劇場版「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film」
感想です。
思いっきりネタバレなので、そういうのが苦手な方は、スルーして下さい。
世界的な名探偵=エルロック・シャルメが来日。
彼の目的は異世界犯罪者集団・ギャングラーによる犯罪の撲滅と、快盗戦隊ルパンレンジャーの正体を暴くこと。
来日するやいなや、空港には多くの報道陣とファンが押し寄せるが、エルロックはその中に、自分を狙うギャングラー怪人が紛れ込んでいる事を看破。
早速その優れた推理力、観察力を見せつける。
さらにそこに快盗も登場。
警備をしていたパトレンジャー、エルロックを狙うギャングラー怪人=ウィルソン、ギャングラーのお宝を狙うルパンレンジャー の3者が入り乱れての大混戦。
が、そこには、ウィルソン以外にもう一人、ギャングラー怪人がいた。
その者の暗躍により、ルパンレッドとパトレン1号は、異世界=ギャングラーの世界へと連れ去られてしまう。
この危機的状況。
異世界から脱出できるまで、ルパンレッド=魁利は一時休戦をパトレン1号=圭一郎に申し出るが、圭一郎はその提案に素直に応じることは出来なかった。
果たして、魁利と圭一郎は、無事元の世界へ戻れるのであろうか?
面白かった!
夏の戦隊映画らしく、とにかく見せ場の連続で押し切るタイプの映画……ではあるが、何と言ってもルパンレッドとパトレン1号が共闘する、という大ネタがあるので、今回はドラマ的にも見ごたえがあった。
TVシリーズを観ていれば、「合理的に考えれば、共闘は当然だが、あっさりそれを承諾できない圭一郎の気持ち」は痛いほど解るので、実際の共闘は、ハードルが高かった分、燃える。
さらにそこに、元の世界へ戻る為、敵のボスのいる……いわば本陣=ドグラニオ邸への決死の潜入作戦、というシチュエーションも加わり、二人が力を合わせて脱出を目指すシーンは激燃え。
もう、これで十分面白かったのだが、さらにそこに、脱出寸前のところで、「今なら、ゴーシュのお宝を手に入れることが出来るかも……?」という状況になり、魁利の心が揺れる、というシーンまであるのだからたまらない。
あくまで、TVシリーズのファン向けではあるが、ドラマ的な見所がてんこ盛りであった。
そしてこの映画の良かったところは、あくまで戦隊夏映画らしく、
見せ場の連続で押し切るタイプの映画、という本分を忘れていない
ところ。
もう、冒頭のアクションシーンから、一気に引き込まれる。
いや、マジですごかった。
TVシリーズでも話題になっている超絶カメラワークも凄いし、それだけに頼っているのではなく、アイディアもてんこ盛りの素晴らしいOPアクション!
もちろん、その後のアクションシーンも見ごたえたっぷり。
CGとミニチュア(着ぐるみ)とが入り乱れる巨大戦もスピード感に溢れ、魅力的なシーンになっていた。
ルパンレンジャーのメンバーが融合合体してしまうのも、この後上映される仮面ライダービルドの映画の、ちょっとした前振りになっていて楽しい。
ただし、この映画には大きな弱点もあって。
普段からTVシリーズを観ているファン向けに作られていて、初見の人には、それ程面白さが伝わらない作りになっている。
そりゃ、ストーリー自体は、初見の人でも分かるし、「ああ、普段は対立している2大戦隊が、今回は手を結ぶっていう話なのね」という事も理解できるでしょう。
でも、合理的に考えて、「共闘」は当然なので、そこに躊躇する圭一郎は「アホ」にしか見えないだろうし、脱出直前にお宝に目を奪われる魁利も、かなり不思議な人物に思えるでしょう。
また、ドラマがこの二人の共闘にポイントを置いているので、エルロックの正体(もちろん、彼はギャングラー怪人である)などの部分は、あまりに単純で、まるで意外性、面白味のない筋立て、に見えてしまう事でしょう。
う~ん、30分クラスではなく、1時間クラスの作品にして欲しかったなぁ。
それなら、
快盗戦隊と警察戦隊のこれまでの関係性ももっと深く描けただろうし、
エルロックとの知略戦も、もっと「コンゲーム物」みたいに出来て、
面白さが倍増しただろうに。
いや、大好きな作品だからこそ、もっとファン層が広がって欲しいな~という所なのです。
大変面白かったです!!