ノーボーイズ、ノークライ

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2009年 キム・ヨンナム監督、ハ・ジョンウ、妻夫木聡主演

「THE BOAT」




あらすじ

ヒョングは韓国から日本へ荷物を運び、亨は彼を日本で迎える仕事をしていた。ある日、韓国人少女のチスが運ばれた。彼女は、父親が会社の金を持ち逃げしたために、人質として誘拐されていたのだ。やがて亨とヒョングは、チスからの報酬目当てに彼女の父親を捜そうとする。



もちろん、見ようと思ったキッカケは、

釜山映画祭の写真です。



妻夫木君が1980年生

ハ・ジョンウが1979年生


日韓合作、監督が韓国人で、脚本が、渡辺あやさん!

音楽が砂原良徳(私電気グルーヴファンでした)じゃないかー!

今更ながら、「ジョゼと虎と魚たち」の脚本も渡辺あやさんだわ。ジョゼは大好きで妻夫木君が本当に良かった。(障害者ジョゼにマウントとる上野樹里やセフレの江口のりこもみんな好き)


近所のTSUTAYAには無かったから、Amazonでレンタル。




2009年ですから、みんなお若いのですが、

義丹の「お盛ん」感がスギョイ泣き笑い

釜山から密航して、日本にいるおじさんから金をもらっているけど最初はキムチ運んでると思ってる。 

キムチ壺の下に麻薬が入ってるのね…。


入江でいつも出迎える亨(妻夫木)。


おじさんはイ・デヨンさん。ストーブリーグのバイキングスのGMね!

ヒョングを息子同然と言っていますが…。

金の亡者です。


日本に来たら遊ばせてもらうヒョング。

カラオケで浜崎あゆみのマリアを熱唱するハ・ジョンウよー。


闇の世界の下っ端同士

亨は馬鹿なフリしていたのか、入江で出迎える時「ヨボセヨ」だったのに…本当はまあまあ韓国語を喋る。

家族のために金のためなら何でもする亨。

チスをおじさんに引き渡さなきゃならないのに、

チス(チャ・スヨン)の父を探して、チスから報酬をもらうためにおじさんを裏切る2人。



日韓若者底辺ロードムービー


ヒョングは幼少期に母が弟だけ連れて蒸発。

亨は認知症の祖母と子ども3人いる妹が足枷になっている。チスとヒョングと、亨の家を拠点とし、チスの父を探そうとするけど。

おじさん達にチスをかくまっている事がバレてしまい、逃げる一家。

逃亡先で

妹の子の病気が悪化するわ、

ばあちゃん徘徊するわ、

亨の精神的な糸はプッツン限界。


そんな時、フラリと街のカラオケ大会で

「アジアの純真」を熱唱する奥田民生になりたいボーイこと、妻夫木君。

堪らず、乱入するヒョングや〜笑




これは凄い…あんぐり凄いものを見てしまった泣き笑い


チスの父が見つかって、大金を手にしたものの、

おじさんから生き別れた母を人質に呼び出されるヒョング。

互いに犠牲になるしかないと、ヒョングと亨の選択が優しい。


昔「ストリップ劇場人魚姫」でストリッパーだったヒョングの母。オーナーだったおじさん。店の金を持ち逃げした人魚姫。


ヒョングのお伽噺のような

そして、おじさんにリンチされて海に沈められるヒョングです。

海に人魚姫が現れます。

オンマが、もうとっくにおじさんに沈められている(ヒョングは知らずにおじさんに騙されていた)哀れな人魚姫がなんとヒョングを助け出します。

いや、それは亨でした。

現実では泣きながら人工呼吸している亨で、

召されそうなヒョングのモノローグで終わります。



いや、俺にキスしてるこいつは何だ?こいつも王子か?王子と王子。何だったのかな?人魚姫が王子を助けたんじゃなく、王子が王子を助け出すのか?

「泣くなよ、王子。もし目が覚めたら、
笑ってやるよ」


これでエンドロール。


韓ドラで何回も見てきた韓ドラあるある海に沈むシーンですが、

今回の海に沈むシーンはコンクリつけられた義丹、を助け出す義丹のイメージの人魚姫(視聴者はオンマの幽霊?と)が

実は妻夫木君だったという。

ほんで、ブッキー渾身のマウストゥマウスに、

義丹のモノローグで締めて、もう…。


冒頭から義丹モノローグで、主人公はヒョングと思って見ていましたが(日本版は妻夫木メインポスター)、亨のキツい人生がありありと描かれて。

途中、天涯孤独なヒョングを羨ましいと言う亨。

ばあちゃんやら病気の子やらコブつきだから恋人(貫地谷しほり)と別れたりと、普通の人生を歩めない青年。しかも妹(徳永えり)に買春させるような兄です。

エゲツない事言うの似合うんだよな、妻夫木君。



一方で、ヒョングの人物像はちょっと薄かったかなぁ。。

入江に密航者がよく来る、そんなエピから着想を得て書いたそうです。



底辺の若者2人の、欲望と優しさと残酷さが入り混ざる展開。



「ジョゼと虎と魚たち」もそうでしたが、

思い出すとちょっと泣きそうになっちゃう…。そういう映画でした。