秘密戦隊ゴレンジャーから
第20話「真っ赤な死闘! 日輪仮面対アカレンジャー」
です。
↓昔描いたゴレンジャー。ううっ時間があれば描き直したい……
(続き)
日輪仮面を匿っている山荘へとやって来た海城。
日輪仮面は、とっくに逃亡……などはしていなかった。
海城を待ち構えていた。
日輪仮面「どうやら私の勝ちだな」
そう言いながら、日輪仮面は吹っ飛ばされた筈の片腕を再生して見せる。
見せつける。
全て作戦だったのだ、と。
お前は騙されていたのだ、と。
日輪仮面「ゴレンジャーの首を献上すれば、私は黒十字軍の大将軍の地位に就ける」
海城「思い上がるのもいい加減にしろ!
……貴様の行く先は地獄だ……!」
怒りに燃えるアカレンジャーは、襲い来る戦闘兵ゾルダーの群れを、たちまち蹴散らしてしまう。
日輪仮面「アカレンジャーめ……!」
ついに激突。
アカレンジャー 対 日輪仮面!
勝負は互角か?
が、日輪仮面の必殺技、日輪ファイヤーが決まった!
アカ「うああぁぁっ!」
全身を炎に包まれたまま、崖下へ転落するアカレンジャー。
傷つきながらも、何とか無事だったアカ。
彼を探し出さんと探索する日輪仮面とゾルダーの群れ。
必死に身を隠しつつ、アカは日輪仮面の様子を探る。
日輪仮面「ようし、基地へ戻り、まず4人を血祭りにあげるんだ」
海城「新命達を、死刑にするつもりだ……。
そうはさせないぞ……。 そうはさせないぞ……っ!!」
怒りに燃えたアカレンジャー、敗北してしまうのです。
い、いや、5人揃っていないから、まだクライマックスではない=日輪仮面を倒すシーンではない ってのは分かるんですけどね?
ヒーローが怒りを爆発させる!ってシチュエーションで、完敗ですよ。
普通、こういう時は、勝つでしょ……って…… そう、脚本が、上原正三さんでした。
ヒーローが怒りに我を忘れてしまうと、そのデメリットとして、敵味方の区別がつかなくなるバーサーカー(狂戦士)になってしまう、という展開は多くの作家さんで見られるのですが……。
でも一様に、皆、無茶苦茶強いのです。
怒り=強さにつながるってのは、視聴者の感覚的にも、分かりやすい。
でも、上原正三さんの描くヒーローって、怒りに我を忘れると、それは心乱された状態であって、弱くなってしまうんですよね。
帰ってきたウルトラマンの第37話「ウルトラマン夕日に死す」などが、それをもっとも端的に表す例でしょうか。
↓帰ってきたウルトラマン
敵の余りに卑劣な作戦に、怒りに我を忘れたウルトラマンは一度敗北してしまうが、
その後、仲間の友情に支えられて立ち直ると、
光線技も超兵器ウルトラブレスレットも使わずに、強敵を倒してしまう。
別に作品として 常に冷静であれ、みたいな訴えかけをしてくるわけでもないんですよね。
多分、上原正三さん的に 頭はクールに、そして胸には熱く悪への怒りを燃やし……ってヒーローが、一番カッコいいってことなんだと思います。
今、怒りに任せて日輪仮面に挑んだアカレンジャーは、敗北してしまいました。
しかし、仲間を救うため、傷ついた体でなお立ち上がり、戦いに臨むアカレンジャーは、絶対に強い!
子供心にも分かりますよ。
ここから、アカレンジャーの逆襲が始まるのだ、ということが。
(続く)