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雑話107「ピカソの陶芸」

キュビスムをはじめとする独自のスタイルで時代をリードしたピカソですが、彼が取り組んだのは絵画だけではありませんでした。


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絵画作品以外では版画や彫刻などが有名ですが、それらとともに陶芸の作品を残していたのはご存知でしょうか?


ピカソが陶芸に取り組むことになったのは、彼が1946年に陶器と香水の製造で有名な南仏のヴァローリスに出かけたことがきっかけでした。


その夏、ピカソは南仏のゴルフ・ジュアンで恋人だったフランソワーズ・ジローと過ごしており、近くのヴァローリスで開かれていた陶器の展示会にやってきたのでした。


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パブロ・ピカソ「裸婦のある大きな花瓶」1950年

展示会場では、ピカソはヴァローリスの陶工たちの歓迎を受け、彼らから渡された一塊の粘土で3点の作品を捻り出したそうです。


その時、ピカソはそれ以上のことは何もしませんでしたが、翌年の夏にふたたびヴァローリスを訪れました。そして彼は、陶工の一人ジョルジュ・ラミエの主宰するマドゥーラという陶器の工房で、陶芸に専念するようになりました。


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パブロ・ピカソ「茶色で青い顔」1947年

ピカソの陶芸作品を大別すると、次の3つになるでしょう。


1つ目は皿に絵の描かれた作品で、2つ目は花瓶などを変形することによってできた作品、3つ目は焼き物による彫刻、陶彫とでも呼べる作品です。


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パブロ・ピカソ「高い取っ手のある花瓶」1953年

絵画の世界でさまざまな革命を起こしたピカソは、陶芸でもその独創性を遺憾なく発揮します。


ピカソの大胆な素材の扱い方は陶工たちを恐れさせました。


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パブロ・ピカソ「フクロウ」1951-3年

彼は陶器の制作の法則をすべてくつがえし、絶対に不可能なことも可能にしてみせたのです。


ある時、ピカソは職人頭が回したばかりの壷をとって、指でこね、数度ひねったり、押し込んだりして、1羽の軽く、か弱い、生命に息づくような鳩に変えてしまいました。


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彼は「鳩を作るには首をひねることから始めなければならない。」といっていましたが、その手技は信じがたいほど繊細だったそうです。


もしやり方が悪ければ、すべてをこね丸めて初めからやり直さなければならなかったのですが、ピカソに限っては、そのようなことは決して起こらなかったのです。


もちろん、ピカソも完全に我流を通してわけではなく、陶芸を制作する中で焼き物の諸性質を急速に把握していったようです。


20世紀最大の芸術家といわれるピカソだけあって、何をやってもやはり天才的ですね。