考えてみると、この高3生たちはなかなか過酷です。
4年生の大学まで通ったとすると、就職活動は完全に東京オリンピック後です。
深刻な不景気に突入している可能性があります。
これは現在の中3生にも言えることで、高卒でも2020年は過ぎてしまいますし、
大学入試の際には、新テストになるので傾向が未だ読めないなど、なかなかハードな世代です。
私も就職氷河期に該当する世代です。
その後も30を迎える頃には「ロストジェネレーション」と呼ばれ、
最近では「アラフォークライシス」と揶揄されます。
3学年・4学年下の就職戦線が好転した際に「こうも違うのか!?」と、
自らの力だけではどうしようもない不条理を感じたこともありました。
私は現在の中高生の世代の生徒たちが、
全員勝ち組になって世の中を渡っていくことは不可能だと考えています。
(勝ち組、負け組というレッテルを安直に貼りたくはありませんが)
経済状況、人口分布、災害、親の介護、税金、国際情勢、、
これら個人の力だけでは如何ともしがたい、リスクが増えていく時代だと考えます。
当然、塾で勉強を指導しながら学力をつけ、これらに負けない力を身に付けさせていきます。
しかしチャレンジしたからこそ、優しい子だからこそ、それが仇になることがあるでしょう。
全員が勝者のパイを享受するのは、大変難しい時代です。
だからこそ、私は卒業生たちと深くつながっていたいと考えます。
そうすれば良い波に乗っている生徒が必ず現れます。
逆に社会の荒波に打ちのめされている子だって現れるでしょう。
苦しい立場に立たされている卒業生が、それ以上悪い状況にならないよう、
何か力を貸せるような場でありたいのです。
ある世代に社会のひずみがギュッと押しかかった時に、
他の世代のつながりで救済できるような方法が無いか模索する。
そういったことが10年後くらいからできれば良いなと漠然と考えています。
これは経営者の特権かもしれません。
雇われている方は教室の外でつながりを持つことは難しいでしょうからね。
しっかり地域に根を張り、幅広い世代に知り合いを増やしていくことで、
若年層が直面する種々の問題を相談できるような窓口でもありたい。
塾拡大の一つのモチベーションに繋げたいと考える1つの要因だったりします。