映画監督 坂本浩一 全仕事 を読了 | 無敵動画堂高田のブログ

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 映画監督 坂本浩一 全仕事 を読了。

 通勤時間を利用して、ちょこちょこ読み進めていました。

 友人に借りた本なのですが、貸してくれた友人に、感謝!

 いい本だった。

 読むと元気が出ます。マジで。

 

 ↓映画監督 坂本浩一 全仕事

 

 坂本浩一監督は、

ウルトラ(ギンガS、ジード)、

ライダー(フォーゼ)、

戦隊(キョウリュウジャー)という、

日本のTV特撮人気3大ブランドにおいて、その全ててメイン監督を行った事のあるただ一人の監督であり、

日本のみならず、アメリカ、韓国、台湾と、海外でも活躍する監督。

 しかも現役バリバリで活躍中で、もしかすると、今後、最も世界で評価される日本出身の監督 にだって、なるかもしれない

 十分、そのポテンシャルを持った人だと思う。

 

 もちろん私は坂本監督作品が大好きです。

 

 いや~、思えば、GUYVER DARK HERO を初めて観た時は、衝撃だった。

↓GUYVER DARK HERO

  人気漫画「強殖装甲ガイバー」の映画第2弾。

  坂本監督の所属するアルファスタントのデビュー作で、アクションを担当。(映画の総監督ではない)

 

 強殖装甲ガイバーは、原作コミックの大ファンだったけれど、映画第1弾は、あまりにガッカリさせられる出来で……。

 2作目は過度な期待はせずに、って感じだったのだけれど、そのアクションのカッコ良さに、完全に目を奪われた。

 

 その後、アメリカやニュージーランドでの活躍の情報が入ってくるたびに、「ああ、あの GUYVER DARK HERO のアクションを担当した方かぁ……」という思い出し方をしていた。

 私の中では、長らく坂本監督は

パワレンジャーシリーズのアクション監督、本編監督、製作総指揮の方、

というイメージより、GUYVER DARK HERO の人 だったのだ。

 それが パワーレンジャーの人 になったのは、パワーレンジャー・ライトスピード・レスキューを観た時からだろうか。

 タイタニアムレンジャーのアクションシーンのカッコ良さに、すっかり魅了されてしまった。

 

 その坂本監督が、日本に帰国し、新作ウルトラマンの映画を撮る! というニュースを耳にした時は、驚いたものだ。

 え? 戦隊シリーズじゃなくて、ウルトラマンの新作映画? と。

 そして実際の映画は、もっと驚くべき内容だった。

 従来のウルトラマンシリーズとは一線を画すアクロバティックなアクション。

 全編グリーンバックによる背景合成という、スターウォーズと同じ撮影スタイル。

 全く新しいイメージと共に、従来のファンが持っているキャライメージを裏切らないウルトラヒーローや怪獣軍団の描写。

  いや~、たちまち虜になりました。

 

 まぁ、「従来のファンが持っているキャライメージを裏切らない」の部分に関しては、第1期マニアとかには「何言ってんだこいつ?」って感じで、受け入れられない意見かもしれませんが、

第3期世代の私としては、あの映画は「内山まもる先生のウルトラマン漫画」そのもので、正に

全く新しいイメージ と、

自分が子供の頃に夢中になったウルトラヒーローの世界 の、

同居、融合に他なりませんでした。

 

 ↓大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE

  記念すべき、坂本監督の日本での監督デビュー作。

 

 そしてその後の仮面ライダーや戦隊シリーズでの活躍。

 あっという間に、多くのファンを獲得し、日本でも人気監督になりましたね。

 

 で、私自身、当初は アクションの素晴らしさ に目を奪われていたのだけれど、改めて坂本監督の仕事ぶりを考えると、キャラクター描写の上手さ に感心させられる。

 アクション描写に関しては、坂本監督の来日以降、日本のスタッフも多くの方がその良いところを吸収していったので、全体的にレベルアップした感がある。(そのこと一つとっても、特撮ファンとして、坂本監督に感謝)

 だから、今の若いファンにGUYVER DARK HEROを観せても、当時、私が受けた程の衝撃は無いと思う。

 今の日本の特撮ヒーローアクション物は、これにほぼ追いついた感があるから。

 が、何しろ坂本監督は、

日本に来た最初の作品で

ウルトラマンゼロ

ウルトラマンベリアル

という2大キャラクターを生み出しているのである。

 正直、いまもって、並大抵の監督が真似できるレベルの仕事ではない。

 

 そんな監督の、インタビュー本。

560P という大ボリュームの本なのだが、ほぼ全ページが 文章 で、殆ど写真は無い。

 メイキングスチールとかも載っていると、ホント、良かったんだけどね。 

 

 そのぶ厚さと、坂本監督のもの凄いポジティブぶりが堪能できる1冊でした。