ゴーバリアンの動画です!
・ゴーバリアン未見の人には
「へぇ、こんな感じの作品なんだ」と思ってもらえるように
・ゴーバリアンを知ってはいるけどよく覚えていない人には
「ああ、こんな感じの作品だった」と思ってもらえるように
・ゴーバリアンに詳しい人には
「おい、こんな描写本編には無いだろっ!」と思ってもらえるように
作りました。
観て下さい!
ライラ・スワニーとその父
ライラ・スワニー。
主に母艦グランドーで敵の索敵を担当。
優れた予知能力の持ち主で、レーダーが敵影をキャッチするよりも早く、敵の攻撃目標を言い当てるような場面も。
↓TVアニメ サイコアーマー ゴーバリアン より
ライラ
ライラで特筆すべきは、アトラスとくっついたこと……という話題では、昨日と内容が同じになってしまう(笑)。
というわけで、それ以外に彼女についてといえば、やはり、父との再会を描いた第9話の内容についてであろう。
これは極めて私の個人的趣味嗜好の問題なのですが、私、「お父さんごめんなさい」系の話が、基本的に大嫌いなんですよ。
お父さんごめんなさい系って、なんやねん? って。 はい、私が勝手にそう呼んでいるだけで、世間ではこんな言い方をしている人は見たことがありません。 え~と、
父親が仕事優先にした結果、子供との仲がギクシャクし、そして最後に和解する、というドラマの中で、特に
エピソード中に、父が偉大な姿を見せ、ラスト、反発していた娘が「お父さん、ごめんなさい……!」とか言って父の胸に飛び込み、父親はそっとそれを抱きしめる……。
というパターンの物を、私はそう呼んでいます。
もちろん、このパターンも定番ゆえに、傑作もあれば駄作もあります。
だから一概にこのパターンのエピソードは全部嫌い、とも言えないのではありますが。
でもねぇ……なんか
親父の妄想理想郷と言うべきか、
親父の願望桃源郷とでも言うべきか。
余程 脚本・演出のしっかりしたものでないと、このパターンは、観るに堪えない。
いや、フィクションって、受け手の願望をかなえて疑似体験させてくれることで楽しませてくれるものなのではって? そりゃそうなんですけどね。
酒池肉林ハーレム物とかは、何と言うか、願望そのものなので、気にならないんですよ。
対してこの「お父さんごめんなさい系」て、なまじっか「感動的な良いドラマ」の皮をかぶった「欲望むき出し」なものなので、一層醜さが際立つというか……。
まぁ、個人的に好きになれるタイプのパターンではないです。
で、ゴーバリアン第9話はというと、冒頭、このパターンの話なのかな? という感じでスタートするが、大きく異なる展開を見せる、なかなかの傑作なのです。
家族を顧みない父親との確執 ~ しかし実は父は家族のことを愛している立派な父である
というところまではよくある展開なのですが、父との再会後、和解することなく別れたライラは、自分への共感を主人公であるイサムに求めるんですね。
イサムもまた、同様の悩み(父との確執)を抱えているので。
ところが、意外にもここでイサムは、ライラに共感して互いの父への怒りを表すのではなく、父への理解を示すのです。
これが、結構いいシーンだと思うのですよ。
ライラ「……私が、イサムに父と会ってもらったのは、
あの父を見てイサムがどう思うか知りたかったの」
ライラは問いかけているのだ。
貴方も同じ境遇でしょう?
貴方なら、私の気持ちが分かってくれるのではないの? と。
イサム「僕の親父も、似たようなものだな。 僕もずっと父を憎んでいたよ。
でもね、ライラ。近頃、何となく親父の気持ちも分かるような気もするんだ。
例えば、今の僕達みたいに、男はどうしても戦わなければいけない時があるんじゃないかって。 それが、研究にしても、仕事にしても」
ライラは振り返りイサムに笑顔で、しかし少し寂しげに伝える。
ライラ「……イサム、貴方も男の子だったわね」
め、名セリフだ……と思うのですが。
父とは分かり合えないという結論は揺るがない、という意思表示。
父のことを理解できるというイサムに対し、自分は理解できないという意思表示。
父と自分を和解させようとしているイサムに対しての、拒絶の意思表示。
そんな気持ちを託したセリフが、
「貴方には分からないのね」とか、「私と貴方は違うわ」とかではなく、
「貴方も男の子だったわね」
である。
喚き散らしたりするのでなく、冷たい視線をイサムに送るでもなく、
このセリフを、寂しい笑顔で、というのが、またいい。
その後、敵の襲撃。
フラインジャーの群れが、ライラの父の会社のビルにも攻撃をかける。
が、それを知っても、ライラは振り返らない。
いま彼女がすべきことは、敵と戦う事だ。
ライラの意思を見て取ったイサムは、二人でグランドーへの帰還を急ぐ。
ライラ「(内心の声)父との別れは、すんだわ……」
その目に光る涙。
ライラの父は、社員達の避難の指揮を自ら率先して行い、自分は逃げ遅れて、瓦礫の中へ消えていった。
会社ビルの倒壊を、グランドーのモニターで見つめるライラ。
父の死に、彼女は何も言わず、そっと目を伏せるのであった……。
ライラと父との間に、確かに親子の情はあったということは、彼女が見せた涙に表れています。
本当は、和解したかった。
でも、出来なかった。
出来ないままに、永遠の別れを迎えてしまった。
そして、自分の使命を優先し、父の元へ向かおうとはしないライラの行動は、図らずも、仕事を優先し家庭を顧みなかった父の姿とダブります。
なんとも悲しい親子の決別であり、死別です。
↓TVアニメ サイコアーマー ゴーバリアン より
ライラの父
今回の私のアニメ、1枚絵だけですが、このエピソードを視聴したことのある人なら「ああ、この二人こんな感じだったな」と、思い出してもらえるような、そんな1枚を目指しました。
おまけ
昔作ったやつ。