国会議員性善説に立ったうえで、国会議員の事務所の政治活動等の正常化方策を考える | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

まあ異論もあるだろうが、私は国会議員を志す人は皆、それぞれに有能で、政治で金儲けをすることなど毛頭考えたことがない人ばかりだと信じている。

世間ではどうも政治家の評判が悪く、悪辣な人、無能な人が多いような受け取り方をしているようだが、決してそんなことはない。
例外的に首を傾げざるを得ないような存在を見かけることがあっても、大体は皆、志が高く、それなりに力のある人たちだ。
特に若い方々は、元々は理想に燃えた純真な人たちが多い。

私自身の経験から言わせていただくと、大体は皆、いい人である。
他人から後ろ指を指されるようなこと、手が後ろに回りかねないような危ないことに手を出しそうな人は殆どいない。

だから、私は、基本的に国会議員性善説に立っている。
国会議員本人がささやかでも悪事に手を染めるようなことは、やりもしないし、そもそも考えもしないと信じている。

しかし、国会議員の事務所をトータルで見ると、国会議員ご本人はまったくのいい人だが、事務所全体でみるとどうかしら、と思うようなこともある。
何しろ、どこの事務所でも懐が忙しいから、何はともあれ、金、金、金、というところがないわけではない。

お金に執着する人たちがどうしても多くなる。
元々はそういうことを嫌いだったはずの人も、長く永田町にいるといつしか悪習に染まっていってしまうようなところもある。

国会議員の事務所の口利きビジネスなどは、その典型だろう。

ベテランの秘書がいて、国会議員本人は事務所の運営について一切口を挟めないような雰囲気のところでどんなことが行われているかは知る由もないが、まあ、かなり危ない、と言うことぐらいは言っておいても、当たらずとも遠からずといったところか。

与野党を問わず、である。
自民党の国会議員だけの問題ではない、ということを、まずはご理解いただきたい。

前途ある有望な国会議員が自分の事務所が起こした不祥事で足を引っ張られてしまう、大臣、副大臣、政務官という職務を失うだけではなく、時には国会議員の身分を失う恐れもある、ということになると、そんなことは例外中の例外で、極めて特殊な人が落とし穴に落ちただけで自分たちには関係ない、などと言っているわけにはいかなくなる。

少なくとも、それぞれの政党の中に国会議員の事務所の政治活動等の正常化、健全化を担当する部署が出来てもいい。
こういうことは与野党を問わず中立公正な機関が担当した方がいい、ということになったら、国会の中にそういう機関を設けることにしたらいい。
国会議員の事務所からの、常軌を逸した陳情、要望、要請、申し入れ等、国会議員の権威や権限を後ろ盾にしていると思われる様々な接触に対する役所や公的団体の側からの苦情の受付や相談窓口のようなものである。

こういうものがあれば、国会議員が知らないところでの国会議員の事務所の口利きビジネスなどは根絶できるようになるはずだ。

野党の皆さんが甘利事務所問題をこれからも追及しようというのであれば、こういう仕組みの創設も念頭に置かれたらいい。