「曽根崎心中」:現在にも通じる社会との向き合い方 | リベラルアーツの精進と実践の日記

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京都南座で吉例顔見世興行の「曽根崎心中」を見ました。上方歌舞伎俳優の坂田藤十郎の3回忌をしのぶ興行でもあります。

 

言わずと知れた近松門左衛門の作品。これまでの歴史上の人物が主人公の時代物に代わり、一般庶民が主人公の世話物が生まれたのはこの作品から。江戸時代の庶民の姿を知ることができるのは近松のお陰。

 

元禄時代に浄瑠璃として上演。しかし、意外にも長く上演されず復活は昭和になってからでした。

 

お初と恋仲であるにもかからわず、別の婚約が育ての親である伯父から言われ、結納金まで支給されてしまうが、その結納金を詐取されて、結婚も許されず、思いつめた2人は、曽根崎の森で…。

 

悲恋で2人で死ぬというのは、私の知る限り世界の文学作品ではあまりありません。ロミオとジュリエットが近いですが、死ぬのは別々です。

 

悲恋が感動を読む話ですが、社会から追い詰められ自死という点は、現在にも大きな警笛を鳴らしているようです。