ライオン丸のライバル達 タイガージョー 友として | 無敵動画堂高田のブログ

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無敵動画堂 というサークルで、アマチュアアニメを製作している者が、アニメや特撮について語ります。

(つづき)

 タイガージョー:虎錠之介

 

 ↓快傑ライオン丸 第52話より

 日本TV特撮界における、

初の本格的なライバルキャラにして、

追加戦士の元祖的存在(ただ、追加戦士としては、変身忍者嵐の 月ノ輪 の方が登場が約1ヶ月早い)。 

 

 錠之介役が福島資剛氏に変わったことが、タイガージョー=虎錠之介というキャラクターに与えた影響は、やはり大きかったと思います。

 ギラギラとした殺気漲る風だった戸野広浩司氏の錠之介に対し、福島資剛氏演じる錠之介は、

グッと大人の雰囲気を感じさせるキャラクターになっていました。

 結果的に、錠之介は獅子丸達と友情を深めていく形になります。

 多分、戸野広浩司氏のままだったら、こういう流れにはならず、ネズガンダ同様、獅子丸達との友情を感じさせつつも、完全な仲間にはならなかったのでは? と思うのですが。

 

 49~52話は、正に獅子丸と錠之介の友情編、とでも言うべき趣の作品群。(50話だけは、もしかすると46話でタイガージョー退場となった場合を想定しての脚本だったか? 本筋には絡まず、出番もわずか)

 51話で錠之介は獅子丸達と行動を共にするようになります。

 

 そして、52話は、いわばその到達点としてのエピソード。

 脚本はかなり「錠之介は変わったのだ」という事を強調している。

 

 冒頭、ライオン丸は怪人ゴンラッドからの挑戦状を受け、単独で戦いに臨み、危機に陥る。

 

 ↓怪人ゴンラッド。 ライオン丸を窮地に追い込む、強敵。

 

 独断専行を、錠之介は責める。

錠之介「とにかく獅子丸、お前が悪いよ

 

 もう、この台詞が錠之介の口から出るという時点で、彼が大きく変わったことが示されている。

 

 ↓4人で仲良くいろりを囲む。 錠之介は孤独ではなくなったのだ。

 

 その後も、この52話では4人が力を合わせて危機を乗り越えていく様子が描かれる。

 そしてクライマックス、W変身!

ライオン丸「ライオン丸 見参!」 タイガージョー「タイガージョー 推参!」

 二人でなく、4人の並びとなっているのが、今回のテーマをしっかりと表現している。

 

 ゴンラッドは強い。

 蜻蛉霞という、近距離での瞬間移動を繰り返す技で相手の攻撃の間合いを狂わせ、受け止めてしまうのだ。

 タイガー隼斬りも、ライオン飛行斬りも、受け止められてしまった。

ライオン丸「あの蜻蛉霞を破るには、二人の呼吸を合わせるしかない!」

 そして……

 

タイガージョー「タイガー隼斬り!

ライオン丸「ライオン飛行返し!

 二人の必殺技が同時に炸裂!

 避けることも、受け止めることも適わず!

 

 で、この、怪人ゴンラッドの爆死カットなのですが……

 

 通常の人の目線より、わずかに低く構えたカメラ位置。

 中央最奥で爆発、右にライオン丸、左手前にタイガージョーを配置という構図の美しさ。

 

 キラッと太陽光を反射させるタイガージョーの刀

 

 振り返るライオン丸。

 見つめ合う二人の剣士。

 風を受け、ふわりとはためくマント。

 

 か、カッコいい……。

 もうね、「完璧な画」でしょう?

 あまりのカッコ良さ、美しさに、私なんぞは身震いしますよ。

 

錠之介「二人の呼吸がぴったり合うなんて……奇跡だ……」

 仲間と力を合わせ、敵を倒すという経験をした錠之介は、心を震わせていた。

錠之介「力を合わせることが、いかに偉大な事か、良く解った……

獅子丸「槍が無くても、二人の呼吸が一致すれば……」

 

 ……なんですと!? 槍が無くても???

 

 そうなんです。

 どうやら、この回で、錠之介はゴースンを倒せる武器=象牙の槍を失ってしまったようなんですね。

 

 これ、シリーズのメインストーリーに関わる重大事のような気がするのですが、それと分かるはっきりとした描写が無いんですよ。

 ゴンラッドの攻撃を避ける為、盾に象牙の槍を突き出したようなへんてこ武器をその場で作って、4人が危機を脱するというシーンがあるのですが、どうもそのシーンで象牙の槍は失われたということになっているらしい。

 な、納得いか~~ん!

 獅子丸が知るゴースンの弱点=胸の文様にしか攻撃が通じない

 錠之介が知るゴースンの弱点=象牙でなければ攻撃が通じない

 二人の知る弱点が一つになって、ゴースンは倒される……という展開は、余りに魅力的だった。

 いや、ここで象牙の槍が失われる、というのは、それはそれでいいのですが、描写不足で、象牙の槍が何で失われたのか、良く解らないのですよ。

 ここは、ハッキリと、象牙の槍が破壊されてしまう描写をしてほしかった。

 その上で、その事を全く悔しがっていない、むしろライオン丸との呼吸がピッタリと合い、強敵を共に打倒した喜びを錠之介がかみ締めている、という風に描いてもらわなければ……!

 

 脚本としては、そういう意図だったのだと思います。

 何故、槍が失われてしまう描写が弱いのか……こればかりは如何にライオン丸が大好きでベタ褒めな私でも、擁護不能な、この番組の大きな謎です。

 

 とにもかくにも、今、錠之介は、槍を失ってなお、それよりももっと大切なものを……心から信頼のおける友を手に入れました。

 この52話のクロージングナレーションは、いまや獅子丸達のかけがえのない友となった錠之介の、新たな門出を讃えているかのようです。

 

N「4人は行く。 ゴースンを倒さんと、最後の戦いを挑むために。

 その行く手を阻む、ゴースンの次の手立ては何か?

 行け! 獅子丸、沙織、小助!

 そして、虎錠之助よ……!

 

 

 

 

   ↓快傑ライオン丸

 

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