感想の続きです。
思いっきりネタバレありなので、そういうのが苦手な方は、スルーして下さい。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20190811/21/guratakajp/c6/ed/j/o0500065414531209803.jpg?caw=800)
今回の映画、クォーツァー達は、いわば平成ライダーシリーズに不満を持っているファンの代弁者として登場している。
だから、クォーツァー達は、「昭和にルーツを持つ平成の者たち」の力を使い、
純然たる「平成のライダーたち」と対立する。
挑戦的であり続けた 平成仮面ライダーシリーズ には、根強いアンチもまた数多い(笑)。
アンチ平成ライダーファン VS 現役平成ライダーファン
というのが、本作の、裏の戦い であろう。
この映画で見られた
昭和ライダーファンVS平成ライダーファン 的
『メタフィクション的な対立構造』
は、過去のシリーズにも、何度か見られた。
タイトルもズバリ『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦feat.スーパー戦隊』なんて作品もあるくらいで。
ただ、この映画の場合、昭和と平成の対立は、話題作りとしての面が強く、あまりファンの対立構造の要素は強くない。
今回の作品に近いのは
仮面ライダーOOO×仮面ライダーW feat.スカル MOVIE大戦CORE
のクライマックスシーンであろうか。
↓仮面ライダーOOO×仮面ライダーW feat.スカル MOVIE大戦CORE
ここで悪役として登場するのは 仮面ライダーコア というキャラクターで、
このキャラは仮面ライダーの『核』(コア)として
「異形となった悲しみを背負い戦う者である」
と主張し、ダブル、オーズと対決する。
当時、平成シリーズを「あんなの仮面ライダーじゃない」と主張するファンが沢山いたんでしょうねぇ……。って、今でもいるか。
その主張が良いか悪いかは、あくまでその人の個人的主観でしかないので、
良いも悪いもない、という結論にならざるを得ないが、
仮面ライダーの『核』(コア)は「異形となった悲しみを背負い戦う者であること」には、作中でハッキリとそれは偏っている!と断言している。
「仮面ライダーの『核』とは何か? ということに対する、スタッフの主張が垣間見える作品である。
閑話休題。
今回の映画だが、主人公たちを救うべく、平成仮面ライダーの中でも『異端』としか言いようのない者たちが次々に出現し、それを
平成ライダーの世界は芳醇である と公言する!
恐ろしく大胆。
メタフィクションを取り入れた作品で、堂々とスタッフの自己肯定、自画自賛!
この圧倒的なまでのスタッフの自信!
正に「設定も世界観も滅茶苦茶」を体現する者たちが大挙登場し、それをファンは肯定してくれるだろう、という自信に裏打ちされなければ、この展開は絶対に出来ない!
そして、このメタフィクション的要素を入れた映画であっても、あくまでベースは
仮面ライダージオウ というフィクション作品
であったことも、今回の映画の重要なポイントだと思う。
ドライブウォッチを手に入れるまでの、戦国時代へのタイムスリップ編の部分だけでも「純粋に1本のジオウのエピソードとして十分面白い仕上がりになっていたこと」
ゲイツ VS ウォズ 、ウォズの死 といった、それこそ「ジオウのエピソードとして、最高に盛り上がる要素を、劇場版に詰め込んであること」
が、ちゃんと下敷きになっているから
メタフィクション的要素を入れた「変なだけ」の作品にならず、
クライマックスがトンデモないことになる、ジオウの映画として完成した作品になっている。
そう、ちゃんと芯の通った「仮面ライダージオウの映画」なのだ。
正直、例えば上記の『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦feat.スーパー戦隊』なんて、「仮面ライダー鎧武の映画だ」と言ったところで、実際に作品を鑑賞した人ならば「いや、あれを鎧武の映画と呼ぶことには抵抗がある……」という感想を持っている人が多いのではないだろうか。
今回の映画は、しっかりとした部分も、滅茶苦茶な部分も含めて、間違いなく
仮面ライダージオウの、真の最終回
と呼ぶにふさわしい映画だったと思う。
以上、今回の映画の感想でした。
おまけ
どうでもいい、ホント、どうでもいいことを、二つだけ
・折角の劇場版なんだから、ちゃんと「ライドストライカー」(バイク)は出そうよ……。
・多分権利関係で無理だったんだろうけど、「異端ライダー」が次々に現れる中、
ネットムービーから、舞台から、コミックから、バラエティから……と、ジャンル別にキャラが登場しているのだから、やっぱり、
アニメから、ということで『しん王』(仮面ライダー電王+しん王という、『クレヨンしんちゃん』と『仮面ライダー電王』が合体した作品に登場する、しんちゃんが変身した仮面ライダー) には登場してほしかった。
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