信じません。
というより、信じたいけど信じることができません。
人が死ぬということは、「いなくなること」だと思っています。
自分が生まれる前は、自分はいなかった訳です。
自分が生きている今は、ビッグバン以降138億年が経過しているそうです。
その間、自分は存在せず、自分が死んだあと宇宙が何年続くかわかりませんが、自分が生まれる前と同じく自分がいない世界が続いていくだけだと思っています。
それは寂しく、恐ろしく、絶望的なことです。
自分が死んだあと幽霊になって存在し続けられたらどんなにかいいだろう、とよく思います。
霊感が強く幽霊を見たりする人は、本当に見ているのだと思います。
ただ、幽霊が存在するのではなく、レビー小体型認知症など何らかの認知機能の障害が原因である可能性が高いと考えます。
「金縛り」も「睡眠麻痺」という睡眠障害の一種だそうです。
生物の最小単位は細胞です。
(ウイルスは単細胞生物よりさらに小さく単純ですが、遺伝子は持っていても生命の条件を満たす活動はしないので考えないことにします。)
人間は60兆個の細胞でできているそうです。
そして細胞が生まれては死んでいくことで新陳代謝が行われます。
人間が60兆の生物の共生体だとすると、心はこの共生体を維持するための機能だと言えるのではないでしょうか。
動物には心がありますが植物にはありません(少なくとも動物のような心は)。
そして共生体が消滅するとき、すなわち人が死ぬときには、心も消滅するのが自然なことに思えます。
単細胞生物は細胞分裂によって増え、遺伝子を受け継いでいきます。
人間もたった一つの細胞、つまり受精卵から始まり、細胞分裂によって成長していきます。
そして男女が遺伝子を半分ずつ持ち寄り、新たな世代が生まれます。
この生と死の繰り返しの中で遺伝子が変異していき、進化が起こります。
地球が誕生したのが44億年前、哺乳類(ほにゅうるい)が誕生したのは2億3000万年前、人類が誕生したのは、ほんの20万年前だそうです。
一人の人間にとっては20万年は想像もつかないほど長い時間ですが。
でも自分の遺伝子は、絶えることなく続く生と死によって何十億年もの昔から受け継がれてきたのです。
生と死は自然の摂理であり、そこに幽霊が介在する余地があるとは思えません。
以上のことから、幽霊の存在に蓋然性を見出すことはどうしてもできません。
お読みいただき、ありがとうございました。