ブログの見た目を派手にするため、貼っておきます。
(続き)
犯罪組織・ビーナスコネクションと、地球政府・金星開発局との癒着関係の証拠を収めたフィルムを取り戻すという依頼を受けたJ9.
ビーナスコネクションのみならず、ブライガーの前に立ちはだかるのは、金星の宇宙ポリス。
警察も、犯罪組織であるビーナスコネクションとグルなのだ。
警察の追撃を振り切り、地球で待っている依頼人・ベルチの元へ赴くJ9。
しかし、潜伏先である古城は何者かに襲撃され、J9が辿り着いた時は、
既にベルチは還らぬ人となっていた。
敵の襲撃を予感していたベルチは、告発をビデオに収め、それをポンチョに託していた。
J9が手に入れた証拠フィルムと併せれば、犯罪組織と繋がっている政府役人達を摘発することもできる、筈……?
キッド「どう思う? アイザック……」
お町「ここまで手が回ってるんじゃ、 地球のどのTV局に持って行こうが、
結局途中でもみ消される運命みたいね」
アイザック「私に考えがある。死者へのはなむけに、もう一肌脱ごう」
アイザックが頼ったのは、海賊放送局を営んでいる、ラスプーチンという男であった。
アイザック「君に危険が及ばぬ限り、放映してくれないか」
アイザックの依頼を受けたラスプーチン。
が、折角の放送も、ベルチの告発の後、
肝心の証拠フィルムの部分の放送が始まる辺りで、
強力な妨害電波により、
全く見れない状態にされてしまった。
ボウィー「これじゃなんもならないよ。真実を暴く。正義だのって。
これじゃベルチさんいい面の皮。ピエロもいいとこじゃん」
お町「ボウィー、正義がいつも勝つとは限らないのよ」
ボウィー「ああ~、そういう言い方嫌いだね」
お町だけではない。一同の、達観した態度にくさってみせるボウィー。
ボウィー「やだね~、ご立派ですよ皆さん。
情け無用のJ9とは、よく言ったもんですよ、ホント!」
キッド「400万ボールに飛びついて、仕事をする気になったのはどこの誰でしたっけねぇ?」
そう、ベルチの依頼内容を聞いて義憤にかられたわけではなく、
大金に目がくらんで仕事にノリ気になっていたのは……ボウィー一人だけ。
そこを突かれると、ボウィーも弱い。
が、なんと400万ボールの依頼料は、
海賊放送の電波料で、
ほとんどがパァ。
今回の手取りは、一人あたり、たったの200ボールだった。
キッド「正義と真実は、お金のかかるものなのさ」
真実も
正義も夢も
金次第
そんな風には思いたかないが
なぜか寂しい人の世に
せめて見せたい意地がある
コズモレンジャーJ9
お呼びとあらば即参上
J9もブライガーも、無敵であるが、結局はそれだけ。
本当の巨悪に立ち向かう力は、ない。
会話の明るさで、いたずらに作品ムードが暗くなりすぎないようにはしているが、なんとも無常観の漂うエピソードである。
スタッフの狙い通りに。
第3話にして、ようやく、敵の描写がしっかりとしてきました。
と同時に、これは従来のロボットアニメに見られるような
・暴力により、権力を手に入れようとするもの(侵略軍含む)
ではなく、
・現代を生きる我々の世界と同じく(笑)、既に権力と結びついた巨悪
であることが示される。
繰り返しますが
現代を生きる我々の世界と同じく
です。
そんなものに、たかが「正義のヒーロー」なんて存在が、
勝てるわけがないじゃない!
この無常感も、ブライガーの魅力の一つであり、当時のアニメファンの嗜好とも合致していた。
J9シリーズとしては、
2作目のバクシンガーではより磨きがかかり、ほぼ全滅エンドという欝展開に
そして逆に3作目のサスライガーにおいては、アウトローたちが強大な権力を持つ巨悪をぶっ潰す壮快感を重視した作風となる。
当時のアニメファンの嗜好にあっていたのは、ブライガー、バクシンガーの作風だと思う。
今のアニメファンにJ9シリーズを見せたら、どうなんだろう?
案外、サスライガーの壮快感の方が、現在のアニメファンの嗜好には合うような気もするが……?