秘密戦隊ゴレンジャーから
第20話「真っ赤な死闘! 日輪仮面対アカレンジャー」
です。
↓昔描いたゴレンジャー。ううっ時間があれば描き直したい……
(続き)
パトロール中の海城は、日輪仮面がゾルダーに処刑されそうになっているのを発見する。
撃たれたのみならず、手枷をはめられ、爆弾まで付けられ、片腕が吹っ飛んでしまっていた。
アカレンジャーに転換した海城は、ゾルダー達を倒し、とりあえずは日輪仮面を救う。
日輪仮面「殺してくれ、頼む。アカレンジャー、殺してくれ、頼む……!」
ひたすらに「殺してくれ」と、海城に懇願する日輪仮面。
そんな彼に対し、海城は……
海城「戦いに敗れた敵に、手を下すわけにはいかん」
優しさを向けた。
もっとも、相手はあの日輪仮面である。信じてよい相手なのか?
海城「将軍のお前がなぜ?」
日輪仮面「疑っているのか!?」
海城「答えろ」
日輪仮面「戦いに敗れた残された道は 死 だ……。
私は死にたくない!
黒十字軍のやり方には、つくづく、愛想が尽きたよ……」
つい先程まで「殺してくれ」と何度も唱えていたその口から洩れる
「死にたくない」という本音。
海城は、自分の中の日輪仮面に対する不信が消えていくのを感じるのだった。
このシーンもいいぞ!
とりあえず、日輪仮面の「殺してくれ」アピールの凄いこと。
思わず数えてしまったのですが、
わずか1分程の間に、「殺してくれ」と言うこと7回(笑)。
で、最後には本音で「私は死にたくない!」ですからね。
ついつい海城の表情も緩んでしまうというものです。
(本当の本音ではなく、『つい本音が出た、と思わせる、日輪仮面の演技』なのですが)
総統と日輪仮面のやり取りの凄かったのは、お互い表情のないキャラクターなのに、セリフとは違う本音がちゃんと伝わってくる演技だったのですが、顔を出しているキャラクターを演じる俳優さんにしてみれば表情は大きな武器。
このシーンの、海城を演じる誠直也さんの表情の演技が、素晴らしいのです!
殺されそうになっていた日輪仮面を信じ、助け、でもまだ疑いを捨ててはいない、という表情から、
日輪仮面の「死にたくない!」という本音や「愛想が尽きたよ」というセリフに、警戒心を解き、軽く笑みを浮かべる表情への、微妙な変化!
あまり上手でない役者さんが演ったら、多分、
警戒を解いていない時は、ものすごく厳しい表情を、
警戒を解いたら、無防備な笑顔を、
という演じ方をしてしまうと思うんですね。正直、それでは薄っぺらい、でしょう?
が、その心情の変化を見事に微妙な表情の変化、で見せてくれるんですよ、このシーンの海城は!
このシーン、もちろん、日輪仮面の演技であり、海城は騙されているというシーンなわけです。
ここで、
日輪仮面の声を演じている増岡弘さんの「『海城をだます演技をしている日輪仮面』の演技」に嘘くささがあったら、
騙されてしまう海城を演じている誠直也さんの演技が、薄っぺらかったら、
海城が、簡単に騙されるただのバカに見えてしまう。
が、ちゃんと、海城のバカさではなく、相手に対する優しさや誠実さの方が伝わってくる。
そして、「日輪仮面は、本当に黒十字軍に愛想が尽きたのか?」というサスペンス要素を盛り込むことは端からキッパリと捨てて、子供が見てもハッキリと分かるように「これは日輪仮面が海城を騙しているんですよ」ということを明確に伝えてくる脚本の思い切りの良さ!
日輪仮面の卑怯さが、ビシビシ伝わってきます。
で、今回、この後のシーンも、実にいいんですよ!
(続く)