自民党のマニフェストの読み方 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

おはようございます。


自民党のマニフェストは、まだ印刷物として私の手元には届いておりません。

マスコミを通じてマニフェストの概要を把握している現状ですが、報道で知る限り今回のマニフェストは明らかに一歩踏み込んだ内容に深化しているようです。


幼稚園無償化の議論が、ついに就学前教育無償化にまで発展し、自民党のマニフェストに昇格した、というのが真相です。

約7000億円の財源手当ての目途がついた、財務当局もマニフェストに載った以上はもはや抵抗できなくなった、ということでしょう。


自民党のマニフェストに載ったものは、いずれは実行されます。

政権交代、内閣の総辞職で政策転換が図られない限り、マニフェストに載っている事項は実現に向けて大きな歯車が回り始めます。

霞が関はそういうものです。

何をなすべきか、という指針が与えられれば、あとはこれを実現するために官僚組織の総力をあげて取り組む。

そういう特質があります。


もっとも、事前に霞が関と煮詰めたものでない思い付き的なものや、実は霞が関が消極的で、政治家の腕力で土壇場で潜り込ませた、内容的にも整合性がない単なるパフォーマンスに基づくものなどは、いつまでたっても実現しないということはあり得ますが。


自民党のマニフェストに載ったものは、確実に実現に向かって動き出す。

私は、これまでの短い経験からもそう思っておりますので、今回のマニフェストは結構凄い、と思っています。


あれだけ抵抗があった道州制を実現する方向性が明記された。

国会議員の定数を10年以内に3割削減することが明記された。


これだけでも日本の統治構造は大きく変わります。

10年は長い、などという批判もありますが、しかし、あっという間です。

私の地元の254バイパスの完成にはまだ40年も50年もかかるのではないか、と言われておりました。

どうにか10年以内には完成の目途がついた、というのは凄いことなのです。


首都圏3環状道路の完成も何時になるかと思っておりましたが、これもようやく目途がつきました。


実現に向けての軌道に乗せる。

これが重要です。

最初は大したことではないようで、着手し始めたらどんどん膨らんでくる。

とんでもないことが仕上がった。


そうなる可能性を、私は見ております。

道州制に向けて動き出せば、国と地方の役割分担を見直すことになります。

もちろん、国と地方の財政再建も当然の課題として登場します。

憲法の改正を伴うことになるでしょう。


国会議員や公務員の数を削減する、という方向性が確定しました。


自民党のマニフェストは、実行するためのマニフェストです。

当面の選挙に勝つために何でも言える野党のマニフェストとは、そもそも役割が違います。

マニフェストで政権選択、などと錯覚しないことです。


野党のマニフェストは、まだ実現に向けての担保がない、こんなことあったらいいな、こんなことできたらいいな、の願望集に、一部官僚、エコノミスト、シンクタンク、さらには一部政治家の見識で多少味付けをしたものではないかと私は見ています。


やっぱり無理です。

これは撤回します。

修正させてください。

その時にまた考え直します。

追加させてください。


その程度でも野党のマニフェストは通用するのでしょう。

やはり、軽い。


自民党のマニフェストに何が載るか。

その完成までに繰り広げられたはずの血みどろの戦いを想像すると、自民党のマニフェストは実に重い。

その違いを、皆さんには噛みしめていただきたいのですが。