雑話157「衰えの見えないコンテンポラリー・アート市場」
3週間前のブログにて、今秋の印象派オークションがあまり芳しい結果を残せなかったことをご報告しました。
サザビーズのオークション会場
ところが、その翌週行なわれたコンテンポラリー・アートのオークションは、そんな悪い雰囲気などどこ吹く風とばかりに、高額落札が続出しました。
そんななかでも、もっとも高額な価格で落札されたのが、サザビーズに出品されたマーク・ロスコの「No.1」という作品です。
マーク・ロスコ「No.1」1954年
※75,122,500ドル(約60億円)
実は、彼の作品は今年の春のオークションでも、コンテンポラリー・アートの分野でもっとも高額で落札されていて、ある意味予想されたとおりだともいえます。
しかし、サザビーズがつけた3,500万ドルから5,000万ドルという落札予想価格を大きく上回った6,700万ドル(手数料を加えると7,500万ドル超)には業界関係者も大いに驚いたのではないでしょうか?
次に高額だったのは、クリスティーズに出品されたアンディ・ウォーホルの「自由の女神」という作品でした。
アンディ・ウォーホル「自由の女神」1962年
※4,3762,500ドル(約35億円)
3,500万ドル以上と予想された落札価格でしたが、結果は3,900万ドル(手数料込で4,376万ドル)で落札されました。
サザビーズもクリスティーズも落札価格のトップ3はいずれも、予想価格の上限を超えるか、最低でも上限で落札されており、コンテンポラリー・アート市場の好調さを物語っています。
ちなみに、それぞれの2位3位の作品は以下の通りです。
※( )内は落札手数料を加えた金額
●サザビーズ
・ジャクソン・ポロック「ナンバー4、1951」
3,600万ドル(約4,040万ドル)
※4,0402,500ドル(約32億円)
・フランシス・ベイコン「無題(教皇)」1954年
2,650万ドル(約2,976万ドル)
※2,9762,500ドル(約24億円)
●クリスティーズ
・フランツ・クライン「無題」1957年
3,600万ドル(約4,040万ドル)
※4,0402,500ドル(約32億円)
・ジェフ・クーンズ「チューリップ」1995-2004年
3,000万ドル(約3,834万ドル)
※33,682,500ドル(約27億円)
5月のオークションの時には、印象派のオークションがいずれコンテンポラリー・アートに追い抜かれるのでは?などと書きましたが、半年後には早くもそうなってしまいました。
もちろん、今回の結果だけで印象派の作品よりも、コンテンポラリー・アートの作品のほうが高額になったということではありません。
価格を決めるのは個々の作品の品質であり、今回は高額をつける作品がコンテンポラリー・アートのオークションにより多く出品されたということなのです。
そうであっても、少し前であれば、いくら高品質の作品が揃ったとはいえ、コンテンポラリー・アートのオークションの売上が、印象派のそれを超えるなど考えられないことでした。
ですから、コンテンポラリー・アートの美術市場での評価は確実に上がっているといえるでしょう。






