政治資金パーティを開かない理由 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

うんっ、これはなんだ、と思うようなニュースが飛び込んできた。




道路特定財源の堅持、暫定税率の維持を要望する声が全国の自治体の首長、議会の双方から燎原の火のように国民の間に広がろうとしていたときに、水をかけるような報道である。




国から交付金を受けているトラック協会が国からの交付金をプールし、その一部が一部有力な政治家のパーティー券や政治献金に当てられている。


しかも、国土交通省のOBが協会の幹部に天下っているではないか。


これこそ政官業の癒着だ。


そう、ニュース・ステーションは報道している。




予算委員会での審議が軌道に乗り、今月の29日には補正予算が成立する見込みが立った途端に、狙ったように爆弾が炸裂する。




これまでは誰も疑問に思わず、当然の慣行のように看做していたことのようである。


しかし、ちょっと違った観点から見ると、それこそが官と民との癒着であり、官僚の天下りを支えるためのシステムであり、税金の無駄遣いではないか、ということになる。


報道されている限りでは、そうかもしれないな。


自民党はこんなことに手を貸しているんだ。


そんな印象を残すような報道ぶりだ。




ガソリン税の暫定税率の維持は止むを得ないのではないか、という世論が出来つつある状況を粉砕しかねない、大変危険な爆弾だ。


この処理を誤ると、大爆発を誘爆しかねない。




私たちは、本当のことを国民に伝える義務がある。


もしそこに違法なことがあるのであれば、糾していかなければならない。


報道が誤っているのであれば、これも速やかに訂正させなければならない。


そう、私は思っている。




ガソリン税の暫定税率廃止の主張に対し民主党の中でも異論が噴出し、世論も民主党にそっぽを向き始め、国内政治が沈静化し始めている時期を見定めたかのような、大きな報道ぶりである。




総理も官房長官も、さらには総理の相談役を引き受けていると思われる中川秀直元自民党幹事長も一斉に日本を離れ、ダボスの会議に出席して政府の司令塔が不在の時期を見澄ましたようなタイミングでの報道だ。


まさに福田内閣の危機管理能力が問われている。




振り返ってみると、昨年の通常国会では、政治家の資金管理団体だった。


参議院選挙で自民党が大敗を喫し、安倍内閣が吹っ飛び、美しい国づくり路線を転換せざるを得ない状況に追い込まれた。


臨時国会では防衛省。


守屋前事務次官の逮捕、起訴に始まり、中期防衛計画、防衛大綱の見直しに繋がってきている。


今年の通常国会は、国土交通省ということか。




ようやく政権運営に自信を持ち始め、日本の危機を突破していくためには再度の再議決も辞すべきではない、と決然とした意志を周囲に披瀝し始めた福田総理にとって、これからが正念場である。




幸い、最近の国土交通大臣は、利権とは縁もゆかりもない政治家ばかり。


業界団体からの献金やパーティー券の購入が少ないと思われる扇千景前参議院議長や北側現公明党幹事長が歴代の国土交通大臣を務めており、現在の冬柴国土交通大臣も公明党所属の衆議院議員であるということがこんなときに福田総理の強みになるかもしれない。




私がこれまで一度も政治資金パーティーを開いていないのは、大事なときに日本の政治の足を引っ張るようなことをしたくないためである。


君子、危うきに近づかず。




とは、言うものの、どこで落とし穴に嵌るのか、油断も隙も見せられないのが、政治の現実だ。


昨日までは誰も問題しなかったことが、あたかも不正に関わっているかのように報道される。


報道されてしまえば、政治基盤の弱い政治家など二度と立ち上がれなくなる。




真面目で、志も高く、将来性のある政治家が間違った報道で潰されるようなことがないよう、くれぐれも慎重な報道をマスコミの皆さんにはお願いしたい。


皆さんが確かに世論を作っている。


皆さんの責任は重く、かつ大きい。


そのことを自覚されているかしら。