劇場版「仮面ライダージオウ」を観てきた(ネタバレ有)(その3) | 無敵動画堂高田のブログ

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劇場版「仮面ライダージオウ Over Quartzer」
感想の続きです。
 思いっきりネタバレありなので、そういうのが苦手な方は、スルーして下さい。


 今回の映画、クォーツァー達は、いわば平成ライダーシリーズに不満を持っているファンの代弁者として登場している。
 だから、クォーツァー達は、「昭和にルーツを持つ平成の者たち」の力を使い、
純然たる「平成のライダーたち」と対立する。 
 挑戦的であり続けた 平成仮面ライダーシリーズ には、根強いアンチもまた数多い(笑)。
 アンチ平成ライダーファン VS 現役平成ライダーファン
 というのが、本作の、裏の戦い であろう。
 
 この映画で見られた
 昭和ライダーファンVS平成ライダーファン 的
『メタフィクション的な対立構造』

は、過去のシリーズにも、何度か見られた。
 タイトルもズバリ『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦feat.スーパー戦隊』なんて作品もあるくらいで。
 ただ、この映画の場合、昭和と平成の対立は、話題作りとしての面が強く、あまりファンの対立構造の要素は強くない。
 今回の作品に近いのは
仮面ライダーOOO×仮面ライダーW feat.スカル MOVIE大戦CORE
のクライマックスシーンであろうか。

↓仮面ライダーOOO×仮面ライダーW feat.スカル MOVIE大戦CORE


ここで悪役として登場するのは 仮面ライダーコア というキャラクターで、
このキャラは仮面ライダーの『核』(コア)として
「異形となった悲しみを背負い戦う者である」
と主張し、ダブル、オーズと対決する。
 当時、平成シリーズを「あんなの仮面ライダーじゃない」と主張するファンが沢山いたんでしょうねぇ……。って、今でもいるか。
 その主張が良いか悪いかは、あくまでその人の個人的主観でしかないので、
 良いも悪いもない、という結論にならざるを得ないが、
仮面ライダーの『核』(コア)は「異形となった悲しみを背負い戦う者であること」には、作中でハッキリとそれは偏っている!と断言している。
「仮面ライダーの『核』とは何か? ということに対する、スタッフの主張が垣間見える作品である。

 閑話休題。

 今回の映画だが、主人公たちを救うべく、平成仮面ライダーの中でも『異端』としか言いようのない者たちが次々に出現し、それを
 平成ライダーの世界は芳醇である と公言する!
 恐ろしく大胆。
 メタフィクションを取り入れた作品で、堂々とスタッフの自己肯定、自画自賛!
 この圧倒的なまでのスタッフの自信!
 正に「設定も世界観も滅茶苦茶」を体現する者たちが大挙登場し、それをファンは肯定してくれるだろう、という自信に裏打ちされなければ、この展開は絶対に出来ない!
 
 そして、このメタフィクション的要素を入れた映画であっても、あくまでベースは
仮面ライダージオウ というフィクション作品
であったことも、今回の映画の重要なポイントだと思う。
 ドライブウォッチを手に入れるまでの、戦国時代へのタイムスリップ編の部分だけでも「純粋に1本のジオウのエピソードとして十分面白い仕上がりになっていたこと」
 ゲイツ VS ウォズ 、ウォズの死 といった、それこそ「ジオウのエピソードとして、最高に盛り上がる要素を、劇場版に詰め込んであること」
 が、ちゃんと下敷きになっているから
 メタフィクション的要素を入れた「変なだけ」の作品にならず、
クライマックスがトンデモないことになる、ジオウの映画として完成した作品になっている。
 そう、ちゃんと芯の通った「仮面ライダージオウの映画」なのだ。
 正直、例えば上記の『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦feat.スーパー戦隊』なんて、「仮面ライダー鎧武の映画だ」と言ったところで、実際に作品を鑑賞した人ならば「いや、あれを鎧武の映画と呼ぶことには抵抗がある……」という感想を持っている人が多いのではないだろうか。

 今回の映画は、しっかりとした部分も、滅茶苦茶な部分も含めて、間違いなく
仮面ライダージオウの、真の最終回
と呼ぶにふさわしい映画だったと思う。

 以上、今回の映画の感想でした。

 おまけ
 どうでもいい、ホント、どうでもいいことを、二つだけ
・折角の劇場版なんだから、ちゃんと「ライドストライカー」(バイク)は出そうよ……。
・多分権利関係で無理だったんだろうけど、「異端ライダー」が次々に現れる中、
 ネットムービーから、舞台から、コミックから、バラエティから……と、ジャンル別にキャラが登場しているのだから、やっぱり、
 アニメから、ということで『しん王』(仮面ライダー電王+しん王という、『クレヨンしんちゃん』と『仮面ライダー電王』が合体した作品に登場する、しんちゃんが変身した仮面ライダー) には登場してほしかった。

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