(つづき)
タイガージョー:虎錠之介
↓快傑ライオン丸 第43話より
日本TV特撮界における、
初の本格的なライバルキャラにして、
追加戦士の元祖的存在(ただ、追加戦士としては、変身忍者嵐の 月ノ輪 の方が登場が約1ヶ月早い)。
力を合わせて闘った二人なのですが……。
別にこれで二人が共に戦う仲間になったかというとそうではなく、
錠之介はあくまで単独行動です。
ただし、彼には、裏切り者として、かつての仲間に追われる運命が待っていました。
錠之介の命を狙うくノ一との心の交流を描いた第44話。
ゴースン党にいた頃の親友との再会と決別を描く45話。
42~46話は、もう完全に錠之介主役編です。
ただ、脚本のスケジュールからして、45話までは、錠之介役の戸野広浩司氏の事故死より前にほぼ完成稿に至っていたと考えられるのですよ。
続く46話こそ、錠之介役が福島資剛氏にかわったことを踏まえての、最初の脚本でしょう。
後年の福島資剛氏のインタビューによると、「僕が代役に入ることになった当初は1、2回でタイガージョーを消しちゃおうという話もあった」とのことだけれど、脚本のスケジュール的に、さすがに2回で消すことは不可能。
なので、おそらくは、46話は、「もし、錠之介役が福島資剛氏に代わって、それが受け入れられなければ、退場編になる」ことを想定し、基本プロットがまとめられ、タイガジョー続投・退場どちらにも対応できるようにラストは変更可能として執筆されたのでしょう。
この46話は、久々に ライオン丸 対 タイガージョー の対決シーンもあり、クライマックスはタイガージョー 対 ゴースン というシーンです。
刀ではなく、象牙でなければゴースンの体には刺さらぬと知っていたタイガージョーですが、胸の文様にでなければ攻撃は通じないという事を知らぬ彼は、ゴースンの心臓を狙って攻撃をかけ、象牙の槍は通じず、敗北します。
もしかすると、ここで彼は死んでいたのかもしれません。
実際、47話は、タイガージョー登場シーンはあるものの、大筋にはあまりからまず、出なくても大丈夫という状態になっていて、48話はそもそも出番すらない。
退場、がある程度想定され、この辺りは脚本執筆時に、続投でも退場でも対応できるように、と考えられた上で、脚本の作業が進められていたのでしょう。
結果的に、視聴者は福島資剛氏を無事受け容れ、タイガージョーは続投することになりました。
ただ、福島資剛氏に変わったことが、タイガージョー=虎錠之助というキャラクターに与えた影響は、やはり大きかったと思います。
ギラギラとした、殺気漲る風だった戸野広浩司氏の錠之介に対し、福島資剛氏演じる錠之介は、
グッと大人の雰囲気を感じさせるキャラクターになっていました。
結果的に、錠之介は獅子丸達と友情を深めていく形になり、51話で、共に行動するようになります。
多分、戸野広浩司氏のままだったら、こういう流れにはならず、ネズガンダ同様、獅子丸達との友情を感じさせつつも、完全な仲間にはならなかったのでは? と思うのです。
(つづく)
↓快傑ライオン丸