高原山 -357ページ目

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (23)

 中曽根康弘政権の後、自民党を支配したのは竹下派だった。その竹下派を資金面と人事
面で支配していたのが金丸信であり、その子分の小沢一郎は金丸信の代行として恐れられ
ていた。宮澤喜一が総理大臣になれたのも、小沢一郎の面接を通過し、小沢一郎が選んだ
といわれている。竹下登と小沢一郎の権力闘争があった。九二年十月、金丸信が議員を辞
職して竹下派の会長を辞任すると会長ポストをめぐって対立は露呈した。反小沢派は野中
公務を先頭に決死の覚悟で小渕恵三を会長に選出することに成功した。自民党竹下派は小
渕派と小沢・羽田グループに分裂した。小沢・羽田グループは「改革フォーラム」を設立。
待つ間、竹中平蔵は頭脳で九十年代を精査していた。常に頭脳を回転させておくことを彼
は沈黙の兵器から学んでいた。教訓だった。それが下流B層愚民との違いだった。

 九三年の正月、小沢一郎は工作員から三月になったら金丸信が東京地検特捜部に十八億
五〇〇〇万円の巨額脱税容疑で逮捕されるという情報をもらった。工作員の指示は新党つ
くりを急げとのことだった。小沢一郎は東京地検特捜部によって安全が保障されていた。
金丸が逮捕されても小沢一郎にまで飛び火することはないという確約である。米国政府は
健全なる野党構築を望んでいた。小沢一郎の仕事は自民党を割って新党を形成することだ
った。日本のマスゴミが「新党ブーム」を巻き起こすと工作員は約束してくれた。すでに
細川護熙は九二年五月発売六月号の文藝春秋に「新党結成宣言」を掲載し、日本新党を結
成していた。新党ブームをマスゴミが煽動していた。新党日本は九二年七月の参議院選挙
で比例区から四名を当選させた。続く九三年六月の都議選では二十名が当選している。マ
スゴミによる「新党ブーム」は確実に成果を上げていた。「新党ブーム」は小沢一郎への
援護射撃でもあった。日本のマスゴミは占領時代から米国大統領府が管理コントロールし
ていた。下流B層愚民は日本が独立していると錯覚していた。

 東京地検特捜部による金丸信の巨額脱税容疑逮捕は工作員の情報通り、三月六日だった。
金丸という悪役がさらに新党ブームに拍車をかけた。善人と悪役という二項対立現象は観
客である国民にとってわかりやすい演出だった。もちろん小沢一郎は悪役から善人へと配
役されていった。六月二十二日、小沢一郎は工作員への約束通り、羽田とともに自民党を
離党し、翌日「新生党」を結成した。九三年六月での都議選で新党日本をいきなり二十名
当選させたマスゴミの「新党煽動」は大勝利した。次は七月の衆議院総選挙だった。新生
党の基本政策は金丸スキャンダル政治汚職への憤激と政治改革の要望を、選挙制度をいじ
くることに歪曲することだった。新生党は「小選挙区制比例代表並立制の導入」を基本政
策にした。小選挙区制度の導入は七十年代前半から米国大統領府が日本に要求していた。
田中角栄が米国の指示により導入しようとしたが頓挫した代物だった。小選挙区制度は小
沢一郎が代理人になったとき工作員に確約したことだった。総選挙で新生党は五十五名当
選する。新党日本は三十五名当選した。新党は社会党の票を分捕って躍進した。選挙前に
工作員の指示通り、小沢一郎は新生党・社会党・公明党・民社党・社民連による「非自民
・非共産の連立政権樹立」の党首合意を実現していた。選挙後は新党日本と新党さきがけ
との合意だった。

 工作員から小沢一郎に指示が来た。「細川護熙を総理大臣にしろ」宮沢政権は総辞職し
て細川護熙政権が誕生した。細川政権は九四年一月「小選挙区制比例代表並立制の導入」
と「政党助成金制度の導入」を柱とした「政治改革法案」を成立させた。政党は国家が管
理コントロールできる代物となった。日本国家の宗主国は米国であったから米国大統領府
が日本の政党を管理コントロールできるようになった。そして政治状況はマスゴミによっ
て形成可能になった。それが「政治改革法」の偉大なる勝利だった。小沢一郎の仕事は成
功した。工作員からの次の指示は、更なる「政界再編」だった。新党をつくっては解党し
また新党をつくっては解党する混乱戦術の適用だった。これで国民はますます政治意識が
混乱し主体性が剥奪され政治勢力形成能力が無力化されてしまった。小沢一郎の新党・解
党の戦術は国民から政治の主体をマスゴミに転位することに成功した。マスゴミは情報操
作によって政治状況を形成することが可能になった。これが九十年代だった。そしてマス
ゴミの情報操作と反復する喧騒戦術によって結城純一郎が二十一世紀に登場してきたので
ある。国家生活党の政権奪取はマスゴミによって成功したのではないか? と竹中平蔵は
密室の謀議ルームで思考していた。

 しかし……と竹中平蔵は反問した。日本のマスゴミは米国大統領府が管理コントロール
していたのに、何故に「反米」である国家生活党を政権につかせたのか? それが理解不
能だった。米国の支配層が何をしようとしているか? それは単純ではなく複雑な回路で
しか読みきれない……やはり噂どおり「多極化路線」が進行しているのかもしれないと竹
中平蔵は不安になった。米国支配層の上部には国際社会の支配層がいる。その上部には三
百人委員会がある。その上部には三十人委員会がある。その上部には三人委員会がある。
その上部には……これが悪無限の666ピラミッド構造だった。世界支配の上部に現有す
るという「サンヘドリン」は旧約聖書にも登場している。「多極化路線」は米国の一極支
配から多極支配へと転換する国際社会の路線だった。バブル経済を仕掛けその国の富を全
て収奪して持って行くのが国際金融動物であるが、国際社会はその国際金融動物が管理コ
ントロールしていた。ゴールドマン・セックス会長のヘンリー・ポールソンはまだやって
来ない。

「おれは用済みとして消されるかもしれない」そのような不安が竹中平蔵の神経回路によ
ぎった。一瞬の電気が作動したかのようだった。いや、おれはこの密室の謀議ルームでひ
たすら忍耐を試されているのだろうと竹中平蔵は不安電気を打ち消した。日本を米国の新
たななる州として合体させることは、国際社会にとって必要であることは666ピラミッ
ド支配構造にとって必須の実現課題であることは明白だった。反米政権党の国家生活党大
会が開催されている九段会館を爆破し、幹部と代議員もろとも虐殺することは、911テ
ロで成功した米国大統領府工作員からの指示だった。合衆国統一党は国家生活党大会爆破
のために全力をあげてきたのである。その戦術は国家青年同盟が占拠している永田町の自
民党本部も同時多発として爆破することにあった。ヘンリー・ポールソン会長から爆破の
件に待ったがかかったのは、マスゴミ対策に手間取っているのかもしれないと竹中平蔵は
推理した。しかし日本マスゴミは九十年代から「ほめ殺し」報道が伝統になっているはず
だった。国家生活党をほめあげもちあげ、あとから叩き落とすことは想定内だった。九段
会館と自民党本部を爆破した犯人は国家生活党員でありテロ事件の理由は党内権力闘争に
することで工作員と話はついていた。米国代理機関の東京地検特捜部とも密室の謀議を重
ねてきた。事件の後はマスゴミが自己解釈自己完結の物語を連日報道し、国民がそろそろ
厭きたころに収束するはずだった。国家生活党はエピソードになるプログラムだった。九
十年代から国民は仮想現実メディア身体として愛情訓練され列島ドーム内で飼育されてき
た。人間とはすでにプログラムへと生成していた。二十一世紀人間の母こそ巨大クモの姿
に変貌したママンであると竹中平蔵は思っていた。

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (24)

 竹中平蔵は革のカバンからA四ペーパーを取り出した。そして読み出した。空いた時間
は、思考するか何かを読んでいるのが竹中平蔵の習性だった。

【映像と表層・最後の人間 世界同時基調色の現在と今後の予測】

     【世界同時基調色の現在と今後の予測】

 アメリカ新大統領に当選したクリントン戦略のキーワード色は青系統の色であった。そ
れは彼らの勝利宣言集会をおもいだせばよい。クリントン氏・ゴア氏両人とも、いずれも
濃紺のコスチュームであり、弁護士のヒスラー夫人にいたっては、鮮やかなコバルト・ブ
ルーだったのである。日本においても現在、青系統の印刷インクが大量に使用されている。
工場の生産が追いつかないそうである。

 注目すべきは、ゴア氏夫人のコスチュームであった。その色は明るいピンク色であり、
世界同時基調色の現在と今後の予測を妄想するキーワードになった。さらに注目すべき色
が、その勝利宣言集会では表出していた。選挙参謀ジエームズ・カービルは明るいグリー
ンのジャンパーを着ていた。

 世界同時的表層空間の基調色は青緑色であり、それはおそらく一九九五年まで続くであ
ろう。一九九五年以降は赤を基調とした赤茶系統の色になるはずである。現在アメリカン
哲学はヘーゲルをよびだしマルクスさえもよびだそうとしているらしい。人類の階級と階
層は固定化され、世界資本主義の構造的矛盾は、有限的な地球資源の限界と、産業革命以
降のエネルギー消費の爆発とその展開に規定されて、人間の場所は喪失し荒廃しつつある。
遠藤彰子展のエピローグに表出されていたのは、燃える居住空間であった。われわれは今、
凶暴的でむきだしの空間へと向かっている。

 このような対決構造による世界はただ、テキスト存在しか生き残れない。マルクスのテ
キストは再度、アメリカから復活するだろう。八十年代黒の基調色は、とうに過ぎ去って
いるのである。ゴア夫人のコスチュームである赤系統色は、コバルト・ブルーと濃紺の全
面的展開の後に流行色となるはずである。それは一九九五年以降の空間を予測する。

 もはや世界同時的空間の色彩はこの一九九二年八月において、動的中心はダイナミック
に移動してしまったのだ。色彩と人間、その関係性とは何か? 女の動物的本能はある時
代を飛び越すことがある。それは女の身体官能構造が宇宙と連結・連動しているからだろ
う。男の動物的本能を鍛えるためには、おのれの地獄と孤独・創造的破壊の性的人間とし
て、現代の恐るべき表層空間と格闘するしかない。社会関係性にしか存立できない男はだ
だ社会によってしか訓練されないからである。

「青緑色から赤茶色へ」これが一九九五年以降のキーワードであった。しかしその色の形
態は自然色ではない。古代以来、人間が扱ってきた色彩は第2自然としての加工物質であ
った。鉱物から金属を抽出し、銅・鉄を加工してきた人間は、植物のエキスを抽出し色彩
も加工してきたのである。また粘土をこねくりまわし、それを高温で焼くことによって器
を加工してきたのである。

 第一自然の源態から第二自然へと加工し変貌させる者、それが人間である。色彩と人間
の関係とは、物質と人間の関係のことに他ならない。小学生の頃、源頼朝がたちよった
という、故郷の神社で、夏休みよく遊んだ。本堂の建物の壁には地獄絵が一面に描かれて
いた。それは北関東の荒々しい風土とよく合っていた。子どもは、恐れながらそれを「こ
れは鬼だんべえ。人間が食われていらあ。それにしても、おっかねえなあ」それはガキ愚
連隊にとって、理解不能の他者存在であった。古い木造建築の威厳がある壁。そこにかす
れながら描かれていた赤茶色の火。死そのものの畏怖。やがてガキ愚連隊はその神社で
「鬼ごっこ」して遊ぶのである。畏怖の場所でいつもガキ愚連隊は遊んでいた。物質と人
間の関係をこどもは遊びの冒険の過程で身体訓練していく。

 その地獄絵はおそらく鎌倉時代に描かれたものであろか?鎌倉時代は京都というそれま
での日本の政治・経済・文化に対して、創造的破壊を試みた特異な空間であったと思う。
京都の貴族政治はつねに高度戦略を発動しながら、鎌倉という場所を潰そうとしていたの
である。鎌倉はつねにゆらぎのまっただなかにあった。こうした二重権力の裂け目から、
鎌倉仏教に集約される民衆思想と民衆美術は誕生する。鈴木大拙「日本的霊精」によれば、
平家と源氏による徹底した内戦が、民衆にはじめて内省と省察をもたらし、鎌倉仏教を表
出したと説明されている。

「ゆらぎ」そのものは、民衆の試行と芸術を表出する。日本が誕生した七世紀の東アジア
もダイナミックにゆらいでいたが、鎌倉時代もユーラシア大陸ではチンギス・ハーンによ
って統一されたモンゴル騎馬軍団が、ヨーロッパ・ロシア・インドイスラム・アラブに
「すべての都市文明を草原にもどしてやる」と襲いかかり、世界帝国のエネルギー生成過
程にあった。この時代の世界同時的基調色と動的中心は東アジア・モンゴル草原にあった。
 この時代ヨーロッパは四人に一人は死んだという「死の舞踏」としてあるペスト地獄絵
に突入しつつあった。場所と場所の連結・連動として生成する人類史は同時性がある。鎌
倉時代の地獄絵はまたヨーロッパ民衆の空間でもあったのである。やがてキリスト教・ヨ
ーロッパはペストとの死闘に打ち勝ち、イタリア・ルネサンスを表出していく。こうして
ヨーロッパ絵画の源態は平面知覚から空間知覚へと飛躍していくのである。おのれの世界
が滅亡してしまうかもしれない地獄の試練は、古代ギリシア哲学・美術の再発見に向かい、
テキスト存在との対話は、おのれが立つ空間を見据えるという他者存在を前提とする人間
の誕生でもある。

 人間の精神その基底には、ある色彩トーンが存在している。日本的精神の基底にある色
彩トーンは木工としての茶色系統であろう。ヨーロッパ精神の基底のある色彩トーンは石
工としてある白灰系統ではないかと思える。われわれの日常をとりまく色彩は、通貨のよ
うに生活に一体化しているが、色彩は通貨が誕生する前に存在していた。おそらく人類は
色彩知覚を、第一自然を加工し第二自然を創造する過程において、言語とともに生成させ
ていったのであろう。

 色彩とは物質と人間の関係であり、おのれの世界が滅びてしまうかもしれないという地
獄絵を表出した鎌倉時代、それに場所として世界同時的に、連結連動していた。ヨーロッ
パ・ペストの死闘の時代。しかしその後の展開は、いかにその地獄絵をある共同体の人間
がくぐり抜けたのかで決定される。

 やがて大航海時代によって新大陸を発見し、世界の円環を形成させた西ヨーロッパ遺伝
子のパワーは、まちがいなくペストとの死闘によって源態から飛躍を遂げた。それまでヨ
ーロッパは世界の周辺であり、文化形態も遅れた貧困な地域であった。古代ギリシア文明
とローマ帝国の遺産を引き継いだのは、ローマ帝国の雇兵としての部族であり、その内部
でエネルギーを蓄積し、やがて西ローマ帝国を滅ぼしたヨーロッパ。その遺産を引き継い
だのはユダヤ民族であり、イスラム帝国であった。ヨーロッパが引き継いだのはキリスト
教であった。そのシンボルとして十字架は、部族戦争と体力のみで生き抜いてきた彼らの
パワーの象徴。

 その十字架に吊るされた処刑されているキリスト像は、ヨーロッパ部族精神の戦闘的精
神としての基層を、ある意味で隠ぺいするために、西ローマ帝国を滅亡させた後に制度化
された。ヨーロッパが今日の世界史を制覇するまで、どれほどの固有の文明を滅ぼしてき
たかを思い出せば、彼らの戦闘精神のパワーに驚嘆してしまう。

 まず西ローマ帝国を滅亡させた彼らは新た成る敵を発見するまで、停滞している。7世
紀のイスラムパワーの登場まで、彼らは貧困な土地を改良していた。この時期はまさに飢
えとの闘争であり、おのれの遺伝子を絶やさぬ為、人肉さえも喰っていた。彼らの貧困な
土地に比べれば「島」としての日本は森林と豊富な水量に恵まれた豊かな土地だ。それゆ
えに弥生人とよばれるユーラシア大陸の騎馬民族は移住してきた。

 彼らヨーロッパ戦闘精神は強大な敵を発見したときに、エネルギーは根源から呼び起こ
される。十字軍を遠征させた、長期に渡るイスラムとの戦争は、彼らにギリシア文明の発
見をうながした。他者との闘争をとうし他者から学ぶことこそ彼らの主体形成。H・R・
ギーガーの「ネクロノミコン」は、こうしたヨーロッパ精神の遺伝子、根源としての基層
をテキスト存在として表出した。それは未来を暗示させる空間であると同時に、ヨーロッ
パを誕生させた古代へと帰還する。

 おそらくイタリア・ルネサンスはイスラムという他者が存在せねば表出しなかったし、
モンゴル騎馬軍団の地中海遠征を挫折させたのはイスラム軍であった。イスラム軍が東ア
ジア騎馬軍団によって壊滅させられていたのなら、ヨーロッパは、ロシアのごとくモンゴ
ルの頚木を打たれていた。

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (25)

  色彩が物質と人間の関係であるということは、同時に固有の場所をめぐる、共同
体と共同体の戦争も含めた交通関係その世界史的な場所と人間の営み、その空間の記録に
存在している。いったい地球を発見し、世界を制覇したヨーロッパ精神と文化形態、芸術
形態とは何か? 他者存在としてのヨーロッパとは、どういう遺伝子なのだろう?

 色彩とはある共同体と共同体の交通関係である。シルクロードとは色彩の道。すでに7
世紀唐帝国はビサンチン・東ローマ帝国と交通関係にあった。東ローマ帝国には多くのラ
クダが、遥か遠い中央アジアの砂漠に想いをよせて、たっていた。かつて誇れる冒険者と
しての商人達が命がけで切り開いた通商ルートこそ、芸術生成の表層空間である。一時期
深層にある思い入れをもって、表層空間を侮蔑する人々が存在しましたが、表層こそ思考
すべきテキスト存在である。

 古代は私たちにとって、他者としての表層空間。他者と表層。他者とは自己同一生活と、
おのれの深層にレイプされてしまった国家神学体系から、異質な者として排斥されてしま
う存在であり、すでにメデイア・レイプとして、制度化されている日本的市民社会のサブ
・テキスト形態からは理解できぬ人間とその空間を、他者と呼ぶ。

 さらに表層とは、人間関係が激突する、矛盾と矛盾が衝突し、そこで人間は打倒され、
傷ついてしまう場所としての空間。その場所こそまさに人間の現場。日本システムの批評
装置は、ほぼ壊滅しつつある。それは場所性の喪失。表現者がテキスト存在として表出す
る世界を受けとめることができず、対話・対決するベクトルなき、消費の純愛はすでに、
新生活・新感性・おいしい知の戦略なるものが、壮大なゼロとして内部から否定されてい
るのが現在。まさに気分に過ぎなかった芸術のステーテスの構造は形骸化されてしまった。
夢の残骸として残ったのは、身体のむくろたる骸骨。

 他者としてのヨーロッパ。近代民族国家の枠組みを創造的破壊するパワーは、やはりヨ
ーロッパの古代基層に存在する。何故、西ローマ帝国を滅ぼした彼らは、その帝国文化を
破壊しキリスト教のみを継承したのか?

 その理由は明解。キリストはローマ軍に精神的レジスタンスとして抗拒し、孤立無縁で
処刑された勇気ある英雄として、ローマ帝国の植民地であったヨーロッパの戦闘精神は受
け入れた。キリストはまさにローマ軍による植民地政策、その腐敗がもたらした精神構造
に、たったひとりの倫理革命者として、立ち向かって行った。キリストは新しい人間像、
あるべき正義にみちた共同体倫理をテキスト存在として、ローマ軍の植民地政策その圧制
と抑圧に苦しんでいた民衆に指し示して行った。

 ヨーロッパもまた蛮族と帝国から呼ばれ、蛮族がすむ場所と呼ばれ、長期に渡りローマ
軍に支配されてきた。なんとかこの支配から解放されたいと、ローマ帝国軍と闘争してき
た。植民地収奪によって成立しているローマ帝国文化は彼らにとって、軽蔑すべき腐敗形
態だった。ヨーロッパが西ローマ帝国を滅ぼしたとき、すべてを破壊したのは正当な理由
があった。キリスト教は、ヨーロッパの試練を根源的にささえる心的エネルギーとして生
成した。ヨーロッパ芸術とキリスト教は切り離すことなど、できないばかりでなく、根源
的な関係である。

 和辻哲朗「風土」よると、ヨーロッパの土地は改良しやすかった。それゆえ彼らは自然
の脅威を恐れることなく、世界の土地をわがものにできると考え、世界を植民地にするこ
とができた、こう説明しているが、まったくその逆なのだ。原始ヨーロッパの土地は氷河
期によって規定され、石ころの土地だった。それゆえにヨーロッパ精神の基層たる石工の
色彩トーンは誕生した。埋まっている膨大な石ころを取り除きながら、ヨーロッパ民衆は
土地を、気がながくなる時間をかけて改良して行った。深層とはまさにこうした表層空間
の格闘の上に蓄積されて行く。

 和辻哲朗「風土」はただ日本的精神風土に光景を回収した。それは他者を理解すること
ではなく、おのれのアトミズムに盆栽のごとく生成させたのかもしれない。しかしもはや
日本的回収形態そのサブ・テキスト生成に、終わりがきたことはまちがいない。キリスト
教・ヨーロッパ・アメリカは、いつまでもすべてのテキストを隠す日本マフイア政治経済
システムの、膨大な黒字構造を見過ごしたままにしてはおかない。システムにテキスト存
在としてのポリシーと理念が崩壊していれば、システムはおのずから死滅していく。

 仮想現実の色彩。それが突然としてわれわれの生活空間に飛び込んできたのは、一九九
二年一月十七日。いうまでもなく湾岸戦争のUSA軍が全世界を衝撃に陥れたバグダット
空爆。

 いったい仮想現実の色彩とは、はたしてなんだろう? 黒い闇にイミテーションのごと
く表出した、あのバクダット空爆の色彩、その青緑色こそ、メディア・レイプ、あるいは
身体知覚のボーダレスとしての、仮想現実の色彩である。それは同時に人類がいまだ森林
の樹木の上で、蛇や,は虫類に脅かされながら生活していた人類誕生以前の色彩知覚を、
仮想現実は呼び起こす。人類の始源的な遺伝子を呼出し、こうして最後の人間は、これま
での人間というフレームを、仮想現実が眠っていた遺伝子を現在に呼び出したことにより、
解体されていく。それはまさに不気味な渦を巻く青緑色の沼である。

 最後の人間が夜間透視機器をつけて不気味に笑っている、映像は黒い闇に浮かび上がる
青緑色の光景。映画「羊たちの沈黙」の基調色は、バクダット空爆と十万人のイラク兵士
を埋め殺した陸上戦の基調色と連結・連動していた。こうしてUSA新大統領クリントン
戦略の基調色たる青緑色が、いかなる現代世界を生成させるのかを、予測することは可能
となる。
 それはおそらく、レーガン・ブッシュと続いた共和党戦略よりも、現代世界を挑発と不
安・動乱にたたき込むことは間違いない。ケネディはベトナム戦争とキューバ革命によっ
て泥沼にはまり込んだ、USA内部のクーデターによって暗殺された。クリントン戦略が
その二の舞を踏むとは思いませんが、USAの強力な支配圏にある中南米と南アメリカの
動的中心は、古代の遺伝子が覚醒しあらたなる創造的混沌へと移動する。そのときクリン
トン戦略は世界との共存を選択するより、USA第一主義を唱えることは間違いない。

 世界同時基調色の青緑色とは、冬の澄んだ青空ではなく、沼であり海の不気味な色。さ
らに仮想現実システムとは、やっかいな人間を忘れさせてくれる快楽の構造にあり、不均
衡・不安定の表層空間によって生成する。それは人間のアトミズムとナルシズムをくすぐ
るが、通貨のように、わが手のぬくもりからすぐ離れて行く。われわれが日常使用してい
る通貨こそ、仮想現実のもっとも典型的な形態である。その紙っぺらはただ、あるシステ
ムの神話によってのみ維持されているにすぎない。国家通貨の色彩とは、われわれの深層
に埋め込まれた仮想現実なのだ。ゆえに仮想現実は数字言語によって人間を取り込み呪縛
する。数字言語は人間を経済動物として生成する。世界的同時基調色とは仮想現実であり
最後の人間が仮想現実の色彩から動物として登場する。映像と表層には額に数字を埋め込
めれた怪物が雄叫びをあげている。最後の人間こそは映像と表層に現出する。映像よりの
色彩と音は人間のバランス感覚を管理コントロールできる。

 こうして最後の人間は民衆を目潰しにして感覚を支配する。世界を不安定と不均衡にし
てこそ民衆はバランス感覚を求めマスメディアに貫通されたメディア人間へと変貌する。
おのれの感覚を媒体に委託した身体である。こうして民衆は無力化される。もはや民衆の
現実感覚は映像と表層において培養されている。これも最後の人間身体である。最後の人
間が最後の人間によって培養される仮想現実こそ映像と表層最後の人間の概念である。こ
こから逃亡できる人間は絶望する人間のみである。階級と階層は固定化され下層はひたす
ら仮想現実感覚の夢のドームに飼育され、そこに躍動的な身体感覚はすでに剥奪されてい
る。躍動的な現実は自己実現能力を展開できる上層身体のみである。ここにおける階級闘
争とはイデオロギー闘争ではなく身体感覚をめぐる闘争となり、現実感覚をめぐる闘争と
なる。

 最後の人間によって金融工学的に捏造された世界から脱出できるのは、絶望する人間と
逃亡者のみの個人である。世界帝国による仮想現実とそこから逃亡する身体感覚をめぐる
個人の攻防こそが映像と表層、最後の人間による情報戦となる。その情報戦とは身体感覚
による仮想現実と現実をめぐる攻防環境にあり、やがて現実は仮想現実によって操作され
ていくだろう。現代世界は茶褐色と青緑色の沼である。青緑色の仮想現実と茶褐色の現実。
下層と仮想の連関。もはや下層に解放区は存在できるのだろうか?

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (26)

 読み終えて、映像と表層・最後の人間とは一九九二年十一月に書かれたこの怪文書のよ
うに二十一世紀の九月に登場したのだと竹中平蔵は思った。それが911同時多発テロだ
った。ニューヨーク国際貿易センターのツイン摩天楼に飛行機が激突した。ワシントンD
Cのペンタゴンに飛行機は激突した。合計三機の飛行機が激突し四機目の飛行機が打ち落
とされた。いったい911とは何であったのか? 真相は解明されていない。全世界は米
国大統領府が宣言したようにイスラム過激派のビンラディンとアルカイダによる犯行であ
ると刷り込まれた。情報管理とコントロールの下に棲息するのが二十一世紀のあり方だっ
た。竹中平蔵はアメリカ合衆国が恐ろしい国であることを知覚していた。アメリカ合衆国
には軍産複合体による闇の政府が存在する。この闇の政府には誰も逆らえなかった。日本
が二十一世紀に生存する道はアメリカ合衆国と合体するしかないと竹中平蔵は確信してい
た。

 国家生活党の政策である反米国際協働路線の熊野機構などを推進すれば、「ならず者国
家」として規定され、米軍とイギリス軍を主軸にした国際社会の多国籍軍によって日本が
イラクのように壊滅され無政府状態にされてしまうだろう。全世界を無政府状態にするこ
とに米国大領府の「民主化」路線であることは間違いないと竹中平蔵は思っていた。日本
が生存する道は米国大統領府による日本への「年次改革要望書」を忠実に実現していくし
なかった。

 日本は米国財政を支える労働力国家として生存するしなないと竹中平蔵は確信していた。
合衆国統一党の長期政策こそが二十一世紀日本の大道であり、人間的あまりに人間的な指
針であると竹中平蔵は思った。国家生活党の「日本全国民はヒューマノイドへの転換によ
って二十一世紀を生存できる」などは非人間への道であり、世界経済をヒューマノイド経
済へと積極的に変貌させる国家生活党の世界戦略など、自分が人間であると信頼している
人類社会が容赦するはずがなかった。この地球社会を支配している人間的な西欧文明に反
抗し、非人間への脱皮を図る国家生活党の長期政策は非現実的な夢想であると竹中平蔵は
思っていた。国家生活党大会を爆破し、一瞬において彼らを消却するのは人類の正義だっ
た。ゴールドマン・セックス会長はまだ密室の謀議ルームにやって来ない。おれはいつま
で待たされるのだろうと竹中平蔵はまたしても不安になった。

 【映像と表層・最後の人間 世界同時基調色の現在と今後の予測】をカバンにしまい、
竹中平蔵は次に読むべき怪文書を取り出した。

【六芒星は、上昇▽は天を、下降△は地を表示するシンボル】

 ピラミッドは天ではなく地を表示していた。ユダヤ教のエネルギー母胎とは地である。
ユダヤ教は五千年の歴史と対話し、古代からの智恵を集積している。ゆえに天才を現出さ
せるシステムが起動している。さらには、神官がさまざまな帝国興亡を記録してきた。帝
国興亡とは人間の欲望と死。人間ばなれした非人間の冷徹なリアリズムこそユダヤ教の宇
宙唯一の孤独存在である666。二千年年くらいの歴史しかない「天」を表示するキリス
ト教からはユダヤ教を理解することはできない。人間は「天」に住んでいるのではなく
「地」に住んでいる。「天」と「地」をシンクロとして表示する六芒星は、時間を刻印し
ている。

 666はまさに謙虚なアジアが世界戦争に参入すべく挑発を仕掛けている。パキスタン
により、インドが挑発される。そして中国も中央アジアと東アジアの両面から挑発される。
中国内陸において暴動が勃発する。これが引きがねになり「街頭は世界へと接続している」
暴動事態が世界事象として世界各地に現出する。「中国の街頭広場から世界の街頭は怒涛
へと伝播する」この格言が反復する。

 東欧共産主義政権はなだれをうって崩壊していった。「巨万民衆が街頭へと」押し寄せ
るた一九八九年事態の反復こそ街頭の意味。666は世界各地における無政府主義情況の
創出を仕込んでいる。韓国も街頭から無政府主義へと叩き落とされる。

 ネオコン(イスラエル=キリスト原理主義)が911からアフガニスタン侵略戦争そし
てイラク侵略戦争を起動させましたのは、無政府主義の創出。彼らはハルマゲドンの早期
到来を望んでいる。ハルマゲドンの到来のためには、アメリカ合衆国を潰しても「大イス
ラエル」の建国が、なににおいても優先される。

 アメリカ合衆国それ自体の政治・経済・社会を崩壊させる戦略目標はすでに「静かなる
沈黙の兵器」におきまして、プログラムが開示されている。そこにおいて個人はどう生き
延びるのか?これが現在の思想的課題。

 個人が生存するためには世界支配構造の「奥の院」を洞察する必要がある。快適生活に
洗脳された人間ではなく不快の動物であっても、動物的感覚で古代からの「奥の院」生成
を洞察する。おのれが生存するこの世界への危機感が皆無な動物は、危険な獣道を回避す
ることはできない。911以前の世界と以後の世界は全く仕様が違うシステムプログラム
が起動し展開されている。

 日本とはすでに国際金融経済システムにおいて「地域」範囲である。フランスやドイツ
・イタリアがEU経済の地域であるように「民族国家」それ自体の枠はすでに解体されて
いる。666は何故、巨万の民衆を扇動して東欧・ソ連共産主義政権を覆したのか。それ
は国家を解体するためであった。グロバール金融動物が支配するプログラムへと世界を再
編するため。

 666が中国の走資共産主義政権を解体しなかったのは、ただひとつの理由。十億人の
中国を統制できるのは古代以来、強力な独裁政権のみ。広大な中国を統制するためには九
十%のエネルギーを使う必要がある。民主主義政権などでは統治できない。

 ロシアにおいても、無名のプーチンを666が政権につかせたのは、広大なロシアを統
制するためには、治安弾圧のプロこそふさわしいと666が再学習したからです。ロシア
も独裁政権でないと統治できない。民主主義政権では失敗してしまう。

 つまり666が仕込んだ一九八九年以後の世界における国家とは、その地域を管理する
ためにある。中国共産党政権もプーチン政権も666から地域管理を委託されている。
 それは自民党政権も同様。日本地域の管理を委託され、自民党は「日本売却」を666
戦略の指示通り、推進している。666の期待通り「靖国参拝」などで、東アジアに緊張
を創出させている。

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (27)

「国家」とはインターナショナル666の支部機関。ゆえに日本とは国家ではなく個人に
おいてしか存在しない。「日本を思う」その思いの内在にしか存在していない。すでに日
本とは古代からの神社・仏閣・そして個人の「思いのエネルギー」にしか存在していない。
 666が911体制プログラムとして起動させたのは、個人におきます「共同体想念」
を徹底して破壊・壊滅すること。共同体の根絶やし。

 666は近代前の「ドイツ(農民)戦争=カトリックとプロテスタントの宗教戦争」に
おいてもひとつの村を根絶やしにする実験をしている。

 人類ひとりひとりを自然史たる共同体から引き剥がし、根無し草にする。デラシネこそ
666の奴隷として成就される。グロバール国際金融動物が求めている奴隷とは孤立した
人類。おのれの家族史と共同体史から漂流した人間である。

 ネオコンのイラク戦争におけるプログラムは中東を無政府主義にすることであった。敵
はフセインではなく、イラクの行政機構だった。無政府主義を形成し、そこには殺し屋で
ある狙撃手、民間軍事(派遣軍隊)会社、警備会社、などが活躍する戦争の現場を創出さ
せた。CIA・イギリスM機関、モサドが自由に暗躍できる現場へと生成された。さらに
モサドは次々と技術者・知識人を暗殺している。無政府主義を固定化させるために、スン
ニ派とシーア派による宗教内戦。クルドの自立。イラクでは666がユーゴスラビア解体
で成功した民族と宗教による内戦の延長線上で宗派戦争が強激烈化。地域内戦の非連続と
連続による反復。国家解体による無政府主義の現出。

 世界は戦争が日常となったイスラエルに同期化させられている。アメリカ合衆国
は911によって戦争が日常となったイスラエルと同期化され、その同期化を世界に転化
している。シンクロ同調の二十一世紀無政府主義戦略。これが米国大統領府の「世界を民
主化」する長期戦争戦略。国際社会とはイスラエルの日常にシンクロしていく社会。
 グローバル資本主義への世界再編を仕込み、巨万の大衆を街頭に現出。東欧・ソ連共産
主義独裁政権を打倒した一九八九年の反復。世界各地を無政府主義に叩きこみそこから新
たなる666インターナショナルを生成。そのインターナショナルとは戦争が日常となっ
た戦争社会主義である。

 トロッキストからネオコンへと上昇し、アメリカ合衆国国家機構を内部から奪還し、イ
スラエル=アメリカ合衆国を形成した世界革命の序曲は終了し、第1幕が切って落とされ
ました。それが911の意味です。現在とは666戦争世界革命の激流にある。

 666の起源を、執拗に迫っていくことは動物が動物として生きぬくための方法。工作
としてのCIA=イギリスM機関=モサド。

 しかしながらイラクには共同体を死守するパルチザンも現有する。イラクは現在、世界
の先端である。共同体死守とパルチザンは共同体と個人が根絶やしにされるのか、それと
も生存していけるのか……根源を世界に問いかけている。666戦争社会主義インターナ
ショナルを帝国のプレゼンスにおいて仕掛けるブッシュとプーチンを動物はただ洞察する。
「911世界テロ戦争」の山には、666によって仕掛けられた罠がある獣道ばかり。動
物はおのれの臭覚をたよりに回避するしか、生き延びる方法がない。

 次に666インターナショナルが仕込んでいる「911世界テロ戦争」と「キリスト教
と共産主義」をまさぐってみたい。

 考察とは手と指でタイピングしながら文字を形にしながら、あるスペースを生成するこ
とである。指から手そして腕、肩、心臓へ、身体の器にある真水こそが波を振動させなが
ら考察していく。頭脳は身体思考バランスの制御装置。

 日本は草木に神が宿るとする言霊との応答による直感身体考察が原基。ユダヤは数に神
が宿る数霊との応答によるパズル身体考察が原基である。ユダヤ的霊性とは数理にあり、
脳天には数が埋めこまれている。ゆえにユダヤ人は銀行家・国際金融家・数学者・科学者
政商家の天才を輩出してきた。

 現在アメリカUSAの権力機構を握っているのは、ユダヤ的霊性としての「数」である。
数学者があらゆる権力機構内部に浸透している。「おれおれ詐欺」の旧約聖書とは数の暗
号によって構築されている。あの巨大なピラミッドを創造したエジプト神官レビ族「サン
ヘドリン」あの巨大なピラミッドを創造したエジプト石職人組合「フリーメーソン」突然、
ハザール国家を自己消却し、ヨーロッパ・ロシア内部侵略に向かった「イルミナティ」
 イギリス清教徒革命、アメリカ革命(独立戦争)、フランス革命そして明治維新革命、
ロシア革命。666インターネショナルとは世界革命。革命こそが666が仕込んだ近代
であった。666の戦略はネオコンの元祖であるトロツキーに現出している。
「永久革命」「世界同時革命」「世界合衆国建設」近代とは666のワン・ワールドたる
単一世界政府建設への道標。ロシア革命も中国革命も近代制度を浸透させるために666
が仕込んだ。明治維新もしかり。

 農業生産仕様に産業の基軸を置く国家から工業生産に基軸を置く近代的工場制度へ。ロ
シア皇帝の制度では近代化が無理と666が判断したゆえのロシア革命。レーニンは他党
派を壊滅し、ソ連を構築、継承したスターリンは「民族の牢獄」を形成し、現在の旧ソ連
邦混乱の要因である民族内戦の原基を作り出した。

「クラーク(富農)撲滅」により、農民から富を収奪し、工業建設に資金投下。農民から
土地を収奪し、「集団農業制」の工場制度へと転位させる。それまでの共同体を壊滅し、
民族を強制的に移動配置転換させた。これらの行政思想は近代的合理主義の極地であった。
生産性効率至上主義。

 マルクス・エンゲルス・レーニン。何故、共産主義思想が誕生したのか。共産主義の最
終目標は全世界を共産主義にして、世界共産主義連邦を建設することだった。ワン・ワー
ルド単一世界政府。キリスト教においても「神の国」の建設。キリストが復活し地上と人
類の王となる。ワン・ワールド。つまり共産主義とキリスト教の最終理想はシンクロ同調
している。「神の国」はローマ帝国没落期に書かれたキリスト教の書物。

 ワン・ワールド単一世界政府において人類は幸福になれる。この理想の植え付きは古代
から中世においてはキリスト教。そして近代のあけぼのにおいては共産主義。理想という
夢をみさせ、そこに一切の情熱を注ぎ込ませる。

 古代ローマ帝国においては、地下人たる奴隷に普及。近代のあけぼのにおいては、地下
人たる賃金奴隷に普及。労働力奴隷は何故、キリスト教と共産主義におのれの世界の問題
解決を委託したのか。奴隷から解放を受託されたキリスト教と共産主義とは……

 666が仕込んだ。キリスト教を組織したパウロは「サンヘドリン」の指令によりキリ
スト教の原基を形成した。やがてローマ帝国はローマ教皇の私有化へと変質させられた。
キリスト教とは「おれおれ詐欺」である旧約聖書を世界化するための肉体であった。
「聖書に帰れ」とする宗教改革、カトリックとプロテスタントによる宗教戦争こそ旧約聖
書をさらに強度にするための生贄。憎悪と民族浄化を煽る旧約聖書の666は、戦争と生
贄を要求する。

 血に飢え狂気にかられたキリスト教の伝導師は侵略軍の先頭にたってアフリカ大陸を破
壊し、奴隷を売る「死の商人」として、みごとにアフリカ共同体を破壊した。そして宣教
をアフリカ大陸で開始。

 南アメリカ大陸、中央アメリカ大陸、北アメリカ大陸。文明破壊は兵士よりも宣教師の
ほうが血に飢えていた。彼の戦争目的はキリスト教を世界化するためであった。キリスト
教が世界化すれば、シンクロ同調として「おれおれ詐欺」旧約聖書が世界化する。666
は大航海時代を得て、世界侵略を仕掛け、キリスト教によって、世界円環を形成した。
「サンヘドリン」の勝利である。

 ピラミッドを石積み職人として構築した、技術者同盟「フリーメーソン」はローマ帝国
の建設職人として、重宝されていた。ローマ帝国滅亡後も、教皇が支配する神聖ローマ帝
国各地の王にフリーメーソンは重宝されヨーロッパ都市における石文明建築を手がけた。
「ハザール」を自己消却し、ヨーロッパ・ロシアの内部侵略に乗りこんだ「イルミナティ」
はキリスト教ではなく、「哲学」において戦争を仕込む。イデオロギー戦争である。壮絶
なカトリックとプロテスタントの宗教戦争において、いくつもの共同体が壊滅したドイツ。
宗教戦争の惨禍、宗教に絶望し幻滅したドイツの人々は、思想に向かう。こうしてドイツ
観念哲学の土壌が形成された。ヘーゲル哲学の誕生である。

 ヘーゲル哲学が「おれおれ詐欺」の旧約聖書であるとするなら、今度は新約聖書を創設
する必要がある。「イルミナティ」はそれをマルクスとエンゲルスに書かせる。新約聖書
たる「共産党宣言」はこうして誕生した。世界化する第二のキリスト教である。マルクス
共産主義はこうして、世界の賃金奴隷の精神を支配していくバイブルとなった。

 レーニンはキリスト教を組織したパウロだった。彼はロシア革命を成功させマルクス主
義という新約聖書を世界化した。何故、マルクス主義という新約聖書の世界化が必要であ
ったのかは、近代化のためである。ロシアも中国も革命によって、地主制度を解体し、近
代化できたのである。人間を土地から引き剥がしてこそ、666は人類を支配できる。

 日本でも占領軍が最初に手がけたのは農地解放だった。近代的工場制度の整備のためで
あり、なにもかも二十一世紀国際金融グローバルのためのプログラムだった。

 一九八九年、東欧共産主義政権を崩壊させ、その後ソ連共産主義政権を崩壊させたのは
マルクス主義という新約聖書の役目が終了したからである。666は「イラン革命」の成
功から次なる世界戦争は、またふたたび宗教戦争に転換しようとプログラムをつくった。
第3の新約聖書たる「イスラム原理主義」プログラムが誕生した。

 次は、666旧約聖書からキリスト教へと継承した唯「数」的弁証法の考察をしてみよ
う。唯「数」的弁証法と史的唯「数」論こそプログラムの原基である。「物」とは「数」
生成とパズル組み合わせによるデータなのだろうか……物象とはデータプログラムなのだ
ろうか……

 911とはプログラムによる物象化。どこまで「おれおれ詐欺」が普遍化するかの実験
でもあった。近代の頂点、資本主義の頂点、アメリカUSAを帝国主体が自ら自壊させる
というプログラムの暴走実験であり、社会オートメーション・システム(沈黙の兵器)起
動だった。911は数学的なテロ戦争。そこにおける「おれおれ詐欺」の主軸は旧約聖書
からの完成でもある。

 911当日、ブッシュは小学校で朗読、その後、小学生と先生を背景に記者会見。民衆
を救済するブッシュ=キリストの構図絵こそ、ネオコンは必要だった。ブッシュはおのれ
が世界を救済するキリストにシンクロ同調させた。人類と人間はこの911プログラムを
洞察し、911プログラムの外から911プログラム全体を暴露できるかどうかの批判能
力の現有が試されている。

 911が「アルカイダ」によるテロであると洗脳されている六十億の人間。911とは
ブッシュとネオコンが自ら実行した「世界テロ戦争」の起動であると、見破り911プロ
グラムの外から911プログラムを暴露している少数人間。

 第1次世界大戦、第2次世界大戦を予告し、第三次世界大戦までもプログラムしている
「数の予言」とは何か。ネオコンによる911は「静かなる沈黙の兵器」のプログラムに
よるアメリカ合衆国社会への先制攻撃であった。帝国社会を超管理・戦時体制へ強制的に
転位させる事変こそ911だった。世界侵略戦争を推進する帝国社会内部に自由はない。
市民は超管理コントロールの下で恐怖・戦慄・畏怖が隣り合わせになった日常生活へと落
下させられていく。市民の日常は戦争が日常となったイスラエルに同期化する。イラク戦
争とはアメリカ合衆国社会への「恐怖と畏怖」作戦であった。「沈黙の兵器」が実現プロ
グラムとして、現在、制度化・体制化されていることは驚嘆である。

 すでにホワイトハウス大統領府執行人は、全メンバーが多国籍投資軍産複合企業身体だ
から第一優先事項は、国家維持ではなく、おのれの企業体である。彼ら大統領府執行委員
会にとってアメリカ合衆国とはおのれの増益をめぐる収奪の対象である。アメリカ資本主
義と国際資本主義の集合的経営の利潤追求と富の増幅こそ米国大統領府の正義である。

 666聖書の驚嘆すべき事象は、現在が過去の時間においてプログラム起動されている
こと。予言ではなく確実性をもったプログラム作動。「時間と事象はプログラム通りに実
現される」これほどの驚嘆はない。この現実を受け入れるならば、これまで教えられてき
た「時間は過去から未来に流れている」昨日から今日、今日から明日への時間感覚が崩壊
してしまう。時間はプログラムされた未来から過去へと流れているのである。

 第三次世界大戦の実現に向けたイスラエル=アメリカUSA対イスラムの全体戦争が進
行している。666は計画的に憎悪の応酬を扇動している。ブッシュとネオコンは「沈黙
の兵器」プログラム通りにアメリカ合衆国を壊滅せんと動いている。

 666プログラムが簡単明瞭に実現化されてきている、この世界事象はあまりにシンプ
ルて単純なプルグラムだが、666が仕掛けた多様な解釈によって、われわれはすでに複
雑に思考するように洗脳されている。目潰しライトによってあるがままに見ることは出来
なくなっている。666は多様な解釈を現在も日々生産している。

 言説とは言語による思考であるがユダヤ的霊性は「数」によって思考する。数生成によ
る数学的プログラム思考である。旧約聖書から新着聖書のプログラム、その最終にはヨハ
ネ黙示録。最終プログラムの誘惑としてのハルマゲドン。

 この世界には、われわれの時間意識とは全く別仕様の時間が現有している。666プロ
グラム通りに、世界史が実現されていく、単一時間。「そんなはずはない」とわれわれの
時間意識は了解できない。「沈黙の兵器」プログラム批判が社会批評の場所にテキストと
して出現できない理由がここにある。メディアはすでに666の支配下にある。

 666の数学的構築力はすでに古代エジプトのピラミッド建設で証明されている。66
6神学とは文学ではなく数学によって形成されていることは間違いない。△の▽の時間軸
が一体化される。「わたしはアルファであり、オメガである。最初の者であり、最後の者
である。初めであり、終わりである」

 ヨハネ黙示録はきわめて「数」が登場する数学的な終末感。つねに新約聖書の最後を結
語として締めくくるヨハネ黙示録はキリスト教の「千年王国到来」を予知し、キリスト教
者の「救済」となっている。ここに全世界二十億人のキリスト教者が「数学」によって精
神構造が規定されている実現論があらわになる。「△の▽の時間軸」は、時間を下降し上
昇することができる、恐るべき能力であるのか。

 現実を把握する時間意識は666の歴史観を具現化したマルクスの史的唯「数」論にあ
らわれている。「論理は時間を下降し、その地点から上昇を開始する、そして現在に戻る」
「現在に戻ったとき、現実を把握する概念が誕生する」概念とはタイムマシンの円環であ
る論理はそれ事態が「わたし(人類史)はアルファであり、オメガである。最初の者であ
り、最後の者である。初めであり、終わりである」この時間軸を言語によって生成させる。

 666は人類史なるものを仕込み仕掛けてきた自信があるからこそおのれが起動
するプログラムを実現してきたのである。プログラムが起動するためには、ベーシック・
プログラムによって人類は規定されている必要がある。

 ベーシック(基礎)プログラムこそ、キリスト教でありマルクス主義の世界化であった。
奴隷はキリスト教「新約聖書」よって基礎プログラムがインストロールされ賃金奴隷はマ
ルクス・エンゲルス「共産党宣言」によって基礎プログラムがインストロールされた。イ
ンストロールされたのは「数」の観念。

 奴隷にとってキリスト教はおのれの世界をわかりやすく説明できるオルグナイザー。賃
金奴隷にとってマルクス主義はおのれの世界をわかりやすく説明できるオルグナイザーだ
った。階級的憎悪心のエネルギーは「ワン・ワールド」へ向かう救済となった。

 近代とは「数」整合と合理による思想。「数」を支配した者は地上を支配する。ゆえに
国際金融家は全世界を支配し、コントロールしている。国際金融家にとって国家とはすで
に残骸であり彼らにとって国家とは管理装置であり、収奪装置である。

 何故、近代世界の円環を形成したのがキリスト教ヨーロッパであったのか。何故、近代
の世界化を促進したマルクス共産主義はヨーロッパに誕生したのか。666は西ローマ帝
国を解体し、キリスト教の王であるローマ教皇が支配する神聖ローマ帝国へ置換。666
は東ローマ帝国からギリシア正教を形成。