今朝の天声人語で目が覚めた。
オバマ氏は、大統領になることを最大の仕事とした黒人系大統領なのだ。
オバマ氏がアメリカの再生に成功するかどうかは、不確実だ。
しかし、オバマ氏は既に成功した。
成功したからこそ、あれだけ多くの人々が大統領就任式を一目見ようとワシントンに駆けつけた。
大統領就任式は、祝福の祭典であると同時に、オバマ氏を支えた人々自身の勝利を確認する式典だったのだ。
奴隷制の祖国であり、人種差別の国であったアメリカが、多民族国家として黒人系大統領を戴くまでに見事に変身を遂げた。
不可能を可能にした、という意味で、これは現代の奇跡である。
選挙という民主的な手続でこの奇跡が成し遂げられ、しかもその過程で一人も血を流していないのだから、これは凄いことだ。
このことの意義は、どんなに高く評価しても評価し過ぎることはない。
しかし、オバマ氏の成功は、大統領に就任した時点で終わる。
これからは苦難の道が始まる。
アメリカの大統領として成功するか、世界の指導者として成功するか。
オバマ大統領の就任式のスピーチに高揚感が殆ど見られないのは、当然ではないか。
大統領の就任演説では、昨年韓国の大統領に就任した李明博氏の就任演説を思い出す。
あの演説もなかなかのものだった。
しかし、李大統領の施政がその後ギクシャクし、国民の支持が離れているというニュースも聞く。
幸い麻生総理は、総理になることを自己目的化していなかった。
国民の批判は相変わらずだが、それでも自分が何のために総理に就任したのか、自分に与えられた使命を自覚されている。
「まずは、景気だ。」
野党は第二次補正予算や関連法案の採決を一日延ばしに延ばして麻生政権の足を引っ張ろうとしているが、景気回復のために必要な政策であれば、どんな抵抗にあっても怯むことなく、ひたすら前に進むのが麻生総理に与えられた役割である。
私は、政界の再編なくして日本の政治を安定した軌道に乗せることは出来ない、と確信し、そのために自分のこれからの政治活動を捧げたいと念願しているが、今は、麻生内閣を支える一員として出来る限りの知恵を出していきたい。