アコギでもアンプを通して演奏することが多くなると、ナマ音よりも ピックアップ(PU) + ラインの音の方が気になるようになって来ます。決して「耳」が良いわけではないですが、自分なりに好みの音になるよう、プリアンプを工夫してきました。(G社LG2およびG社SJ

 

 YAMAHA APX500 III は 最廉価エレアコ(ピエゾPU)でありながら、比較的好みのラインの音がしています。インドネシア製から中国・杭州製に変更なって 「つくり」 も向上しており、野外ライブで時々使っていました。しかし、上述の2本のG社製ギターのライン音と比べると何となく物足りなくなって、何か個性を持たせるための思い切った改造をしたい気持ちが沸々とわいて来ました(笑)。

 FISHMAN の NEO-D Humbucking (マグネティックPU)が転がっていたので、これにすげ替えよう。出来れば ピエゾPUも残して、切り替えるかブレンドできるようにしようと考えたわけです。

 

 

 

 APX500IIIには3バンドEQ付きのプリアンプ(SYSTEM-66)が搭載されています。入力インピーダンスがどのくらいかわかりませんが、ピエゾPU用なのですから > 1MΩ を期待したいところです。マグネPUとピエゾPU (500IIIに付いていたもの)を 1MΩのVRで隔てて、VRのロータ端子からプリアンプに入力してみました(上図)。VRを左右に回し切ったところでいずれかのPUを選択でき、願わくば中立付近でブレンドされた音がすることを期待したわけです。

 

【結果】 はい、思惑通り! ピエゾPUの「ガシャガシャ」系の音とマグネPUの「甘いトーン」系の音が切り替えられ、かつブレンドもOK(笑)。この組み合わせでは、

  1. ピエゾPUの出力の方が若干大きいこと、
  2. ブレンド用VRの中立付近で出力が小さくなるかと思いきや、そうでもないこと、
  3. VRのケースをアースに落とし、かつ アルミホイルでくるんでシールドしたことで、ハムノイズは感じないこと、

が分かりました。「位相」がどうとかの難しいことはさておいて、実践あるのみ、ライブしよ!!!

 

  

 

★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

【追記 2017/07/08】

 紆余曲折があって、今のところ ピエゾ PU とミックスするマグネティック PU は、DiMarzio DP230 になっています。高さ可変のポールピース付きなので弦間の音量バランスが取れること、出力がやや大きく、APX500III に付いてきたピエゾ PU と音量のバランスが良いこと、音質自体も Neo-D よりも M1に近いこともあり「好み」であること、などの理由です。価格もリーゾナブルで、Neo-D シングル < Neo-D ハム < DP230 < M1 パッシブ < M1 アクティブ の順です。このタイプのネジ式ポールピースがついているものとしては、納得感があります。

 

 

 ピエゾPU と マグネPU を ミックスする可変抵抗は 1MΩ から 500kΩに変更しました。50% + 50% ミックス(中立)付近で出力が少しでも大きくなるかと思ったんですが、微妙ですね(笑)。また、プリアンプ入力に 0.1μFのコンデンサを入れました。これがないと、VRの回転に伴って、ガサガサした音がします。理由は不明ですが、マグネPUの直流抵抗が低いので、プリアンプの入力バイアスのようなものがマグネPUを通してグランドに落ちていたのかもしれません。

 

【追記】 PAシステムのある小ホールでのライブ および 電池アンプを持参した出張ライブで使ってみましたが、十分実用になりました。今回組み合わせた ピエゾPU と マグネPU(Humbucking)の音質がかなり違うことが、ブレンドの面白さを出しているようです。

 

備考

 

【関連記事】 

● ピエゾPU + マグネPU ブレンドプリアンプ 2019-12-27

● PUブレンドに使えるミニミキサー 2020-01-13