どんなことがきっかけで、どんなものを引き起こすかわからない。
わかっているのは、何かひとつでも足りなければその出逢いは起こらなかったと言うことだ。
愛国駅にて愛をまとい、幸福駅にて幸福を発する。幸福と言えば甘い。
甘いと言えばケーキ!
そこでやってきたのは六花亭本店。

ここで食べたかったのが、あの甘いもの食わずの桑っち絶品『サクサクパイ』。

賞味期限三時間の幻の一品。
店内で食べればコーヒー飲み放題。
チョコとカスタードがあるが、自分はカスタードを選択。

「それでは御賞味させて頂きます!」
外はサクサク、中はふわふわ。
意外に歯応えがある。
故に三時間の命なのだろう。
が、甘いもの食わずの桑っち好みの甘さなのだろう。
“適度な甘さ”
自分には甘さが足りなかった。
決しておいしくないわけではないが、分かりやすい甘さを求める自分はまだまだ子供なのだろう。
☆7っつ!
サクサクパイより衝撃を受けたのは、“再会の出逢い”の甘さだ。
サクサクパイを食べおわって席を立つと、前方より見覚えのある夫婦。
「あっ!大田さん夫婦っ!」
昨日、然別湖にてカナディアンカヌーをご一緒し、千葉に写真を送ると約束して別れたのだ。
急いで写真を現像、なんと写真がカステラに変わった。

とんだわらしべ長者。
ほんとにありがとうございます!
おいしく頂きます!
これが一つ目の幸福。
二つ目の幸福がやってきたのはすぐ。
帯広名物『とん丼』を食べに『とん田』に行った時のこと。

そもそもこのとん田を知ったのは、然別湖キャンプ場で知り合った人からオススメの店を聞いたからだ。
ここでも出逢いの歯車がひとつ動きだしていたことになる。
駅から離れているにもかかわらず、行列は店の外まで。
今か今かと待っていると、
「おっ!兄ちゃんどっから来たぁ~?」
声をかけてくれたのは、床屋の『村津悦朗』さんと市議会議員の『萩原昭勝』さん。
話は立ち話からカウンター。
あれよあれよの流れ出でいつのまにかごちそうになってしまった。

ほんとにありがとうございます!
ところでとん丼のお味は?
『神は死んだ…。』
思わずニーチェの言葉が浮かんだ。
今回の旅でのベストバウトが出来た。
世の中にこんなに旨いものがあるのかっ!

豚のトロの甘味とタレの甘味。
鰻丼にも似たコク。
道内よりすぐりの新鮮米にタレが染みわたり、焦げ茶に日焼けする。
胃が認め、受け入れ、愛し、そして欲した。
とめどなく流れる感情は暴走気味。
言葉を発するのも忘れ、ただひたすらむさぼるばかり。
『動物的本能』がそうさせた。
本能が旨いと言っているのだ。
あぁ…この上ない幸せ。
限りなく10に近い☆9・5っつ!