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サルトル「存在と無」感読メモ

サルトル「存在と無」感読メモ

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「デジタル機械生命族はすでに誕生している」
「他者のしぐさには全世界が組織づけられている」
「表出と流出の巨大なカオスこそ現代デジタル世界」
「デジタルには無数のブッラク・ホール粒があり、そこから情報は表出し、そして逃亡している。
 デジタル情報社会とはたえず流出し流動している」
 「デジタル情報社会とは漂流の構図であり『存在と無』を自己実現した」
 
 「デジタルは<プログラム秩序>の全体に存在しながら、<存在=1><無=0>の
  囲い込みと電子反復による模倣子を生成する<孔>である」
 
 「私の自己性と他者の自己性は全体の組織生命体に属している」
 「有の核には無が存在」
 「全体とは内部であり、それぞれの固体意識の集合こそ外部である」
 「時間とはねばねばしたものであろう」
 「活字の組織」
 「コギト=考える存在の確定」
 「超越とは何か?」「言葉を越える存在とは何か?」
 
 「人間知覚ー無との闘争」「無とは距離である」
 「事物とは予想なのだ」「眼は模倣であり、シュミレーションである」
 「現在とは逃亡である」「瞬間は独立した決定項である」
 「過去がひとつのかたまりになる」「現在=未来の欠落」
 「即自=死」「対自=生」「闘争心の欠落=破綻」「空間とは消失である=空間外面」
 「空間とは自己喪失である」「空間=官能・エロス」
 「恋愛は当人間の全過程を内面(反省)によって押し出す」
 「恋愛は反省過程であり、そこで人間は自己と他者をみつめる」
 「恋愛は人間についての学問である」「脱自と自我」
 「自己の外面=自己を時間化する=コンピュータ書きこみ」
 「それはいまだ理解されない記憶」
 
 「時間は諸瞬間の多数性による粘着力である」「時間は音を発信している」
 「貨幣の存在=空間性、世界性、量、道具性、流動性、時空性、それは人間の手の感触」
 「貨幣は思考するのか?」
 「貨幣は自身のあしたにある媒介者である」「世界は貨幣のほかに何ものも存在しないのか?」
 
 「関係の根拠=無=距離」
 「恋愛の自我は媒介者(恋人)によって、私が否定される」
 「他者=私を否定する存在」
 「恋愛における傷心は他者によって自己が否定されるときである」「自己=個別者」
 「男は女の子宮を通過して誕生する」
 「再度、自己の内面を形成するために、男は女と対話する」

 「『孔』がうたれる」
 
 「主体が出す言葉は他者の所有物となる」「<自己を選択する>無が自己をつくる」
 「90年代ーサルトル」「この挫折は私の真実である」「自己の目的の確定」
 
 「所有と身分とは何か?」
 「共同主観の不成立」「一方的通行の反復」
 「返還される。ないしは読まれないという予測の失敗(前提の欠落)」
 「関係は精神性にあるのではなく身体性にある」「命がけの飛躍(男と女の関係)」
 「言葉によって境界は崩れた」「彼女は<ゆらぎ>のなかにある」
 「情熱こそが交通関係を飛翔」「理念(苦悩する状態)→先行→姿態へと崩れる」「都市」
 
 「20世紀哲学の総括」「哲学と演劇」「世界市場の中心」「思考のパイオニア」「黄色いサル」
 「転覆をうながすのは世界市場である」「実存から生存への原理」
 「生存、<展示ー演劇のハイパーデフレーション>」「即自の偶然性と対自」
 「まなざしは全体を無化する」
 「事実は闘争としての精神をもつが、すでに隠蔽されてしまう」
 「自分の無化こそが意思である」
 
 「20世紀哲学の総括と21世紀哲学の予感」
 「哲学の世界市場形成に失敗してきたのが日本の歴史である」「自分に敗北している」
 「他者の言葉を読み解くことはできるのか?→実験」
 「対自と対自の関係」「即自と即自の関係」「人間は目である」
 「可能の言葉とは存在をめぐる価値=可能」「可能と知覚と意味」「諸体験を統一する自我」
 「自我=人格の記号」「対自とは彼方の自己である」「世界の私性」
 「時間と意識」「意識と存在の根源的関係」「時間とは自我である」
 「人体は、それが知覚されるときに、なにものかを指し示す」

 「対象性とは他者の現前である」「何故、海にくることが出来なかったのか?」
 「関係とは組織生命体である」「距離=崩壊」「他者がまとう衣は全体」
 「知覚と想像」「知覚とはまなざし」「海は内臓であり羊水だ」
 「意識は行為である」「変容とおどろき」「自己が他者のまなざしになる」
 
 「他者のまなざしは抱擁する」「他人へと流出する自我」
 
 「他有化、他人のまなざし=外部=個性」「市場とは他有制度である」
 「複合への所属=状況」「思想を言語に流しこむ」
 「他者のまなざしをとらえるときに、私をゆさぶる突然の衝撃」「演劇とまなざし」
 「他者のまなざし、空間化=時間化」「能動的まなざし」
 「他人は対自であり意識である」
 「私=他人=意識=私の対自が他人である」
 「自己を他有化する→自己と他者の歴然たる同一性」
 「他者の全面的な同化」「他者は全体に存在する」「活字の組織」
 
  「女、その中心は渚へと向いている。波と引力」
  「海が女の足によせる、他者は何から自由であろのか? =私の不確定」
  「私は私の生活と人生において引きうける=他者の引力」


  

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関連

TINAMIX

サルトルの「壁」、寺山修司の「レミング」
J・A・シーザー インタビュー
取材/構成:樋口ヒロユキ
写真:山中早和子

http://www.tinami.com/x/report/09/page3.html



TOP
http://blog.goo.ne.jp/kayaman55/  (オペラ座の怪人)

サルトル, 松浪 信三郎
存在と無 上巻
荒木 清
一冊で哲学の名著を読む―『ソクラテスの弁明』から、サルトル『存在と無』まで17冊がよくわかる!
ジョージ リッツア, George Ritzer, 正岡 寛司, 山本 光子, 山本 徹夫
無のグローバル化―拡大する消費社会と「存在」の喪失
サルトル, 松浪 信三郎
存在と無 下巻
舞坂 真平
無境界の影絵―神は存在する
サルトル, 松浪 信三郎
ワイド版世界の大思想 (2-14)
ドナルド・D. パルマー, Donald D. Palmer, 沢田 直
サルトル
永野 潤
図解雑学 サルトル
海老坂 武
サルトル―「人間」の思想の可能性
J‐P・サルトル, 伊吹 武彦
実存主義とは何か
J.‐P. サルトル, Jean‐Paul Sartre, 多田 道太郎, 鈴木 道彦, 浦野 衣子, 渡辺 淳, 海老坂 武, 加藤 晴久
植民地の問題
沢田 直
新・サルトル講義―未完の思想、実存から倫理へ
佐藤 朔
革命か反抗か―カミュ=サルトル論争
J‐P. サルトル, Jean‐Paul Sartre, 安堂 信也
ユダヤ人
J‐P.サルトル, 竹内 芳郎
自我の超越 情動論粗描
J‐P・サルトル, 白井 浩司
嘔吐
サルトル, Jean‐Paul Sartre, 伊吹 武彦, 窪田 啓作, 白井 浩司, 中村 真一郎
水いらず
ポール ストラザーン, Paul Strathern, 浅見 昇吾
90分でわかるサルトル
三宅 芳夫
知識人と社会―J=P.サルトルにおける政治と実存
市倉 宏祐
ハイデガーとサルトルと詩人たち
桑田 礼彰
フーコーの系譜学―フランス哲学「覇権」の変遷
J.‐P. サルトル, Jean‐Paul Sartre, 澤田 直
言葉
梅木 達郎
サルトル―失われた直接性をもとめて
アニー コーエン=ソラル, Annie Cohen‐Solal, 石崎 晴己
サルトル
アラン ルノー, Alain Renaut, 水野 浩二
サルトル、最後の哲学者
末次 弘
サルトル哲学とは何か
辻 昭臣
サルトルとカミュ―文学的アンガージュマン
ベルナール=アンリ レヴィ, Bernard‐Henri L´evy, 石崎 晴己, 三宅 京子, 沢田 直, 黒川 学
サルトルの世紀
水野 浩二
サルトルの倫理思想―本来的人間から全体的人間へ
合田 正人
サルトル『むかつき』ニートという冒険
J.‐P. サルトル, M. メルロ=ポンティ, Jean‐Paul Sartre, Maurice Merleau‐Ponty, 菅野 盾樹
サルトル/メルロ=ポンティ往復書簡―決裂の証言
J‐P. サルトル, Jean‐Paul Sartre, 沢田 直
真理と実存
クローディーヌ セール=モンテーユ, Claudine Serre‐Monteil, 門田 真知子, 南 知子
世紀の恋人―ボーヴォワールとサルトル
荻原 真
西洋哲学の背骨―知っておきたいプラトン、デカルト、カント、サルトル
J.‐P. サルトル, Jean‐Paul Sartre, 白井 健三郎, 野田 又夫, 矢内原 伊作, 海老坂 武, 清水 徹, 多田 道太郎, 鈴木 道彦
哲学・言語論集
久保 博正
悩みの消し方―ブッダとサルトルで学ぶ「人生苦」のしくみ
J‐P・ サルトル, Jean‐Paul Sartre, 加藤 周一, 海老坂 武, 白井 健三郎
文学とは何か
柴田 芳幸
マラルメとフローベールの継承者としてのサルトル―エクリチュールと“反創造”の欲望
沢田 直
“呼びかけ”の経験―サルトルのモラル論
理想 (第665号)
サルトル, 松浪 信三郎
ワイド版世界の大思想 (2-14)
マルロー, サルトル, 松浪 信三郎
ワイド版世界の大思想 (3-12)
小西 忠彦
私の思想遍歴―サルトルとともに

小説  新昆類  (32) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

 子供もすでに資本主義の世界市場に存在していたのである。子供は消費の王であり女王
なのである。「あなたは、こどもの向上心を奪ってしまうのですか?」こうして親は販売
企業に日々恫喝され、いつのまにか子供を商品消費の王と女王に押し上げるのである。こ
うして親は子供の奴隷となる。現代資本主義は子供を奇獣とさせる。人間はロボットによ
って代行できるからである。高度成長以前であれば、農家においても労働者であっても、
基本は自給自足であった。資本主義は、人間が、自分で“もの”をつくるという行為その
ものを壊滅する、すべてを商品づけにして借金づけにするのが資本主義の動物的本能であ
る自己遺伝子と模倣子である。人間は「商品生成=消費」の回路であるメディアへと変貌
させるのが、資本主義の商品による商品への自己運動である。そこにおいては、もはや、
親は子供に教育できない。なぜなら、親自身が、すでにこの資本主義システム暴走の労働
力商品であるから、自分の言葉など、忘れてしまったか、職場で生きのびるため、消却し
たのである。

 こうして家庭とはつぎなる資本主義を担う兵士を養育する生産工程としての現代的工場
制度に組み込まれる。そして子供は家庭の王と王女であり、親はその奴隷となる。「商品
生成=消費」の矛盾はすべて、国民総背番号で管理情報データー化された固有の家庭が背
負い込む。こうして家庭とは修羅と地獄めぐりの資本主義神曲と変貌する。そこでは、神
と怪獣と奇獣と人間が同期し競合した、ギリシア神話の戦争現場へと転化するのである。
 恥かしい地獄生産家庭はけして、おもてにあらわれない。こうして、いつも明るい資本
主義「商品生成=消費」はいつも、安定したシステムとなる。資本主義とはきれいなマン
ション・ビルの回廊に、うんこをしながら、くそ逃げしていく自己運動である。ある朝、
マンションに住む、お父さんが、会社に出かけ、ドアをあけたら、「うんこ」が悪臭をは
なっている。「誰かのいたずらだ!」とお父さんは疑惑に満ちる。

「もしかしたら、会社の競争相手の仕業だ、ちくしょうめ!」

「おまえ、この、うんこ、かたずけておけ!」
 と奥さんに怒鳴るのである。こうして、いつも最後に資本主義の処理として掃除をやら
されるのは主婦労働と呼ばれている。

 資本主義の原理原則は「商品生成=消費」である。この原理原則が崩れると資本主義国
家そのものが自壊をとげる。ゆえに現在、日本国家は六六〇億兆円の天文学的な借金をし
ても「商品生成=消費」の原理原則を防衛しなくてはならないばかりでなく、国民である
市民ひとりひとりにも借金生活様式を、自分に似た姿で同期化する。いまや学生はひたす
らカード借金をして、消費生活を謳歌している奇獣と再編された。日本発の世界大恐慌を
発動させてはならぬとする、世界資本主義市場の要請だからである。19世紀とは資本主
義の幼年期であったが、二十世紀は動物期であった。21世紀とは資本主義がいよいよギ
リシア神話の神奇獣期として拡張していくであろう。

 いまや六十年代から起動した高度経済成長以前の時間は喪失した。ゆえに、あまりに人
間的な人は「日本文明の全的滅亡の絶望」によって殺されてしまう。八十年代、大学と大
学における壮絶な権力闘争が上部機構では利権をめぐって密室の謀議として展開されてい
た。おのれの大学出身者から総理大臣を現出させることは、大学の自己展開能力が飛躍す
る。現代日本は陰謀史観によって規定されている。その陰謀こそは、上部機構を固定化し
た。もはプロレタリアートは制度と階層を固定する階級となった。土地と家・私有財産を
もったプロレタリアートとはすでに、革命の階級ではなく、おのれの私有財産を防衛する
反動階級となる。反動とは変革という流動を許さない保守階級。

 これが日本労働運動の最終であり最後の獲得実現であった。プロレタリアートの私有財
産防衛のために、それまでの日本労働運動の司令塔であった総評を、売って、「連合」を
結成した。御茶ノ水にあった、巨大な総評ビルは、陰謀家が、私的所有した、まさに労働
貴族と労働官僚による陰謀による歴史の奪還こそが、一九八七年のクーデーターであった。
山岸とはまさに、いまやネット・ストーカーという奇獣人間を現出しているNTTの労働
組合の会長であった人物で、いまも謀議の中心人物として、再起動している。まさに八十
年代の日本とは上部世界と地下世界であるアンダーグランドにおいて、生きるか死ぬかの
壮絶な戦争が展開されていた。陰謀に敗北した国鉄労働組合の労働者は多くの自殺者をだ
し、ついに現在、政党の介入により屈服されてしまった。その水先案内人こそ一九九五年
の総理大臣であった、旧社会党の親分であった村山である。日本社会党は一九七〇年にお
いて帝国主義社会党へと、すでに変貌していた。上部においても下部においても労働界に
おいてもNTTにおいてもウィルスは起動する。

 ウィルスは奇獣人間を現出させながら、現在、ホンダとソニーが商品として発売したロ
ボットへと、侵攻を開始した。コンピュータ・ウィルスからロボット・ウィルスへと、変
貌につぐ変貌があらわれるとき人類史は、いよいよ奇獣史へと転換されるであろう。もは
や人間とは類的存在ではない。類的存在とは19世紀・啓蒙哲学とロマン主義の言葉であ
る。いまや人間とは奇獣なのである。あなたはNTTから誕生したネット・ストーカーで
ある奇獣人間から、おのれ自身を防衛できるだろうか?一九九四年においてはパソコン通
信会社であった、ニフティとNECの会社員IDとパスワードが、NTT奇獣人間によっ
て盗まれたのである。日本電気通信産業が陰謀によって誕生させた奇獣人間の世紀こそ2
1世紀初頭である。

 盗聴法と国民総背番号の成立によって、日本電気通信産業は、莫大な国家予算を、分捕
ることに成功したのであり、そのために自民党を飼育しているのである。そして、あなた
の情報は毎日更新され、電話回線から盗まれている、いまですよ。これが二十一世紀初頭
における資本主義、つまり奇獣と盗賊人が全面展開できる、世界市場へと輝かしく発展し
た、グローバリゼーションである。IT革命ではなくIT反革命としてのウィルスこそ、
考察する対象。ウィルス原論が必須として、いま、市民からもとめられている。

 「日本書紀」はこうしたわれわれ市民により、編集されたのではない。王権内のゲバル
ト的非日常というおそるべき人間関係としての政治闘争をくぐりぬけ、自己遺伝子と模倣
子の動物的本能という、おそるべき人間関係としての政治闘争をくぐりぬけた建設者によ
って「日本書紀」は誕生した。

 表層空間をわがものにするのは建築者と政治闘争者と演劇人である。彼らは自然生成的
感受性を表出するのではない。彼らはおのれの構成力によって表層空間を占有する。演劇
と政治は現在という時間と空間にエネルギーを投入し、身体言語によって他者のイミテー
ションを規定する行為である。

 さらに政治は人間の悪意的様相をもっとも現出するきわめて人間的な行為である。すな
わち、いかに敵と競争者を落としこめ、叩きつぶすかに、政治行為者の日常はあり、内部
は不断にゲームのシミュレーションを展開している。空間を構成し流動的な他者の行為を
予測し推論しつつ決定する闘争である。政治とはまさに密室の謀議であり、それゆえに情
報スパイは古代から政治闘争の重要な役割を担っていた。天皇制が古代から今日まで継承
できたのは、情報戦争に勝利してきたからである。

 現代では、あなたがご存知のように、警察情報スパイ機構と自衛隊情報スパイ機構を統
合しているのは、内閣調査室である。あなたが毎日コンビニで支払っている税金から、内
閣機密費として、毎年五六億円の予算がくんである。公安警察が革命家を情報スパイへと
誘導し、やがて中央委員会に送り出し、警察の都合のよい革命方針を中央委員会指令とし
て発動させるのである。一番犠牲になるのは、いつも末端で真剣にまじめに活動する民衆
活動家であった。戦前の公安警察もほとんどスパイによって運営されていた中央委員会に
よる銀行襲撃方針により、民衆支持基盤を壊滅することにより、日本共産党を壊滅したの
である。本当は当時の公安警察としては、国家予算の獲得のために日本共産党中央委員会
を保存しておきたかったのだが、宮本顕治による死力を尽くした中央委員会スパイ摘発に
より、やむなく、壊滅としたのである。このときのスパイ査問で、スパイは恐怖におびえ、
おのれ自身による心臓発作で死亡した。スパイ摘発こそ日本革命運動の革命的伝統である。

 六十年代後半から七十年代前半、日本共産党に指導された日本民主青年同盟は全国二十
万人いたが、いまや二万人である。この減少はまさに公安警察による。関西・愛知・関東
と、県委員長クラスが公安警察スパイへと誘導されてしまったからである。まさに内閣機
密費である五十六億円の効用であろう。外務省機密費とこの内閣機密費の存在をリークし
たのは、USA・CIAである。九七年橋本政権時、日本内閣と外務省の電話がCIAに
よって盗聴されていた事実は有名である。そのときすでに、CIAはこの機密費の存在を
しり、どうスキャンダル・ニュースにするか計画していた。二十世紀から二十一世紀初頭
とは、映画007でも有名なイギリス情報部とCIAが暗躍できるアングロサクソンの世
紀である。帝国はおのれの姿にあわせて世界を構築する、それが世界標準化である。現在、
天皇制が苦しいのは、イギリスもUSAも、もう、王朝はイギリス王朝だけ残せばいいの
ではないか、と検討していることである。世界標準化のために、天皇制は淘汰されなくて
はならい、と。二十一世紀初頭は日本による侵略戦争犯罪が世界的問題となるであろう。
中国においても七二年日本に対する「戦争賠償金請求放棄」の是非をめぐって、現在紅衛
兵世代によって検討されている。あの香港をイギリスから百年かけて取り戻した中国とは
五千年以来の原理・原則の中華思想による国家なのである。




【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】

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芹沢 俊介
他界と遊ぶ子供たち―少年たちの資本主義
渡邉 昭彦
経済情報を撒き散らす詐欺師たち―プロが素人を誑かす談合資本主義
佐伯 啓思
アダム・スミスの誤算
福島 清彦
ヨーロッパ型資本主義―アメリカ市場原理主義との決別
ポール ホーケン, L.ハンター ロビンス, エイモリ・B. ロビンス, Paul Hawken, L.Hunter Lovins, Amory B. Lovins, 佐和 隆光, 小幡 すぎ子
自然資本の経済―「成長の限界」を突破する新産業革命
I.ウォーラーステイン, 川北 稔
史的システムとしての資本主義
レスター・C. サロー, Lester C. Thurow, 山岡 洋一, 仁平 和夫
資本主義の未来
イエスタ エスピン‐アンデルセン, Gosta Esping‐Andersen, 岡沢 憲芙, 宮本 太郎
福祉資本主義の三つの世界
ジル ドゥルーズ, フェリックス ガタリ, Gilles Deleuze, F´elix Guattari, 宇野 邦一, 田中 敏彦, 小沢 秋広
千のプラトー―資本主義と分裂症
平井 正治
無縁声声―日本資本主義残酷史
渡部 亮
アングロサクソン・モデルの本質―株主資本主義のカルチャー 貨幣としての株式、法律、言語
ビル トッテン, Bill Totten
アングロサクソンは人間を不幸にする
ビル トッテン, Bill Totten
アングロサクソンは人間を不幸にする―アメリカ型資本主義の正体
アレックス カリニコス, Alex T. Callinicos, 渡辺 雅男, 渡辺 景子
アンチ資本主義宣言―グローバリゼーションに挑む
次田 真幸
古事記 (上) 全訳注 講談社学術文庫 207
坂本 太郎
日本書紀〈1〉
宇治谷 孟
日本書紀〈下〉
森 博達
日本書紀の謎を解く―述作者は誰か
山田 永
「作品」として読む古事記講義
山田 永
古事記スサノヲの研究
関 裕二
神武東征の謎―「出雲神話」の裏に隠された真相
関 裕二
天孫降臨の謎―日本建国神話に隠された真実
坂本 勝
図説 地図とあらすじで読む古事記と日本書紀
大和 岩雄
古事記成立考
宮崎 学
警察官の犯罪白書
鳥越 俊太郎, 小林 ゆうこ
虚誕
黒木 昭雄
警察はなぜ堕落したのか
北海道新聞取材班
日本警察と裏金―底なしの腐敗
浜島 望
警察がひた隠す 電子検問システムを暴く
しんぶん赤旗取材班
裏金―警察の犯罪
鈴木 邦男
公安化するニッポン―実はあなたも狙われている!
佐々 淳行
日本の警察―「安全神話」は終わったか

イザベラ・バードとイサドラ・ダンカン

宮本 常一
イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む
赤坂 憲雄
イザベラ・バードの会津紀行
イサベラ・L. バード, 朴 尚得, Isabella L. Bird
朝鮮奥地紀行〈2〉
イサベラ・バード, 高梨 健吉
日本奥地紀行
イザベラ・バード, 小野崎 晶裕
ロッキー山脈踏破行
イザベラ・バード
日本奥地紀行―Unbeaten tracks in Japan
イサベラ・C.L.コヴァーチュ
眠れる美女日本の茨城―文化交流史の万華鏡
イサドラ ダンカン, 山川 亜希子, 山川 紘矢
魂の燃ゆるままに―イサドラ・ダンカン自伝
松原 惇子
私を探す旅―イサドラ・ダンカンを追って
クルツィア フェラーリ, 小瀬村 幸子
美の女神イサドラ・ダンカン
イサドラ・ダンカン, ゴードン・クレーグ, フランシス・スティーグミュラー
あなたのイサドラ―愛の手紙
小倉 重夫
イサドラ・ダンカン芸術と回想 (1977年)
フレドリカ ブレア, 鈴木 万理子
踊るヴィーナス―イサドラ・ダンカンの生涯
イサドラ・ダンカン, シェルドン・チェニー, 小倉 重夫
芸術と回想

日本内閣府プロデュース芝居公演 「教育改革タウンミーティング」 世界劇場関係の皆様へ、 

愛連合詐欺対策委員会
最新 詐欺撃退マニュアル
デヴィッド・W. モラー, David W. Maurer, 山本 光伸
詐欺師入門―騙しの天才たち その華麗なる手口
安斎 育郎
だからあなたは騙される
フランク・W・アバグネイル, 高橋 則明
華麗なる騙しのテクニック 世界No.1の詐欺師が教える
種村 季弘
ぺてん師列伝―あるいは制服の研究
カール・シファキス, 鶴田 文
詐欺とペテンの大百科
フランク アバネイル, スタン レディング, Frank W. Abagnale, Stan Redding, 佐々田 雅子
世界をだました男
横田 濱夫
騙しのカラクリ
山下 勝也, 藤原 義恭
あなたを狙う詐欺の手口77―ウマイ話には“裏”がある
取違 孝昭
詐欺の心理学―どうだます?なぜだまされる?
中嶋 隆
倒産長者 ― 未上場企業を舞台に仕組まれた「合法的」罠のすべて
安斎 育郎
だます心 だまされる心
有森 隆, グループK
黒い経済人―「政・官・財・暴」のマネーゲーム
カール シファキス, Carl Sifakis, 鶴田 文
詐欺とペテンの大百科
偽造防犯研究会
偽造の手口―現代犯罪の実情
石原 豊昭
「詐欺」―悪(ワル)の手口と撃退マニュアル
野田 敬生
東京三菱銀行 消えた「156億円」預金
安斎 育郎
騙される人 騙されない人
沢田 高士
シノギのプロが教えるビジネスの極意
青木 雄二
青木雄二のゼニと資本論―「ゼニの地獄」脱出法、ボクが教えたる!

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04年11月27日に開かれた「教育改革タウンミーティング イン 大分」を点検してみよう。朝日広告社から内閣府大臣官房会計課長に届けられたのは10,669,761円の請求書だった。さっそく明細を見てみた。驚くのは、動員されたスタッフの数とその金額である。

[開催当日の動員関係]

1、空港(又は駅)での閣僚送迎など (単価12,000円)×6人 72,000円
2、会場における送迎など (単価120,00円)×14人 168,000円
3、各出席閣僚の個別担当 (単価12,000円)×3人 36,000円
4、閣僚控室の連絡要員 (単価12,000円)×3人 36,000円
5、出席閣僚・随行者ケータリング (単価12,000円)×4人 48,000円
6、一般参加者・マスコミ・関係者
受付・配布資料封入 (単価20,000円)×12人 240,000円
7、クローク (単価12,000円)× 5人 60,000円
8、場内整理事務補助 (単価20,000円)×27人 540,000円
9、会場発言マイク係 (単価12,000円)×12人 144,000円
10 警備員 (単価20,000円)×17人 340,000円
11、コーディネーター (単価50,000円)× 1人 50,000円
12、手話通訳者 (単価20,000円)× 3人 60,000円

な、なんと計算してみて驚きだが、総計107人で総額1,722,000となった。これが、募集人員300人のイベントに釣り合う人数だろうか。空港で出迎えた6人は、空港で漫然と見送りまで待機しているのだろうか。場内整理・事務補助27人もやたら多いぞ。会場発言マイク係17人。20人にひとりのマイク係も多いな。このリストラ不況の時代に大盤振る舞いだが、これは代理店の請求額であり実際に現場で働いた人に支払われた額ではない。それにしても、だ。せいぜい400人のイベントに107人の現場スタッフに加えて、県・市・文科省からも応援部隊が入っている。想像してみてほしい。会場ロビーや後方に100数10人が立っている光景を。まさか、椅子に座ってはいないでしょうな。大分会場には、312人が参加していて、内閣府・文科省の発言者は、県教育委員会義務教育課の職員が4人台本通りの意見を言っている。「その他の協力者5,000円」が問題となったが、会場に107人が有給で入りこんだというのも異常な姿だ。なぜなら、大分では内閣府の資料で437人が申し込んで、参加証を発送したのは347人(実際の参加者が312人)と参加を断られていることがすでに政府答弁でも明らかになっているのである。

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/df65477be65f6eef1d0444d0abff3f1d



保坂展人のどこどこ日記
政治、経済、文化を幅広く語る。

小説  新昆類  (33) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

 六四五年の「大化の改新」から七二〇年「日本書紀」までの表層としての政治空間は不
均衡であり、流動化する危機的情況が連続的に動いている。王権内ゲバルト闘争と7世紀、
東アジアの衝突。古代以来、東アジアの中心はユーラシア大陸中華としての広大な中国の
政治闘争であり、この中華動物的本能である自己遺伝子と模倣子から独自的政治l空間を
防衛し、主体を形成せんとする周辺王権の政治闘争によって流動化してきた。

 ベトナム自己遺伝子と模倣子、朝鮮自己遺伝子と模倣子、日本自己遺伝子と模倣子は中
華に規定されながらも、これにくらいつくされるのではなく、反発し、独自的な自己遺伝
子と模倣子を建設の意志として形成してきた。ゆえに強いのである。ある学者によれば資
本主義生産様式と歴史的生産蓄積から言えば、いずれUSAと日本は時期がづれるにせよ、
戦争をしたであろうと定性されている。朝鮮戦争においてもUSAは勝利することができ
ず、中途で戦略を停止して、マッカーサー将軍をその責任をとる形で解任したのである。
ベトナムにおいては、USA侵略軍は完全に敗北した。その歴史的生産蓄積こそ古代以来
の中国との対峙である。ベトナム・朝鮮という場所は一時的後退があろうと、帝国が植民
地できる場所でないことを、帝国軍創設者山県有朋は甘くみた。そして伊藤博文の上昇す
る人生は朝鮮において地獄へとたたきおとされた。

 朝鮮・韓自己遺伝子と模倣子の場合は、中華自己遺伝子と模倣子、そして日本自己遺伝
子と模倣子におびやかされることにより、おのれの主体を意識せざるえない情熱的な自己
遺伝子と模倣子として形成される。たとえば現在、韓国の国旗である太極旗は、ある時間
の極が到来すると逆転するというパラムの円環である。それは他の自己遺伝子と模倣子に
よって、ある時間が支配されたとしても、その時間が極に達すると逆転し、おのれの自己
遺伝子と模倣子の道が開けるとする風の思想である。そこに草原から発声した騎馬民族の
においがする。遊牧騎馬民族のシンボルは古代ローマ帝国にしても、中世モンゴル帝国に
しても、近代オスマン・トルコ帝国にしてもシンボルは狼である。狼とはつまり風の思想。
 六〇〇年代という七世紀の東アジアの表層空間に激突する部族の政治闘争こそが、総体
としての韓・朝鮮自己遺伝子と模倣子、総体としての日本自己遺伝子と模倣子を誕生せし
めた。特に最大要因は、朝鮮半島南部を戦場とした、唐・新羅連合軍と百済・日本連合軍
との海上・陸上にわたる全面戦争である。そして、高句麗・新羅・百済によるどの自己遺
伝子と模倣子が未来に継承できるかをめぐる壮絶な戦争は、そのまま、日本にも、波及す
る。百済と同期化を図った曽我一族執権の転覆は百済王権内の権力闘争が日本で勃発した
「大化の改新」である。このとき現出したのがやがて藤原執権王朝の祖である、藤原鎌足
である。かれは騎馬民族のシャーマンである神官であった。百済王権の内紛を弱点として、
攻めたのが唐帝国と同盟を結んだ新羅であった。

 六六〇年日本の王権は百済に援軍を派兵することに決定する。もともと日本とは馬韓か
ら誕生し、馬韓は百済へと統合されたのだから、この時の百済と日本は同期上に存立して
いた。翌年六六一年には、司令部もかねる政治の中心地を北九州の朝倉宮に移す。総力を
あげての戦時体制である。しかし六六三年に百済・日本連合軍は白村江戦において大敗す
る。こうして百済は消滅した。百済の全官僚機構は日本へ亡命する。

 六六七年北九州から近江へ政治の中心を移動させる。敗戦処理である。「日本書紀」に
はこの白村江戦敗走から近江遷都までの4年間、全く記録されていない。論理と物語はす
ざましい表層空間の激突、それによるおそるべき人間関係がもたらす敗北の地獄編を記述
することができず、沈黙する。内部と深層とするためには言語化されなくてはならないの
だが、表層空間の激突とは人間の想像力を不断に超越するからである。人間は対象化でき
ぬ出来事は言語水準によって記述できない。わたしが、現在、一九七〇年を記述できるの
は三十年間、表層空間の激突で鍛えられたからである。論理と物語が沈黙した表層の出来
事は、その後の時代をウィルスとして内部と深層に侵入する。出来事とはウィルスである。

 民衆存在が記述されるのは古代から決定されている。生産力と労働力としてのみ、台帳
に記述される記号である。民衆の物語と時間は民衆から詩人が誕生しないかぎり記述され
ない。現在としての表層空間に登場する人物こそが、自己遺伝子と模倣子である。「偶然
はあまりに必然だった」これが模倣子。表層空間との関係項としての模倣子の存在はいず
れあきらかになるであろう。いまは、七世紀にもどろうではないか。

 戦争とは終戦から開始されると言われている。つまり表層空間の激突は内部・深層へと
はいりこむ。そこから戦争の経験は起動するのである。それが第二次世界大戦後の五十五
年間の内容であろう。ゆえに出来事はなんらかの形態として戦争との関係項にある。神田
の古本屋で「日本戦争論」を買って読んだ。侵略戦争時に発行された本で、ほとんど、エ
ンゲルスとクラウゼヴィッツの自己解釈であった。戦争とはおのれの一点をいかに防御し、
敵の戦闘力を壊滅するかにある、この原点が思想として把握されていない。中国戦線にお
いて毛沢東持久戦によって日本陸軍はゆえに敗北したのである。七十年代新左翼の党派戦
争によってクラウゼヴィッツ「戦争論」は、実践と現場において対象化された。

 わたしは七十年代から八十年代「戦争論」は何回も読了した。あの岩波文庫は、赤線、
緑線青線、黒線とアンダーライインがかさなって引いてある、それほど主体化しなければ、
八十年代は生きてこれなかった。二十一世紀初頭とは二十世紀崩壊の表土喪失が内部・深
層に入り込んだ、アンダーグランド展開として侵攻する。アンダーグランドこそ、明るい
「商品生成=消費」が消却した、記述されなかった時間・実践と場所である。

 表層空間と人間関係の激突は空間の不均衡をもたらす。政治者はこの激流にのまれまい
と抗する。その場合、二通りのタイプが現出する。建築の意志と強靭な精神力を政治空間
の激流によって、わが面を洗いおのれの骨格を目的意志的に形成せんとする政治者のタイ
プ。もうひとつのタイプは自然生成的タイプである。この場合、政治空間の激流は不断に
おのれの都合によって解釈され、表層はおのれの内部の延長と錯覚する。表層が均衡し安
定している場合は、この種の自然生成的タイプの政治者は生き延びることができるが、表
層が不均衡で政治空間が激流化しているときは敗北する。

 表層とはあらゆる人間の内部が行為として、表出する空間である。建築の意志を強靭な
精神力で支える政治者は、こうした動きを予測しシミュレーションする。推論構築力と想
像力が武器となる。囲碁・将棋とはシミュレーション・ゲームであり、相手の戦法の動き
と精神的諸力のゆらは、重要な推察対象となり、読む行為とは解釈のためでは
なく、おのれが打つ次の手のためにある。

 総力をあげて戦った白村江戦争の敗戦は、ときの王権基盤を動揺させたに違いない。こ
の戦争計画決定者であった天智政権は、対馬、九州北部の砦を強化しながら、内部を建設
していった。戦争とは攻撃よりも防御である。防御とは戦争を通して、戦争を遂行できる
組織建設。ゆえに野球でも守りが重要となる。いかに敵の攻撃を封じ込めるかが武装の第
一条件となる。その機構を推進したのは百済官僚機構であった。強力な「唐帝国」という
他者を、彼らは肉体・身体的知覚ににって、敗戦から学習した。

 万葉集にあらわれる、よみ人知らず防人の歌の表層空間とは、一方においてユーラシア
大陸をみすえる非日常としての日常があり、他方においてこの非日常から喪失した故郷の
日常を思うおのれがいる。詩人とは情を深め歌を発生させる。重要なのはおのれの感受性
を文字に表記する行為は、中華文明から漢字の移植なしには成立しなかったということで
ある。文字をわがものとすることによって、われわれは詩と物語を誕生させることが可能
となる。だがすでに私的所有としての内部になった以上、おのれの喪失した過去は、この
島では沈黙し永遠に掘り返されることがない、深層へと埋められなくてならない。

 自然生成的な音声文字は、空間に交差する人間関係の出来事、あるいは神と人間との関
係として、空間の音が内部となる。それに対し形象文字はある対象の形とイメージが内部
となる。きわめて人間の人工的構成の建築的な情念がすでに歴史として漢字の内部にはあ
る。漢字には文字をつくる職人が存在していた。それゆえに形象文字なのだ。モンタージ
ュ言語としての漢字は、それまでの王朝の私的所有であったが、7世紀の日本にある一定
のスピードをもって浸透していったと思われる。高度情報・高度技術を持った他者の参入
によって。

 「白村江敗戦後」天智政権は、近江の遷都をはたし、日本最初の課税の台帳と、人民の
身分を確定する氏姓の台帳づくりとしての戸籍制度を導入する。人民支配の基礎を確定せ
んとしたのである。

 対外戦争の敗北から、天智政権が学習したことは、強力な内部形成としての内政であろ
う。それまでの自然生成的人民支配から、台帳記入によって人民の表層空間としての生活
を支配する革命的な方法は、もちろん高度情報・高度技術をもつ官僚の存在なしににはあ
りえない。百済からの政治亡命者と王権参入と、軍団部族による地方への国造り部として
の東部開拓によって、台帳記入人民支配方法は可能になったと思える。USAは西部開拓
であり、南北戦争であったが、それと同期としてある、日本は東部東北開拓であり、西日
本と東日本の戦争である。USAの北部と南部の風土が違うように、日本は西と東の風土
は違う。朝鮮・韓国においても、高句麗・新羅・百済の風土は今日まで差異として継承さ
れている。

 すでに前世紀から、中国・エジプト・ギリシア・ローマ、そして朝鮮三国はこのような
台帳記入による人民支配を確立し、国家を形成していた。国家の基礎とは課税の台帳記入
であり、支配する人民の氏姓と家族、および奴隷の数を明らかにする台帳記入である。そ
れを担う官僚は生成する。七世紀の日本は中国と二千年の落差があった。他者によっ
て、その落差を学習した天智政権は、国家政治の中心としての首都を形成し、次にその首
都から全国に命令を下す基礎としての人民台帳をつくった。律令制度への胎動。行政官僚
機構の誕生。国家宗教である仏教の各地に建設した国分寺。それらの参謀こそが藤原鎌足
であった。官僚機構による日本文明はこうして誕生した。



【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】

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