そしてあるいは、お町も。
アドルフが潜伏していると思われる、木星第7衛星に向かったJ9。
が、彼等を乗せたブライスターは突如何者かからの強力な磁力ビームに捕らわれ、不時着。
そして衛星上で彼等を出迎えたのは、アドルフその人であった。
お町「アドルフ……!」
アドルフ「マッチー……!」
久方ぶりの再会に、熱い抱擁を交わす二人。
二人の仲を知らぬキッド達はそのお町の様子に困惑するばかりだ。
お町「お互いに変わった様ね」
アドルフ「俺は変わっちゃいない。
変わったのは君の方だ。なぜこんな連中と馬鹿な真似をしている!?」
アイザック「アドルフ、一つだけ聞きたい。 我々を捕らえた妖しい光は、君が発したものだな?」
アドルフ「そうだ。ダングラールに雇われた殺し屋がこっちに向かったらしいという情報を得たのでね」
アイザック「確かに我々は、ダングラール氏の依頼で来た」
アドルフ「ジョルジュは事故で死んだんだ。 いくら説明してもダングラールは納得してくれなかった」
アイザック「事故と証明できるかな?」
アドルフ「仲間が証明してくれる」
アイザック「お前の仲間では信用できん」
お町「アイザック! アドルフは嘘を言う人じゃないわ……!」
アイザック「お町、君は黙っていろ」
お町「でも私は……!
アドルフの事を、知っているのよ!
貴方達の誰よりも!」
アイザック「黙っていろ! リーダーはこの私だ」
完全に、議論は平行線だ。
アドルフ「……俺と一緒に行こう……」
アドルフからの申し出に、お町は頷いた。
アイザックたちを置いて、去っていく二人。
キッド達には、それを止める術はなかった。
もちろん、アイザックとお町の対立は芝居で、お町を敵の懐に忍び込ませる為なのですが、
実際のところ、お町はどこまで芝居で、どこまで本気なのか? が、視聴者にも明快な答えが示されず、彼女の心を視聴者なりに解釈して楽しめるようになっているのが、今回の面白いところか。