山口県周防大島
球状石英閃緑岩
別名ナポレオン石・・・
という話までは
今回はしていられないので
こっちの記事か
あるいは詳しくはこっちを
【ナポレオン石】
参考にされたし
こういう生物的なのは大抵
化石的な要素があるものだが
球状花崗岩系のグループは
どうも化石ではない
構成する要素が
外縁や周辺と違わないので。
花崗岩と閃緑岩は
組成が連続しており
厳密な区分は
肉眼鑑定においては
「無用」かと思われるが
当該標本に関して言えば
色的に確かに
閃緑岩のくくりでいいと思う
さて・・・
今回はテーマがいくつかあって
【1】岩石としての研究
【2】自然保護
【3】コスパ
という感じなのだが
【1】については
ぐだぐだと話し続けるだろうから
とりあえず
【2】のテーマを片付けておこう
周防大島の球状石英閃緑岩は
確か県の保護下にはあれど
国の天然記念物には
指定されていない
他所の同様のものが
幾つか指定されていることから
こちらも指定すればいいのに
という意見も多数あるようだ
確かに
自分も含めて
こうして標本として
手に入れるためには
産地の・・・
特にこういうケースでは
地層そのものを
破壊することになり
これは自然の貴重な史料を
台無しにする行為である
この点に関しては
異論を唱えて
自己弁護を図る気はない
はい、その通りです
私は自然破壊に加担しています
ただね。
みんなそうじゃん。
要はね、
程度問題だと思うの。
本心としては
「これぐらいいいじゃん」
という感じ。
ところがですね・・・。
この間
ミネショでね。
見つけちゃったのよ。
デカイのを！
見て、この違い
しかも皮付きを含む見事な標本！
で、いきなり【3】の
コスパの話に飛ぶんだけど
小さい方はオークションだったが
競合なしで落札
で小さい方と今回の大きい方の
価格がですね
なんと5:4なんですよ！
そう！
小さい方が5ですよ！
だからミネショって
やめられないのよねー
ちなみに
能登の恋路の
「ピンクアラゴナイト」の
スゲーのも出逢ったが
（こいつも自然破壊ね・・・）
コスパもサイコーだったが
現ナマ足りず断念・・・。
おじさん
クレジット決済導入しよ！
あ・・・。
暴走してしまった、、
お。
皮かむりの二重構造
それにしても
こちらもラベルは同様に
「球状石英閃緑岩」だが・・・
あんまし閃緑岩て感じしないね
そして
やたらウンモが大きい
色的には金雲母と言いたい
黒雲母っぽい部分もある
そりゃそうだ。
黒雲母というのは
マグネシウムに富む金雲母と
鉄に富む鉄雲母との
中間に位置する・・・
つまり固溶体である両鉱物の
間につけられた呼称であり
独立した鉱物名ではない
イメージとしては
鉄側に振れると
透明度を失う感じだが
あくまで
フィールドでのテキトーな見方
で、【2】の自然保護に戻ると
こんな大きいのを入手してしまうと
「これぐらいいいじゃんケチ」
と大きな声で
言えなくなってしまった。。。
コソ泥から中トロに昇格である。
ここの地質は脆く
そもそも標本にできる硬さが
維持できることそのものが
貴重だったりする
まあ、自然から
保存を「受託」したことにして
せいぜい大事にしつつ
また
衆目に晒すのも役割と心得て
こうして公開する次第
さて【3】のコスパが
まだ途中であった
よく見ると・・・
この小さい方・・・
赤いんだよね・・・。
バラキ（バラ輝石）かな
顕微鏡で見てみよう
知ってる鉱物では
圧倒的にバラキっぽい
ちなみにバラキは
「輝石」と名がついているが
「輝石」ではなく「準輝石」だ
なんて言うが
「じゃあ輝石じゃん」って思う。
ただ、バラキはマンガン
マンガンなんか入ってるとは
思えないもんなあ
手元の資料では
「ピジョン輝石」という名が
見られるが
そんな輝石は見たことがない
「ピジョンブラッド」のことだろうか
「鳩の血」
ポッポー
これならもしかしたら
とってもコスパが
よいのかもしれない
おわり。
《撮影》
ミラーレス
OLYMPUS E-M10 MarkIII
レンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro
HP「鉱物でぶつぶつ.com」も
よろしくですよー
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