新しい時代が音を立てて始まった。
ついに、福田総理がスイス、ダボスで開催されている世界経済フォーラム年次総会に出席したのである。
ダボス会議は、世界中の首脳や経済人が一同に会し、新しい年の国際社会の共通の課題について協議する場であり、国際世論の基調がここで決まるといわれている。
しかし、これまでその大事な国際会議の場に、日本の閣僚はほとんど出席したことがなかった。
出来なかったのである。
例年ダボス会議は、この時期に開催される。
しかし、日本ではこの頃は、通常国会が開会された直後で、総理の施政方針演説にはじまり、各党の代表による代表質問、予算委員会における質疑と、重要な審議が目白押し。
国会の審議が行われているのに、閣僚が日本を離れるのは国会軽視であり、許されない。
そんな、日本の国内だけに通用するような内向きの議論が日本の政治の世界では罷り通っていた。
竹村健一氏は、日本の常識は世界の非常識、とよく言っているが、その典型がダボス会議に対するこれまでの日本の姿勢であった。
世界の経済は、アメリカのサブプライム問題に端を発し、世界同時株安の様相を呈し、先行きに暗雲が垂れ込みはじめている。
とても一カ国だけで対処しうる問題でない。
その外にも原油高騰対策、地球温暖化問題、感染症対策など、国際社会がこぞって取り組まなければならない課題が山積している。
この時期に行われる世界の政治、経済をリードする世界の首脳による国際会議に、洞爺湖環境サミットの議長国である日本の総理が出席しないのは、どう見てもおかしい。
そんな常識論が、ようやく通用するようになったのである。
ここまで来るのが大変だった。
しかし、これで大きな一歩を踏み出した。
これで日本の政治の風景もガラッと変わるのではないか。
そのことを私は、期待している。
それにしても、福田総理のスケジュールはハードだ。
25日に予算委員会での質疑を終えて、政府専用機で羽田を出発。
26日の朝ダボスに到着し、夕刻サミット議長国として特別講演を行い、翌27日には日本に帰国する。
いやはや大変なものだ。
政権を担当するためには、こんなハードなスケジュールも淡々とこなせるだけの強靭な体力と精神力、そしてなによりも国際社会に通用する知力、を持ち合わせている必要がある。
今のところ、野党の党首には無理な注文だろう。
自民党では、国際競争力強化調査会の中に経済安全保障プロジェクトチームを立ち上げ、国際社会に通用する人材の養成についての戦略の検討作業をはじめた。
これからは、国際社会に通用する政治家の育成もわが国の大事な課題である。
ここまで書いて重要なことに気がついた。
第一回ブログ対決の相手であった鈴木、牧原、山内の3人の衆議院議員はいずれも海外留学の経験があり、牧原議員などはアメリカの弁護士資格まで取っている、ということだ。
今回のブログ対決での相手方である髭の隊長、佐藤参議院議員や田村参議院議員も、在外経験が豊かな国際人である。
私が今日書いたようなことは、こういった人たちには余りにも当たり前で、特に特別の感想を述べるようなことではない、ということかも知れない。
やはり、新しい時代が音を立てて訪れている。