銀河旋風ブライガー その60(第16話「銀河の死美人」その1) | 無敵動画堂高田のブログ

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 先日ブログに載せたブライガーの顔、折角描いたので、清書して色を着けました。
 ブログの見た目を派手にするため、貼っておきます。
 
 何だかこのところ、萌え絵に対して、批判派と擁護派がえらい争っているようですが。
 そういった論争も、80年代におけるアニメ、漫画におけるエロ大躍進というか、爆発的勢力拡大が無ければ、起こりえなかった論争である。
 
 時代の転換点は、間違いなく、80年代前半にある。
 
 もちろん、70年代においても、マジンガーZの弓さやかの入浴シーンはあったし、コン・バトラーVのちずるのシャワーシーンもあったし、キューティーハニーという作品もあった。
 それ以前に、ハレンチ学園騒動なんてのもあったわけで。
 しかし、ハレンチ学園論争の頃と、現在……というか、80年代後半以降でのこのテの論争では、(まぁ、根本的な所では、同じ部分で争っているのだけれど)大きく異なっている部分がある。
 落としどころのライン、だ。
 現実的な対処として、どこに落としどころを持って行くのか? みたいな結論めいた話になると、当時より圧倒的に「エロ表現擁護派(あくまで便宜上の呼び名ですよ)」に、有利な落としどころになっているはず。
 なんか、オタクは社会から非難され続けている、負けているみたいな、被害者意識を持っている人に時々出くわすが、こと、このジャンル(性的表現)に関しては、オタクは過去、なんだかんだで勝利をおさめ続け、現在の状況を勝ち取ってきているのである。
(ホントに本格的な後退を余儀なくされたのは、宮崎事件直後位ではないだろうか)
 そしてその勝利の足掛かりとなったのが、上述の、
80年代におけるアニメ、漫画におけるエロ大躍進
であろう。
 この時期、一気に勢力を拡大することに成功したが故、その後、ある程度後退を余儀なくされる場面があったとしても、根本的なところで、勢力が弱まるような事態には陥っていない。
 なぜ、この時期、大躍進が起こったのか?
 ハレンチ学園騒動等を経て、制作者側も学習した? ファンも学習した?
 それもあるだろうけれど、性的表現を積極的に取り入れる、という点に関して、萌え要素、とかとは微妙に軸の違う、もう一つの強力な推進要素が存在した。
 
 アニメ=子供向け というイメージを払拭しよう
 そして
 性的表現を入れる=非子供番組的である
 よって、
 性的表現を積極的に取り入れていこう
という、考え方、制作嗜好だ。
 このアニメ=子供向け というイメージを払拭しよう、という流れは、完全に時代を掴んでおり、結果的にアニメにおける性表現の場を大きく開くことにつながった。
 この、非子供番組推しの流れが無ければ、まいっちんぐマチ子先生、ダッシュ勝平、うる星やつら、といった作品群が如何にヒットしようとも、(もちろん、これらが「(萌え)本流」ですが)ハレンチ学園騒動の時と同じように、ブームはやがて収束していったことでしょう。
 でも、この時は、
アニメ=子供向けという固定観念を打ち破ろう
 ~子供向けでは忌避される表現も積極的に取り入れていこう
  ~性的表現も取り入れていこう
という、雰囲気が、アニメ界全体にあったのだ。
 この流れが、そもそも普通にエロをエロとして、そして 萌え を好むアニメファンのニーズと合流し、大きな流れとなって、時代を切り開いた。
 
 まぁ、この流れは、「18禁アニメ」が誕生した時点で、ある種のゴールにたどり着き、そこからはエロ・萌えが独自に進化をしていく時代になり、非子供番組要素推し、という流れは、役目を終えてしまうが。
 
 
 で、ブライガーは、というと、間違いなく
非子供番組推しの流れに属する作品。
 番組でお色気シーンがあった、というだけでなく、当時はアニメ誌も積極的にそういったシーンを推しており、
 アニメージュの付録「銀河旋風ブライガーNOTES」では、
カラーでヒロインのお町を紹介している見開き2ページに使われている写真・
全19枚の内、
・キスシーンの写真が2枚
・シャワーシーンの写真が5枚
・ベッドシーンの写真が5枚
と、半分以上がお色気系のカットで構成されていたりする。
 子供向けロボットアニメで、非子供向けっぽいシーンがあるのだから、アニメ誌としては積極的に、そこは紹介していくべき要素だったのだ。
 
 で、今回のエピソード「銀河の死美人」であるが、犯人が性格異常者で、美女をはく製にして大量所有、という、なんだか江戸川乱歩作品的な回。
 当然、お色気度高し。
 今観ると、別に普通、と思われるかもしれないが、当時はやはり「ロボットアニメで、このネタ」はかなりぶっ飛んでいた。
 
 木星付近を航行中の小型宇宙艇が、奇妙なものを発見する。
 それは、美しく輝く、全裸の美女の遺体の群れであった。
 
 ……って、エロだの萌えだのの話を書いていたら長くなっちゃったよ!
 続きはまた今度!
(続く)