若い方々にはこういう感情はないのだろうが、昭和20年生まれの私にはどこか欧米の方々に対するコンプレックスがあり、如何にも聡明そうな欧米の指導者の前に立つと何かもっともらしいことの一つも言わなければならないと思って反って口が重くなるようなことがあった。
本当はちゃんと英語で話が出来るようになっていて当然なんだが、出来ない。
国際化の時代だと言うのに、恥ずかしいなあ、と正直思っている。
昔からこういうことにかけては女性の方が遥かに早く上手くなると言われていたのだが、最近ちょっとだけいいことがあった。
トランプ氏がアメリカの大統領になってくれたので、アメリカの大統領は途轍もなく偉く立派な人で、その大統領の演説は私たちも真剣に学ばなければならないものだ、という固定観念、根強いアメリカ信仰がいつの間にか消え去ってしまったことだ。
夢から覚めたようなものだ。
夢から覚めてしまえば、相手の実際の姿が見えるようになる。
ああ、アメリカってこういうことだったのね。
アメリカの大統領って、こういう人なのね。
権威が権威を失う時とは、こういうものだろう。
トランプ氏を見ている限り、私はアメリカやアメリカの人々に対してコンプレックスを感じることはない。