我が家の近くを流れている黒目川である。
かつて家庭の雑排水が流れ込み、化学洗剤らしいものの泡が充満していた当時とはすっかり趣が変わった。
コンクリートの護岸を撤去し、自然の生態系を取り戻した。
春には堰堤の桜並木が満開で、訪れる人の目を楽しませる。
去年は、近くの東洋大学の雑木林で鶯の鳴く声を聞いて驚かされた。
写真の中央に白っぽく写っているのがカルガモの集団である。
川の中では様々な魚が泳いでいる様子が歩道橋の上から観察できる。
川が蘇ったのである。
様々な命が蘇ったのである。
朝早くから多くの人が黒目川の堰堤を散歩している。
その中で、足を一歩一歩引きずりながら、明らかに歩行の訓練、リハビリに励んでいる人もいる。
定年を迎え、職場をリタイアしたご夫婦とおぼしきペアも何組か見られる。
おはようございます。
そう大きく声をかけ合いながら、皆、この黒目川の自然を楽しんでいる。
美しい自然は人を和ませ、人の新たな結びつきを育てる。
こんな風にして、人は自然と共生していく。
私たちは、こんな風にして、豊かな社会を築いて参りたい。
スロー、バット、ステディ。
Slow but steady.
昔習った懐かしい言葉が浮かんでくる。
.