秘密戦隊ゴレンジャーから
第20話「真っ赤な死闘! 日輪仮面対アカレンジャー」
です。
↓昔描いたゴレンジャー。ううっ時間があれば描き直したい……
(続き)
黒十字軍アジトに備え付けられた立派な椅子。
が、座ろうとする日輪仮面を、戦闘兵ゾルダーが制する。
ゾルダー「この椅子は、日輪仮面様の椅子ではございません」
日輪仮面「ふふふ、冗談が過ぎるぞ。私以外にこの将軍の椅子に座るものがいるという事か?」
ゾルダー「は、そういう事です」
日輪仮面「え!? これは本当に、私の椅子ではないのか!?」
アフリカの星とまで謳われた自分の地位が、よもや危うくなるとは思っていなかった日輪仮面。
そして、日輪仮面には自分を脅かすほどの存在に、一人、心当たりがあった。
日輪仮面「私の他に一体誰が……。 まさか奴が!?」
黒十字総統「そのまさかだよ。日輪仮面。
モンゴルの鬼と異名をとる 鉄人将軍テムジンなら、ゴレンジャーをひねりつぶせると」
つまり、総統は「お前(日輪仮面)ではゴレンジャーに勝てない」と、言っているのだ。
ゴレンジャーなら自分が、と食い下がる日輪仮面に、総統は3日の内に決着を付けろ、と非情な命令を下す。
黒十字総統「無理(に)とは言わん」
日輪仮面「いえ、3日の内に必ず奴(等)を血祭りに」
黒十字総統「一筋縄ではいかんぞ? ゴレンジャーは……」
いや~、このシーン、いいです。
場面転換しているのに、「まさか奴が?」「そのまさかだよ」と、会話がつながっているというのも洒落ているし、その後の会話が実にいい。
3日の内に決着を付けろっていうのは、別に総統、日輪仮面に最後のチャンスをあげたというわけではないのです。
会話のムードからして、全く日輪仮面に期待していない。
最後通牒をババーンと、という感じですらなく、もう、日輪仮面に対する興味関心を失っている。
対して日輪仮面、食い下がる食い下がる。
必死の命乞い、ではなく、「自分に任せてくれれば大丈夫」、という自信に溢れたプレゼン(笑)。
でも本音は、必至の命乞い、なのです。
一応会話の最後、総統は「期待しておるぞ」と言ってくれるのですが、もうあれ、実際には期待なんかしていない。
どうせまた負ける奴が、最後の悪あがきをしているさまを見て、なんかそれが少し楽しい、といった風。
いや~、この会話を書く脚本の上原正三さんも凄いし、総統と日輪仮面(声)を演じている安藤三男さん、増岡弘さんも、セリフの言外に含まれている意味を感じさせる言い回し。
ホント凄いですよ。だって……
黒十字総統も、日輪仮面も、人間の顔が見えないデザインで……つまり、表情で伝える、という表現が封じられている状態なのに、両者の言葉の裏に潜んでいる本音が、伝わってくる……!
どうやったらこんな凄いシーンの脚本が書け、演じられるんだろう?
アマチュアとはいえ、作品を作っている身としては、プロっていうのはアマチュアとは次元が違うのだということを見せつけられている感じ。
別にこのシーン、ファンの間で名シーンと言われているわけでも何でもないのですが、そういうところですら、ハイレベルなのです。
で、今回は、こんな感じで、脚本も、それを演じる役者さん達も、凄っっっごくいいシーンのオンパレードなんですよ!
(続く)