雑話270「2月のオークション結果」
先月お伝えしましたモネの作品を含むオークションが、2月3日にロンドンにて開催されました。
クロード・モネ「カナル・グランデ」1908年
今回最大の注目作品であるモネの「カナル・グランデ」は23,669,000ポンド、約42億円で落札されました。
落札者は恐らく落札価格を保証していた外部の第三者と思われます。
ところで、この作品には興味深いオークション記録が残っています。
印象派ブームのピークだった1989年に日本人が1150万ドルで落札しましたが、その後に続いた不況時には印象派の価格は急落し、今世紀に入るまで回復しませんでした。
2005年に再びオークションに出品された時には、1,290万ドルで落札され、辛うじて元の水準の値段まで戻りました。
しかし、その後のモネの晩年の作品はずっと上がり調子で、現在、モネの高額落札作品はすべて晩年の作品となっています。
クロード・モネ「コンタリーニ宮殿」1908年
※2013年6月19日に19,682,500ポンド(約29億5千万円)で落札
その中でも、2013年に約1,970万ポンドで落札されたヴェネツィアを描いた作品は間違いなく今回の落札に影響を与えたでしょう。
一方、19世紀に描かれたモネの作品の価格は同じレベルにまで到達していません。
「カナル・グランデ」と同じセールに出品された「ジヴェルニーのポプラ」はニューヨーク近代美術館が売主であり、来歴としては申し分ありません。
クロード・モネ「ジヴェルニーのポプラ」1887年
さらに、この作品は、有名なポプラのシリーズの4年前である1887年に描かれたものです。
ちなみに、ポプラのシリーズのひとつは、2011年に2,250万ドルで落札されており、その価格は7年前の3倍にもなりました。
しかし、ポプラのシリーズより若干小さい「ジヴェルニーのポプラ」は10,789,000ポンド、約19億2千万円で落札されました。
「カナル・グランデ」と比較はできないものの、同じポプラの作品としてもバーゲン価格のように感じられます。
こうしてみると、同じモネの作品といえども、作品の良し悪しによって値段にかなりの差が出ているといえるでしょう。


