問題はそこじゃないでしょう、と一言声を上げておく。
政治献金の流用疑惑とか横領などということが囁かれているが、政治資金規正法違反とか刑法違反の事実の有無等についてはオンブズマンの方々や捜査当局、税務当局等の調査にお任せすることにして、永田町や霞が関の方々が当面真剣に対処すべき重要な問題について注意を喚起したい。
如何にもURの職務執行の公正さを疑わせるような事実が明らかになっている。
いくらなんでもこれはやり過ぎだ、丁寧過ぎる、というのが私の直感である。
大体普通ではあり得ないことが行われている時には、その背景に重大な事実が隠れていることがある。
既に会計検査院が関心を持っているようだ、ということがどこかの新聞に書かれていたが、国会議員の方々も会計検査院以上の関心を持って自分たちの嗅覚を研ぎ澄まされたらいい。
国土交通省の動きがかなり鈍そうである。
案外、皆さん鈍感だな、と思うが、どうも永田町も霞が関もかつてよりこのあたりのことに鈍感になってしまっているような気がしてならない。
かつてほど公務員の天下りや民間事業者との癒着問題、官官接待、国会議員の事務所の役所への口利き問題等に世間の風当たりが強くなくなっており、しかも国政の場で公務員制度改革の重要性が後退し、結果的に現場の緊張感がかなり薄れてきているという証拠かも知れない。
何で千葉のUR事務所から神奈川にある国会議員の事務所にまでURの職員が12回も足を運ばなければならなかったのか、他にもそういう事例があるのか、有力な国会議員の事務所だから特別丁寧に対応しなければならなかったのか、現場事務所の上司や監督官庁の担当者にはこういう事実は伝わっていたのか、URは国とは関りがない事業体だということで国土交通省はこういうことに無関心だったのか、何でURの現場事務所は国会議員の地元事務所から頻繁に連絡が来ており、その都度説明等のために当の国会議員の事務所まで足を運ばざるを得ない状況であることを連絡しなかったのか、等々不思議なことばかりである。
まずは、何で12回も千葉から神奈川の国会議員の事務所まで足を運ばなければならなかったのか、そうせざるを得ないような怖い人たちの影がどこかにあったのか、などという事情を解明するのが先決である。
どこやらの政党の特命チームの人たちの調査、というのはどうもピント外れのことが多い。
隔靴掻痒、自己満足、本当の問題点の解明は棚上げしてのただのパフォーマンスでしかないように映る。
やるなら、しっかりやるべし。
そう、申し上げておく。