければならない。もし出来なかったら…? かなり大きなリスクです。
【計画を立てる→振り返る→修正する】この繰り返しが、成長・安定経営を続ける建設会社様に共通のやり方です。
「緻密さ」を誰かが持っている
今回のBCCの展開を見ながら確信したことなのですが、「緻密なこと」は上手くいく経営の為に必須なのではないか、ということです。
イメージとしては、「ウチの会社は公共工事受注メインで行くぞ!」と方針を決めるのが社長、「社長の言っている方針をウチの資金や人員で出来るのか…?」と計算していく社員、みたいな感じです。
私が事例研究していた中でも安定経営と成長を続ける会社さんには、この「緻密さがある」ということが共通項だ!ということに、今回のBCCの展開を見ながら気付いたのでした(笑)
その緻密さを持った方が総務や経理の方だったり、社長様ご自身だったり、監督の方だったり、それは色々です。そして逆にいわゆるどんぶり勘定な場合は、やっぱり上手くいきません。
建設業は扱う額が大きいだけに大枠になってしまいがち。BCCでも「公共工事取れたらとりあえず払えるだろう!」と考えていて、色々支払ったら「あれ、意外に残らない…」という場面はたくさんありました。
採用の場面でもそういったことを基準にするという視点も一つの選択肢かもしれません。
参加者の皆様のご紹介
今回公共案件の展開を引っ張ったのは(株)サブマリン。常見社長は2度目のご参加です。ありがとうございます!前回と変わってチャレンジングな経営をして頂きました。社員には小林さん。1年目から入札案件マリンタワーに挑戦して頂き、その後もゼネコンの道を進みました。
サブマリンと共に入札案件に果敢に挑戦し続けたのは (株)エイプリル。社長には外山(弊所スタッフ)と佐藤さん。途中資金の厳しさに諦めかける場面もありましたが(笑)融資を有効に活かして持ち直す底力を見せてくださいました。
こちらも福岡から2度目のご参加ありがとうございます!武村さん率いる(株)オールドルーキーズ。社員には天春さん。初年度から土木専門を掲げ、下請100%のリスクヘッジから最低年1件の元請受注を目標に、経営を進めて頂きました。明るい社風で場のムードメーカー的立ち位置でもありました。
株式会社ビルディングフレームの社長は荒井さん、社員に鈴木さん。計画通りに進まないことにジレンマを感じつつ、模索を重ね、手持ちのリソースをフルに活かそうと諦めない姿が印象的でした。積極的な他社とのコミュニケーションの多さは一番だったと思います。
唯一他社との差別化として「技術スキル」を持っていた(株)ストレージの社長中村さんと大塚さん。クリアブロックを使える唯一の会社となったことが、この後「選ばれる会社」として経営を支える大きな要因となりました。
「今回はランドマークは建てられたんですか?」というご質問をよく頂きます(笑)今回もランドマークタワー建設が優勝会社を決める必須要件でありました。
まずは落札出来た喜びの瞬間
そして毎度のことながら最後の大物「ランドマークタワー」全社の社運がかかるこの大プロジェクトに、元請の元に集まる皆さん
そして結果的には過去最短の工期で竣工されました!施工検査を任されるこちらも、大役過ぎてドキドキ(笑)
無事に検査をパスして出来た横浜の街は、やっぱりランドマークが目を引きます!
※荒井さん、お写真ありがとうございました!m(__)m
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今回の優勝チームは(株)ストレージの中村さんと大塚さん。おめでとうございます!
最終残金+他社による投票。融資を受ける場面もありましたが、その融資をしっかり活かしてコツコツ積み重ねた財力と他からの信頼も勝ち得たことが優勝の要因となりました。
参加者の皆さまのご紹介とご感想
感想をいただきました。ありがとうございます。(※FB、ブログなどから抜粋させていただいております)
行政書士 武村欽也様
昨年夏に体験し2回目の研修でした。
建設会社の経営も今の事務所の経営もほぼ同じと感じました。主催者とインストラクターが
作ったこの研修、ぜひ、建設会社の経営者様や行政書士、社労士にぜひとも受けて欲しいですね。なかなか横浜に行けないので、ぜひとも福岡で開催して欲しいですね。
建設業許可を専門にしている行政書士はこの研修をぜひとも受けてほしいですね。この日のために早々と予定を調整して参加するくらいどうしても参加したい研修なんです。
行政書士 荒井裕美様
ゲームを通して建設業界の経営を学ぶというのが面白そうと思って参加させていただきましたが、実際にやる中でいろいろと考えなければいけないことが多いことを実感しました。「どうしよう~」と頭をフル回転させながら、あっという間に時間が過ぎてしまうという…。
ちゃんと利益を考えて経営をするのがうまくないという自覚があり、3月に開業して以来、経営者としての力不足を思うことが多いのですが、やはりそういう部分もゲームに出るものですね。藤田先生や林さんが「人柄が出る」と言っていたのが分かる気がしました。
今回の研修を通じて皆さんと協力をして1つの建物を立てる達成感や、自分の会社の利益を確保できたときの楽しさや安心感など、ゲームを通して学ぶことができる、とても面白い研修だったので、こういうものがもっと広がっていってほしいなと思っています。
BCCでは経営や建設業界、自分自身についてなどなど、いろいろと考えることが多く、楽しいながらも緊張感を感じながら研修に参加していました。きっと回数を重ねるごとに学ぶことが増えていくんだろうなと思う、そんな研修でした。
また、他士業さんのことを理解するという意味でも、他士業さんの経営を学ぶゲームもやってみたいなと思いました。こういう体験型で学べるものはなかなかないので、携帯ゲームとかでゲーム化してほしいくらいです(笑)
開催に関するinfo
主催:行政書士藤田事務所/合同会社ブルーチップ
日時:2016年4月23日(土)10:00~16:30
インストラクター制度開始!そしてBCCはコンスタに生まれ変わります
6月よりインストラクター制度を始めます。
このBCCというコンテンツを、セミナーや研修のコンテンツの一つとして利用して頂けるようにするものです。私たち講師2名で行える範囲は限られています。各地でBCCを行うことが出来るインストラクター様を増やし、取り組んで頂くことで、その方々の持っているコンテンツと合わせながら、より良い経営が出来る建設会社様を増やしていくことが出来ると思っています。
そしてインストラクター制度の開始に伴い、BCCの名称が変わります。新しい名称は、こちら!
【コンスタ】と読みます。商標登録も行いました。
まだ私たちも呼び慣れないのですが(笑)今後はこの名称で広めていきます。
早速具体的な導入のご検討を頂いていますので、運営側も全身全霊サポートを行っていきたいと思います。
コンスタをどんな場面で使えるか、ということについて、大きく2つに分けています。
1つは[測る]。
例えば新入社員の採用の場面や管理者登用の場面で、必要なスキルを備えているかどうか測るためにご活用頂けます。
もう1つは[育てる]。
大事なことは「出来ることに気付く」「出来ないことや不足していることに気付く」ことだと考えています。それは自分の長所だけでなく短所も目の当たりにすることになるので時に厳しいないようになるかもしれませんが、「なんでうまくいかないんだろう?」「他の会社と何が違うんだろう?」と考える、伸びていきたい方にとっては、有益な機会として使って頂けると思います。
これまでのコンスタ開催の中では、人材獲得にフォーカスしたバージョンや、今回のように事業計画に重点を置いたバージョンを行ってきました。ほか、「ここを伸ばしたい!」「ここを測りたい!」というテーマに応じて行って頂くことが出来ます。
今後のコンスタ開催情報はこちらからどうぞ。
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参加者の皆様、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。