大体の人は、貧しかった。
お米やさんやお酒屋さんにツケが溜まっており、家に家族全員が食事するだけの米がないこともあった。
お粥が多いな、と思ったときは、家に米が少なくなっている時。
そそくさと姉が台所に立つ。
ご馳走様。
母も、もう食事を終えている。
食べ盛りの私はお代わり、と腹いっぱい食べる。
お米を研ぐのが私の仕事だった。
ブリキの米櫃からお米を取り出す。
殆ど空っぽ。
炊く米がない。
母や姉は家に米がないのを知っていて、実はご飯を殆ど口にしていない。
私たちは、そういう時代を経験してきた。
麻生さんや鳩山さんは、米櫃が空っぽになっているのなど、見たことないだろう。